本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。掲載商品は編集部が楽天市場・Yahoo!ショッピングで販売実態を確認したうえで選定しており、広告主の意向で評価を変えることはありません。編集方針を見る →
ボルダリングを始めて半年、1年と経つうちに、通う頻度が週1〜2回から週3〜4回に増え、気づけば月に10回以上ジムに足を運んでいる、という人は少なくありません。そのタイミングで多くの人がぶつかるのが「今履いている1足だけで、この先もずっとやっていけるのだろうか」という疑問です。最初に買った1足は、フラットに近い形状でソールも硬め、長時間履いても足が痛くなりにくい、いわば「優等生」なモデルだったはずです。ところが練習量が増えて課題の難易度も上がってくると、強傾斜の壁や小さなホールドが混じる課題で「もう少し足が入ってくれれば」「もう少しつま先に力が集まってくれれば」と感じる場面が増えてきます。かといって、いきなり反りの強いアグレッシブなモデルに買い替えると、今度は日々のアップやたくさん本数をこなす練習セッションで足が痛くて集中できない、ということにもなりかねません。実はこの悩み、多くの経験者が「トレーニング用」と「アウトドア・パフォーマンス用」の2足を使い分けることで解決しています。この記事では、なぜ1足だけでは限界があるのか、2足を使い分けるとは具体的にどういうことなのか、そして2足目をいつ・どう選べばいいのかを、初心者〜中級者向けに整理して解説します。
この記事でわかること
- 「1足で全部こなす」ことの限界はどこにあるのか
- トレーニング用シューズに求められる性能とは
- アウトドア・パフォーマンス用シューズに求められる性能とは
- 2種類の違いを一覧で比較する
- 2足目を検討し始めるタイミングの目安
- 2足を使い分けるときの実践的な工夫
目的別に見るシューズ4選
ここでは実際に選んだ候補を紹介します。先にお断りしておくと、これらを履けば必ず結果が出る、という話ではありません。トレーニング用に向くとされる快適性重視のモデル2足と、アウトドア・パフォーマンス用に向くとされるアグレッシブなモデル2足を、それぞれ紹介します。価格は取材・執筆時点のものです。その後変更されている場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・選べるサイズを確認してください。
4足を並べると、前半2足と後半2足で役割がはっきり分かれているのが分かります。アラゴンとベローチェは、フラット〜ややダウントゥの形状と快適な履き心地を重視した「トレーニング用」の代表格、インスティンクトVSRとドラゴは、強めのダウントゥとフッキング性能を重視した「アウトドア・パフォーマンス用」の代表格といった役割分担になっています。
どれを選ぶかは、今の自分がどちらを必要としているかによって変わります。まだ1足目としてオールラウンドに使える1足を探しているなら、アラゴンやベローチェのようなトレーニング寄りのモデルから検討するのが無難です。すでに1足を持っていて、強傾斜の課題やプロジェクト課題での性能不足を感じ始めているなら、インスティンクトVSRやドラゴのようなパフォーマンス寄りのモデルを2足目として検討するとよいでしょう。
価格だけで比べると、アラゴンがもっとも手頃に見えるかもしれません。ただし、トレーニング用とパフォーマンス用は価格の高低で優劣を比べるものではなく、そもそも用途が異なる道具だと捉えるのが実情に近いです。日々の練習用には手頃で耐久性のあるモデルを、ここぞという場面には多少値が張っても性能を引き出せるモデルを、というように使い分けの考え方で選ぶことをおすすめします。
また、今回はいずれも専門店の商品ページで用途がある程度明記されているモデルを選びましたが、シューズ選びに正解は一つではありません。同じ「トレーニング用」「パフォーマンス用」というくくりでも、メーカーごとに木型やソールの硬さには違いがあります。可能であれば、この4足に近いスペックのモデルを店頭で実際に試し履きしてみると、自分の足やレベルにより合う1足が見つかりやすくなります。

ラ・スポルティバ アラゴン(LA SPORTIVA ARAGON)
参考価格19,200円
スキルアップを狙いつつ快適さも備えたファーストシューズ〜トレーニング向けモデル。ストレートなラストとフラットソールに、互い違いに締める2本のベルクロを組み合わせ、脱ぎ履きのしやすさとフィット感を両立しています。3Dメッシュのタンを採用し、ミッドソールは前足部のみに配置することで適度なフレックス(しなり)を持たせています。
ここが良い
- フラットソールと適度なフレックスで、長時間のトレーニングセッションでも足への負担を抑えやすいとされる
- 2本のベルクロで甲まわりのフィット感を調整しやすく、休憩のたびの脱ぎ履きにも扱いやすい
- 4足の中では価格がもっとも手頃で、消耗品として気兼ねなく使い倒しやすい
注意点
- 強傾斜やフッキングを多用する課題では、ダウントゥのあるモデルに比べて性能面で見劣りする場面がある
- サイズ展開が34〜48とはいえ、在庫状況によっては希望のサイズが売り切れていることがある

スカルパ ベローチェ(SCARPA VELOCE)
4.50(2件のレビュー)
参考価格24,200円
ボルダリングセッション中に長時間履いても快適なよう、広めのトウボックスを備えたモデル。非常に高い耐久性を維持しながら小さなフットホールドにも接着できる最新のS-72ラバーを採用し、初心者〜中級者が「長く履いていられる」ことを重視して設計されています。
ここが良い
- 広めのトウボックスで、長時間のセッションでもつま先が圧迫されにくいとされる
- S-72ラバーは耐久性と小さなホールドへの接着力を両立しているとされ、トレーニング用として摩耗に強い
- スカルパのインスティンクトシリーズとソール剛性の系統を揃えやすく、2足目・3足目としても選びやすい
注意点
- 甲高の足だとベルクロの締め代がギリギリになるという声もあり、足の形によっては注意が必要
- アグレッシブなモデルに比べると、強傾斜での足使いには物足りなさを感じる場合がある

スカルパ インスティンクトVSR(SCARPA INSTINCT VSR)
4.88(8件のレビュー)
参考価格27,500円
インスティンクトシリーズの中でも、ソールを柔らかめのVibram XSグリップ2に変更したモデル。柔らかいシューズを好むクライマー向けとされ、強傾斜の壁でのフッキングや繊細なフットワークに対応しやすい設計です。ジムでの難易度の高い課題から外岩でのオールラウンドな使用まで対応するとされています。
ここが良い
- 掲載時点でレビュー評価4.88(8件)と、実際の使用者からの評価が高い
- 柔らかめのソールで、強傾斜やフッキングを多用する課題での足使いに強いとされる
- ジムでの高難度課題から外岩でのオールラウンドな使用まで、幅広いシーンに対応するとされている
注意点
- 柔らかいソールのぶん、フラットな壁での長時間の立ち込みではやや疲れやすいと感じる人もいる
- 甲高・幅広の足にはベルクロの調整がタイトに感じられる場合があるとされる

スカルパ ドラゴ(SCARPA DRAGO)
5.00(2件のレビュー)
参考価格27,500円
フューリアの前部ベルクロを省略し、トーラバーを延長するとともにヒールカップの剛性を高めることで、トー&ヒールフック性能を高めたモデル。長いオーバーハングや傾斜の強いボルダリング、フッキングを多用する立体的なクライミングに最適とされ、高性能ながら適度な履きやすさも兼ね備えています。
ここが良い
- 4足の中でもっとも軽量(約205g)で、足を高く上げるフッキング動作の負担を抑えやすいとされる
- 延長されたトーラバーとヒールカップの高い剛性で、トー・ヒールフックの安定感に優れるとされる
- 高性能モデルでありながら適度な履きやすさも兼ね備えているとされ、プロジェクト課題での集中使用に向く
注意点
- 前部ベルクロが省略された構造のため、フィットの微調整幅は他の3足よりやや限られる
- 4足の中でも特にサイズによって在庫の変動が大きく、購入時点での在庫確認が必要
■ スペック比較表
| 商品 | ラ・スポルティバ アラゴン(LA SPORTIVA AR… | スカルパ ベローチェ(SCARPA VELOCE) | スカルパ インスティンクトVSR(SCARPA INST… | スカルパ ドラゴ(SCARPA DRAGO) |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 19,200円 | 24,200円 | 27,500円 | 27,500円 |
| 購入 | ||||
| アッパー素材 | スエードレザー | マイクロスエード | マイクロファイバー | マイクロファイバー(人工皮革) |
| ソール | FriXion Black(4mm) | — | Vibram XSグリップ2(柔らかめ) | Vibram XSグリップ2 |
| クロージャー | ベルクロ(2本・互い違い) | — | — | — |
| 重量 | 約220g(1/2ペアの目安) | 約220g(#40、1/2ペアの目安) | 約230g(#40、1/2ペアの目安) | 約205g(#40、1/2ペアの目安) |
| サイズ展開 | EU34〜48(ハーフサイズあり) | EU36〜43.5(ハーフサイズあり) | EU34〜44(ハーフサイズあり) | EU35〜45(ハーフサイズあり) |
| ミッドソール | — | Flexan(1.0mm) | — | — |
| アウトソール | — | S-72(4mm) | — | — |
| 掲載時点のレビュー | — | — | 評価4.88(8件) | 評価5.00(2件) |
※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。
※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。
ボルダリング・クライミングでよく買われる道具
この記事を読んでいる人がよく使うサービス
PR※ アフィリエイトプログラムを利用しています。料金・キャンペーンは変動するため最新情報は各公式サイトでご確認ください。
「1足で全部こなす」ことの限界はどこにあるのか
クライミングシューズは、ダウントゥ(つま先の反り)やソールの剛性(硬さ)によって、得意な動きと苦手な動きがはっきり分かれる道具です。フラットに近く硬めのソールを持つモデルは、足裏全体で壁を捉えやすく、長時間履いていても疲れにくいという長所がある一方、強傾斜の壁でつま先だけに力を集中させるような動きにはあまり向いていません。逆に強いダウントゥと柔らかいソールを持つモデルは、天井や強傾斜でのフッキングや、小さなホールドへの立ち込みに強い一方、履いているだけで指が曲がり、長時間の使用には向かないとされています。
つまり「オールラウンドに何でもこなせる1足」というのは、実際には「すべての場面で及第点を取れるが、どの場面でも満点は取れない1足」であることが多いのです。ジムに通い始めた最初の1年ほどは、このオールラウンドな1足で十分満足できます。基礎的なフォームを身につけている段階では、シューズの性能差よりも自分の体の使い方のほうが伸びしろが大きいためです。
ですが、月に10回以上ジムに通うようになり、日々のアップの本数もこなしつつ、週末には自己ベストを更新するような難しい課題にも挑戦したい、という段階に入ると話が変わってきます。アップや基礎練習の本数をこなす場面と、1本のプロジェクト課題に全力を注ぐ場面とでは、シューズに求められる性能がそもそも違うからです。この「求められる性能の違い」を1足で埋め合わせようとすると、どうしても「アップのときは少し性能不足」「本気を出したいときは少し力不足」という中途半端さが残ってしまいます。
スポーツの他のジャンルで考えると分かりやすいかもしれません。ランニングでも、日々のジョギング用シューズとレース用の厚底シューズを使い分ける人は珍しくありません。テニスでも、練習用とマッチ用でストリングのテンションを変える人がいます。クライミングシューズにおける「トレーニング用」と「アウトドア・パフォーマンス用」の使い分けも、これと同じ発想です。日常の練習量をこなす道具と、ここぞという場面で最大限の性能を引き出す道具を分けることで、それぞれの場面での満足度を高めようという考え方です。
なお、この使い分けは全員に必須というわけではありません。月に数回のペースで楽しむ範囲であれば、1足のオールラウンドモデルで十分にクライミングを楽しめます。この記事は、あくまで練習量やモチベーションが上がってきて「そろそろ2足目を検討してもいいかもしれない」と感じ始めた人に向けた内容です。
この記事のスタンス
シューズの相性や、2足目が必要になるタイミングには個人差が大きく、断定できるものではありません。「〜とされる」「〜しやすい傾向がある」という表現を基本とし、判断材料として使っていただくことを想定しています。可能であれば購入前に専門店で試し履きをすることをおすすめします。
トレーニング用シューズに求められる性能とは
トレーニング用シューズとは、日々のアップや反復練習、量をこなすセッションで主力として使うシューズのことです。ここで重視されるのは、瞬間的な性能の高さよりも「長時間履いていても足への負担が少ないこと」と「脱ぎ履きのしやすさ」です。
具体的には、フラット〜ややダウントゥの形状、硬すぎず柔らかすぎない中間の剛性、そして甲まわりに余裕のある作りが挙げられます。こうした特徴を持つモデルは、1回のセッションで何十本と登っても足指が痛くなりにくく、休憩のたびに脱ぎ履きしても苦にならないとされています。ジムのメーカーによっては「快適性重視」「初心者〜中級者向け」といった表現で、こうした系統のモデルを案内していることが多く、商品ページの説明文からもある程度見分けがつきます。
トレーニング用シューズにもう一つ求められるのが、耐久性です。日々酷使することを前提にすると、ソールのラバーが厚めで摩耗に強いモデルのほうが、結果的に長く使い続けられます。逆に薄く柔らかいラバーを使ったアグレッシブなモデルは、性能は高い一方で摩耗が早く、トレーニング用として毎日酷使するには不向きとされています。
足の疲労を抑えられるという点も見逃せません。足が痛いままフォームを崩して登り続けると、変な癖がついてしまったり、練習そのものが苦痛になってしまったりします。トレーニング用シューズで足への負担を抑えながら、量をこなして基礎的なムーブを体に染み込ませる。これが、トレーニング用シューズに求められている一番の役割だと考えると分かりやすいでしょう。
価格帯としては、1万9千〜2万5千円程度のモデルが中心です。高性能なパフォーマンスモデルに比べるとやや控えめな価格設定のものが多く、消耗品として気兼ねなく使い倒せる価格であることも、トレーニング用としての条件の一つと言えるかもしれません。
アウトドア・パフォーマンス用シューズに求められる性能とは
一方でアウトドア・パフォーマンス用シューズとは、外岩でのプロジェクト課題や、ジムでも自己ベストを更新するような難易度の高い課題に「ここぞ」というタイミングで投入するシューズです。ここで重視されるのは、履き心地の快適さよりも、限られた時間の中でどれだけ足の性能を引き出せるかという一点に尽きます。
具体的には、強めのダウントゥ、柔らかめのソール、非対称性(つま先が親指側に寄った、ねじれのある形状)といった特徴が挙げられます。こうした形状は、天井や強傾斜の壁でのフッキング、小さなホールドへのピンポイントな立ち込み、スメアリングでの繊細な足使いに強いとされています。ホールドを足で掴むように使う、いわゆる「足で登る」動きが求められる場面で、その真価を発揮するタイプのシューズです。
このタイプのシューズは、履いているだけで足指が大きく曲がり、長時間の使用には向きません。多くのクライマーは、アップの段階では別のシューズを履き、いよいよプロジェクト課題にトライするというタイミングでパフォーマンス用シューズに履き替える、という使い方をしています。「本気の1本のためだけに履く」くらいの位置づけで考えると、性能と引き換えの窮屈さにも納得がいきやすいはずです。
ソールのラバーも、耐久性より摩擦力を優先した柔らかめの配合が使われていることが多く、トレーニング用シューズに比べると摩耗が早い傾向があります。その代わり、小さなホールドや傾斜のあるフットホールドへの吸い付きは、硬めのソールのモデルでは得られない感覚だとされています。
価格帯はトレーニング用よりやや高めで、2万5千〜3万2千円程度が中心です。使用頻度がトレーニング用シューズより少なくなる分、1回あたりの単価で考えれば必ずしも「高くつく」わけではない、という考え方もできます。プロジェクト課題に集中して取り組む期間だけ投入する道具と考えれば、価格に見合う価値を感じやすいでしょう。
アグレッシブなシューズはいつから使うべきか
強いダウントゥを持つパフォーマンス用シューズは、足の筋力や柔軟性がまだ十分でない段階で使うと、フォームを崩したり足を痛めたりする原因になりやすいとされています。目安として、フラット〜ややダウントゥのモデルである程度のグレードまで登れるようになってから検討する、というステップを踏むことをおすすめします。
2種類の違いを一覧で比較する
ここまでの内容を整理すると、トレーニング用シューズとアウトドア・パフォーマンス用シューズは、同じ「クライミングシューズ」というくくりの中でも、目指す方向性がまったく異なる道具だということが分かります。項目ごとに比較すると、その違いがより明確になります。
■ ダウントゥ・形状
トレーニング用はフラット〜ややダウントゥが中心。足裏全体で壁を捉えやすく、長時間の使用に向いています。パフォーマンス用は強いダウントゥ・非対称形状が中心。つま先に力を集めやすい一方、足への負担は大きくなります。
■ ソールの剛性
トレーニング用は中間〜やや硬めが中心。安定した立ち込みがしやすく、耐久性にも優れる傾向があります。パフォーマンス用は柔らかめが中心。繊細なホールドの捉え方に強い一方、摩耗は早くなりやすいとされています。
■ 想定される使用場面
トレーニング用はアップ・反復練習・量をこなすセッション向け。パフォーマンス用はプロジェクト課題・外岩でのレッドポイント・自己ベスト更新の場面向けとされています。
■ 1回あたりの装着時間
トレーニング用は1〜2時間以上の連続使用を想定。パフォーマンス用は数本〜十数本程度、短時間の集中使用を想定していることが多いとされています。
■ 価格帯の目安
トレーニング用は1万9千〜2万5千円程度。パフォーマンス用は2万5千〜3万2千円程度が中心とされています。
2足目を検討し始めるタイミングの目安
とはいえ、始めたばかりの段階から2足を揃える必要はありません。ここでは、2足目を検討し始める目安となるサインをいくつか挙げます。
一つ目の目安は、通う頻度です。月に10回以上、あるいは週3回以上のペースでジムに通うようになると、日々の練習量が増える一方で、シューズにかかる負担も大きくなります。この段階で1足のオールラウンドモデルを酷使し続けると、摩耗が早く進み、リソール(ソールの張り替え)や買い替えの頻度も上がってしまいます。日々の練習用と、ここぞという場面用でシューズを分けることで、それぞれの負担を分散させられます。
二つ目の目安は、課題の傾向です。垂壁中心の練習から、強傾斜や天井の課題にも挑戦するようになってきたら、フッキングや立体的なムーブへの対応力が求められる場面が増えてきます。今履いているシューズで「足が入りきらない」「もう少し反りがあれば」と感じる場面が増えてきたら、パフォーマンス用シューズを検討するタイミングと言えるでしょう。
三つ目の目安は、外岩デビューです。ジムだけでなく外岩にも足を運ぶようになると、限られたトライ回数の中で結果を出したい場面が増えてきます。外岩の課題は同じグレードでもジムより足の置き場所がシビアなことが多いとされ、パフォーマンス用シューズの繊細な足使いが活きる場面が増えてきます。
これらのサインが重なってきたら、2足目の購入を前向きに検討してよいタイミングです。逆に言えば、月数回のペースでジムを楽しんでいる段階では、無理に2足目を揃える必要はありません。まずは1足のオールラウンドモデルで基礎を固め、必要性を感じてから2足目を検討するという順番で問題ありません。
2足を使い分けるときの実践的な工夫
実際に2足を使い分けるとなると、どのタイミングで履き替えるか、どう持ち運ぶかといった実践的な疑問も出てきます。ここでは、経験者がよく実践している工夫を紹介します。
- 1セッションの前半はトレーニング用シューズでアップと基礎練習をこなす。体が温まりきっていない状態でいきなりパフォーマンス用シューズを履くと、足への負担が大きく感じられやすいため、まずは負担の少ないシューズで体を慣らすという順番がおすすめです。
- 2その日の目標課題に取り組む段階でパフォーマンス用シューズに履き替える。限られた集中力とトライ回数を、性能を引き出せる状態で使い切るイメージです。履き替えのタイミングを事前に決めておくと、その場で「まだトレーニング用でいいか、履き替えるか」と迷う時間を減らせます。
- 3課題が一段落したら再びトレーニング用シューズに戻し、クールダウンや別の課題の反復にあてる。パフォーマンス用シューズは履いている時間が長いほど足への負担が蓄積するため、目的の課題が終わったら早めに脱ぐという意識を持つと、次のセッションまで足のコンディションを保ちやすくなります。
持ち運びの工夫
2足になると荷物もかさばります。通気性のあるシューズバッグを使い、セッション後は2足とも袋から出して陰干ししておくと、ニオイや劣化を抑えやすくなります。ジムのロッカーに余裕があれば、トレーニング用だけ置きシューズにして、パフォーマンス用のみ持ち帰るという工夫をしている人もいます。
2足体制にすることのコストと、それに見合う価値
2足を使い分けるとなると、当然ながら初期費用は1足のときより高くなります。ここでは、2足体制にすることのコスト面を正直に整理したうえで、それに見合う価値について考えます。
単純計算では、トレーニング用(1万9千〜2万5千円程度)とパフォーマンス用(2万5千〜3万2千円程度)を合わせると、4万4千〜5万7千円程度の初期費用がかかります。1足だけで済ませる場合に比べると、決して小さくない出費です。加えて、2足分のメンテナンスやリソールの費用も将来的にかかってきます。
一方で、2足に分けることで得られるメリットも見過ごせません。まず、トレーニング用シューズの摩耗を抑えられるぶん、1足あたりの寿命が延びやすくなります。日々の練習をすべて1足でこなしていた場合に比べ、パフォーマンス用シューズへの負担が減る分、結果的にリソールの頻度が下がることもあります。また、目的に応じたシューズを履くことで、練習の質そのものが上がりやすくなるという声も多く聞かれます。足が痛くて集中できない状態でだらだら本数をこなすよりも、快適なシューズで量をこなし、ここぞという場面で性能の高いシューズに履き替えるほうが、限られた時間を効率的に使えるという考え方です。
初期費用を抑えたい場合は、必ずしも2足を同時に揃える必要はありません。まずは今持っている1足をトレーニング用として使い倒しながら、パフォーマンス用シューズを少しずつ資金を貯めて後から追加する、という進め方でも問題ありません。実際、多くのクライマーは最初のオールラウンドモデルを数年間トレーニング用として使い続け、外岩デビューやグレードアップのタイミングでパフォーマンス用の2足目を追加する、という順番で揃えています。
無理に2足体制を目指さなくてもいい
この記事はあくまで「2足を使い分けるという選択肢がある」ことを紹介するものであり、全員が2足体制を目指すべきだという話ではありません。月に数回のペースで楽しんでいる段階であれば、1足のオールラウンドモデルで十分にクライミングを満喫できます。自分の練習量やモチベーションに応じて、無理のない範囲で検討してください。
買ったあとに気をつけたいこと
2足を使い分けるようになったら、それぞれのシューズの特性に合わせたメンテナンスを意識しておくと、長く快適に使い続けやすくなります。
トレーニング用シューズは使用頻度が高い分、ソールの摩耗が早く進みます。つま先のラバーが薄くなってきたら、早めにリソール(ソールの張り替え)を検討することで、アッパーが傷む前に性能を回復させやすくなります。逆にパフォーマンス用シューズは使用頻度が低い代わりに、履くたびに強い負荷がかかるため、目に見える摩耗だけでなく、フッキングで酷使したヒールカップやトーラバーの状態も定期的にチェックしておくとよいでしょう。
保管方法にも違いを設けると効果的です。トレーニング用シューズは頻繁に使うため、風通しの良い場所での自然乾燥を毎回のルーティンにしやすいですが、パフォーマンス用シューズは使用頻度が低いぶん、湿気がこもったまま長期間放置してしまいがちです。使わない期間もときどき陰干しをして、カビやニオイの発生を防ぐ習慣をつけておくと安心です。
最後に、2足を使い分けているうちに、自分がどちらのタイプにより多くの時間を費やしているかが見えてくるはずです。トレーニング用ばかり履いている期間が続くなら、まだ基礎を固める時期なのかもしれませんし、パフォーマンス用を履く頻度が増えてきたなら、着実にレベルアップしている証拠かもしれません。2足の使用頻度の変化そのものが、自分の成長を測る一つの目安にもなります。
よくある質問
Qクライミングシューズは本当に2足に分ける必要がありますか?
A必須ではありません。月に数回のペースでジムを楽しんでいる段階であれば、1足のオールラウンドモデルで十分にクライミングを満喫できます。月に10回以上通うようになった、強傾斜の課題に挑戦するようになった、外岩デビューをした、といったタイミングで前向きに検討するとよいでしょう。
Qトレーニング用とパフォーマンス用、どちらを先に買うべきですか?
Aこれから1足目を選ぶ段階であれば、まずはフラット〜ややダウントゥのトレーニング寄りのモデルから始めるのがおすすめです。基礎的なフォームを身につけたうえで、強傾斜やプロジェクト課題での性能不足を感じ始めてから、パフォーマンス用の2足目を検討するという順番が無難とされています。
Qパフォーマンス用シューズはどのくらいの頻度で履けばいいですか?
A決まった正解はありませんが、日々のアップや反復練習はトレーニング用シューズで行い、その日の目標課題やプロジェクト課題に取り組むタイミングでパフォーマンス用シューズに履き替える、という使い方をしているクライマーが多いとされています。履いている時間が長いほど足への負担が大きくなるため、目的の課題が終わったら早めに脱ぐ意識を持つとよいでしょう。
Q2足を使い分けると費用はどれくらいかかりますか?
Aトレーニング用が1万9千〜2万5千円程度、パフォーマンス用が2万5千〜3万2千円程度が目安で、合計すると4万4千〜5万7千円程度が初期費用の目安になります。同時に揃える必要はなく、今の1足をトレーニング用として使い倒しながら、後からパフォーマンス用を追加するという進め方でも問題ありません。
Q強いダウントゥのシューズは初心者が使ってもいいですか?
A強いダウントゥを持つパフォーマンス用シューズは、足の筋力や柔軟性が十分でない段階で使うとフォームを崩したり足を痛めたりしやすいとされています。目安として、フラット〜ややダウントゥのモデルである程度のグレードまで登れるようになってから検討することをおすすめします。
Q2足のうち、どちらを先にリソールに出すべきですか?
A一般的には使用頻度の高いトレーニング用シューズのほうが摩耗が早く進みやすいため、先にリソールのタイミングを迎えることが多いとされています。つま先のラバーが薄くなり下地が透けて見えてきたら、早めにリソールを検討すると、修理の範囲や費用を抑えやすくなります。
Q同じブランドで揃えたほうがいいですか?
A必須ではありません。ブランドを揃えると足なじみやサイズ感の予測がしやすいという利点はありますが、トレーニング用とパフォーマンス用でそれぞれ自分の足に合うブランドが異なることも珍しくありません。可能であれば店頭で試し履きをして、それぞれの用途で足に合うモデルを個別に選ぶのがおすすめです。
迷ったらこれ|この記事のNo.1

ラ・スポルティバ アラゴン(LA SPORTIVA ARAGON)
参考価格 19,200円
向いている人:アップや反復練習で量をこなすトレーニング用の1足を探している人、快適な脱ぎ履きを重視したい人
あわせて検討したいサービス
PR※ アフィリエイトプログラムを利用しています。料金・キャンペーンは変動するため最新情報は各公式サイトでご確認ください。
体づくりはジム・スタジオで
関連記事