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自宅用ボルダリングマットの選び方とおすすめ4選
ボルダリング・クライミング

自宅用ボルダリングマットの選び方とおすすめ4選

自宅に懸垂バーやハングボード、簡易的な傾斜ウォールを設置したい人向けに、床を保護し落下時の衝撃を和らげる「自宅用マット」の選び方を解説。厚み・防音性・素材・収納サイズの読み方と、目的別に選びやすいマット4点を紹介します。

公開:更新:執筆:SPOGEAR編集部

本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。掲載商品は編集部が楽天市場・Yahoo!ショッピングで販売実態を確認したうえで選定しており、広告主の意向で評価を変えることはありません。編集方針を見る →

ジムでのボルダリングにのめり込んでくると、「自宅でも指の力や引きつけの動きを鍛えたい」と考えて、懸垂バーやハングボード、あるいは簡易的な傾斜ウォールを自宅に設置する人が増えてきます。ですが、いざ設置を検討し始めると、見落とされがちなのが「下に敷くマット」の存在です。ジムであれば床一面に厚いクッションマットが敷き詰められていますが、自宅の床はフローリングやカーペットがそのまま露出しているだけのことがほとんどです。ハングボードから手が滑って落ちたり、簡易ウォールから足を踏み外したりしたときに何も敷いていなければ、フローリングを傷つけるだけでなく、足首や膝を痛める可能性もあります。加えて、賃貸やマンションに住んでいる場合は、トレーニング中の物音や振動が階下に響いてしまう「音」の問題も無視できません。この記事では、外岩用のクラッシュパッドとは違う視点——自宅の限られたスペースで、床を守り、音を抑え、使わないときはコンパクトに収納できる「自宅トレーニング用マット」をどう選べばいいかを整理しました。最後には、候補として挙げられやすい4点も比較しています。

この記事でわかること

  • 外岩用クラッシュパッドと自宅用マットはまったくの別物
  • そもそもマットの何を見れば違いが分かるのか
  • 「厚み」の読み方 — 用途によって必要な厚みは変わる
  • 「素材」の読み方 — EVA・ウレタン・PVCの違い
  • 「サイズと収納性」の読み方 — 部屋の広さと生活動線から逆算する
  • 「防音性」の読み方 — マンション・アパートでの配慮
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自宅トレーニング用マットのおすすめ4選

ここから先は、実際に候補に挙げた商品の紹介です。前置きとして、これらを使えば絶対に安全というわけではありません。学校・スポーツ施設向けの体操マットで実績のあるメーカーの製品や、比較用に外岩ボルダリング向けのクラッシュパッドを加えて、厚み・サイズ・価格帯が異なる4点を選びました。掲載している価格は記事作成時点の参考情報です。変動する場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・カラーを確認してください。

4点を並べると、厚みと役割がはっきり分かれているのが分かります。エバニューの2製品はいずれも学校・スポーツ施設向けの体操マットとしての実績があるグレードで、EGD310-400は厚さ10cmで衝撃吸収力を最優先、EKM076-500は厚さ5cmで折りたたみやすさとのバランスを取っています。ワイルドフィットの三つ折りマットは手軽さと収納性を重視した入門用、ブラックダイヤモンドのサーキットZは外岩ボルダリングで使われる二つ折りのクラッシュパッドで、自宅用というよりは落下対策を本格的に整えたい人向けの比較対象という立ち位置の製品です。

自分に合うのはどれかは、トレーニングの内容や部屋のスペース、集合住宅かどうかによって変わります。動的なトレーニングも含めて本格的に保護したいなら1点目、標準的なデッドハング中心のトレーニングなら2点目、まず手頃に試したいなら3点目、外岩でも使える本格的な落下対策を1枚持ちたいなら4点目、という基準で絞り込むと、選びやすくなるはずです。なお、価格・仕様は変動する可能性があるため、購入前に商品ページをチェックしておくと安心です。

価格だけで比べると、ワイルドフィットの三つ折りマットが最も手頃に見えるかもしれません。ただし、厚さ5cmの薄手マットは、エバニューのような厚手の体操マットほどの衝撃吸収力を単体で期待するものではありません。予算を抑えたい場合は、まずワイルドフィットのようなマットを、実際にハングボードや懸垂バーを設置する真下に敷く形から始めて、トレーニングの頻度が上がってきたタイミングでエバニューのような厚手マットに買い替える、という進め方も現実的です。ブラックダイヤモンドのクラッシュパッドは外岩での使用を想定した製品のため、自宅では置き場所と出し入れの手間を確認してから検討してください。

また、今回はいずれも学校・スポーツ施設向けの実績があるメーカーや、登山・クライミング用品ブランドの製品を選びましたが、マット選びに正解は一つではありません。部屋の広さや床材、トレーニングの内容によって最適な組み合わせは変わります。可能であれば、この4点に近いスペックの製品を比較しながら、自分の部屋に合った1枚(または組み合わせ)を見つけてみてください。

No.1エバニュー(EVERNEW) 屋内スベリ止カラーマット 厚さ10cm EGD310-400
本格保護型・最厚モデル

エバニュー(EVERNEW) 屋内スベリ止カラーマット 厚さ10cm EGD310-400

参考価格45,404円

学校の体育館やスポーツ施設のとび箱着地マットなどにも使われる、日本製の屋内用厚手マット。厚さ10cmの半硬質ウレタンフォームに、防炎加工されたターポリン外皮を採用し、裏面にはすべり止めが付いています。4点の中でもっとも厚みがあり、本格的に衝撃吸収力を重視したい人向けのモデルです。

こんな人に低い自作ウォールやキャンパスボードなど、動的なトレーニングも含めて本格的に保護したい人
展開サイズ幅90cm×長さ180cm×厚さ10cm
重量約5.5kg
外皮素材ターポリン(防炎加工)
中材半硬質ウレタンフォーム
特徴屋内用・裏面すべり止め付き
生産国日本

ここが良い

  • 学校体育施設等でも採用される日本製の業務用グレードで、品質面での安心感がある
  • 厚さ10cmと4点の中で最も厚く、着地時の衝撃吸収力が高いとされる
  • 外皮がターポリン素材で汚れを拭き取りやすく、防炎加工も施されている

注意点

  • 4点の中でもっとも価格が高い
  • 重量約5.5kgとやや重く、頻繁に一人で出し入れするにはやや負担になりやすい
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No.2エバニュー(EVERNEW) 軽量折りたたみカラーマット 体操マット EKM076-500
標準的な厚みのバランス型

エバニュー(EVERNEW) 軽量折りたたみカラーマット 体操マット EKM076-500

参考価格34,832円

学校の体育の授業などでも使われている、折りたたみ式の体操マット。厚さ5cmで、持ち手が折り目の内側に付いており安全に出し入れしやすい設計です。抗菌・防水・防炎加工が施されたターポリン外皮を採用し、裏面にはすべり止めが付いています。

こんな人に懸垂バーやハングボードでのデッドハング中心のトレーニングで、標準的な厚みのマットを探している人
展開サイズ幅90cm×長さ180cm×厚さ5cm
重量約3.3kg(自重)
外皮素材ターポリン
中材半硬質ウレタン
加工抗菌・防水・防炎加工(外被のみ)
特徴折りたたみ式・裏面すべり止め付き

ここが良い

  • 折りたたみ式で、使わないときは省スペースに収納できる
  • 持ち手が折り目の内側に配置されており、安全に持ち運びできる設計
  • 抗菌・防水加工が施されており、衛生面に配慮されている

注意点

  • 厚さ5cmのため、EGD310-400と比べると衝撃吸収力はやや控えめ
  • 重量約3.3kgで、こちらも毎回気軽に出し入れするにはある程度の負担がある
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No.3ワイルドフィット(WILD FIT) 三つ折りストレッチマット 180×60×5cm
手軽に導入できる省スペースモデル

ワイルドフィット(WILD FIT) 三つ折りストレッチマット 180×60×5cm

4.50(2件のレビュー)

参考価格7,590円

もともとヨガ・ストレッチ用として販売されているEVA系フォームマット。三つ折り式で、展開時180×60×5cmから、収納時は約60×60×15cmまでコンパクトに畳めます。厚みのあるクッションが衝撃を吸収し、階下への音を和らげる効果があるとメーカーの商品説明で案内されています。

こんな人にまずは手頃な価格で自宅トレーニングマットを試してみたい人、置き場所を最小限にしたい人
展開サイズ約180cm×60cm×5cm
収納時サイズ約60cm×60cm×15cm(三つ折り)
重量約2kg
外側素材PVC
中材EPEフォーム(発泡ポリエチレン)
カラー展開5色

ここが良い

  • 4点の中で最も軽量・手頃な価格で、まず試してみたい人にリスクが少ない
  • 三つ折りでコンパクトに収納でき、置き場所に困りにくい
  • 商品説明で階下への騒音を和らげる効果に触れられている

注意点

  • 幅60cmとカバーできる範囲が狭く、単体では着地エリアとして心もとない
  • もともとヨガ・ストレッチ用として販売されている製品で、クライミング専用に設計されたものではない
No.4ブラックダイヤモンド(Black Diamond) サーキットZ クラッシュパッド ピューター
ボルダリング用クラッシュパッド

ブラックダイヤモンド(Black Diamond) サーキットZ クラッシュパッド ピューター

参考価格約45,980円

ブラックダイヤモンドのボルダリング用クラッシュパッド。二つ折りで運べるボルダーマットで、落下時の衝撃を受け止める本来の用途のクラッシュパッドです。

こんな人に自宅や外岩でボルダリングの落下対策を本格的に整えたい人
ブランドブラックダイヤモンド(Black Diamond)
モデルサーキットZ
カラーピューター
用途ボルダリング用クラッシュパッド

ここが良い

  • ボルダリングの落下を受け止める本格的なクラッシュパッド
  • 折りたたんで持ち運びや収納ができる
  • 登山・クライミング用品ブランドの製品

注意点

  • 45,000円台と価格は高い
  • 置き場所と運搬手段が必要
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■ スペック比較表

商品エバニュー(EVERNEW) 屋内スベリ止カラーマット 厚さ10cm EGD310-400エバニュー(EVERNEW) 屋内スベリ止カラーマット …エバニュー(EVERNEW) 軽量折りたたみカラーマット 体操マット EKM076-500エバニュー(EVERNEW) 軽量折りたたみカラーマット…ワイルドフィット(WILD FIT) 三つ折りストレッチマット 180×60×5cmワイルドフィット(WILD FIT) 三つ折りストレッチ…ブラックダイヤモンド(Black Diamond) サーキットZ クラッシュパッド ピューターブラックダイヤモンド(Black Diamond) サー…
参考価格45,404円34,832円7,590円約45,980円
購入
展開サイズ幅90cm×長さ180cm×厚さ10cm幅90cm×長さ180cm×厚さ5cm約180cm×60cm×5cm—
重量約5.5kg約3.3kg(自重)約2kg—
外皮素材ターポリン(防炎加工)ターポリン——
中材半硬質ウレタンフォーム半硬質ウレタンEPEフォーム(発泡ポリエチレン)—
特徴屋内用・裏面すべり止め付き折りたたみ式・裏面すべり止め付き——
生産国日本———
加工—抗菌・防水・防炎加工(外被のみ)——
収納時サイズ——約60cm×60cm×15cm(三つ折り)—
外側素材——PVC—
カラー展開——5色—
ブランド———ブラックダイヤモンド(Black Diamond)
モデル———サーキットZ
カラー———ピューター
用途———ボルダリング用クラッシュパッド

※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。

※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。

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外岩用クラッシュパッドと自宅用マットはまったくの別物

「クライミング用のマット」と聞くと、外岩でのボルダリングで使うクラッシュパッド(分厚く折りたたみ式の着地マット)を思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが、自宅の一室やベランダ、玄関先にハングボードや低い傾斜ウォールを設置する場合に求められる条件は、外岩用のクラッシュパッドとはかなり違います。外岩のクラッシュパッドは、高さのあるフォールの衝撃を吸収することが最優先で設計されており、厚みも8〜12cm程度、重量も3〜7kg程度が標準的です。一方、自宅用のマットに求められるのは、それに加えて「限られた室内スペースに収まるサイズ感」「使わないときに片付けられる収納性」「フローリングを傷つけない床保護の機能」「階下や隣室への音を抑える防音性」といった、住環境ならではの要素です。

自宅トレーニングの多くは、懸垂バーやハングボードにぶら下がって指や前腕を鍛える「デッドハング」、低い位置での引きつけ動作、あるいは市販の簡易ホールドを壁や自作の板に取り付けた低いトラバース練習が中心になります。外岩のように2m近い高さからフォールする場面は少なく、むしろ「足を滑らせて数十cm落ちる」「バランスを崩してドスンと着地する」といった、低い高さでの繰り返しの衝撃に日常的にさらされることのほうが多いという特徴があります。

このため、自宅用マットに求められる衝撃吸収力は、外岩用クラッシュパッドほど極端に高い必要はありません。その代わり、毎日のように使うことを想定した「耐久性」「出し入れのしやすさ」「フローリングとの相性」が重要になってきます。分厚くて重いクラッシュパッドを自宅に置くと、使うたびに広げて、終わったら畳んで部屋の隅に立てかける、という一手間が面倒に感じられ、結局トレーニングそのものが続かなくなってしまう人も少なくありません。

この記事では「このマットを使えば絶対にケガをしない」というような書き方はしません。自宅トレーニングでの落下やバランス崩しは、マットの性能だけでなく、設置場所の高さや動きの種類によっても衝撃の大きさが変わるためです。その代わり、商品ページに並ぶ言葉がそれぞれ何を意味していて、自宅での用途に対してどのあたりが無難な目安になるのかを、できるだけ具体的に説明していきます。

なお、この記事は主に賃貸・持ち家を問わず「室内」にハングボードや低い自作ウォール、懸垂バーなどを設置する場合の床保護マットを対象にしています。外岩でのボルダリングに使う本格的なクラッシュパッドの選び方は、別記事で詳しく取り上げていますので、外岩デビューを考えている人はそちらも参考にしてください。

この記事のスタンス

商品ごとの特徴については効果を保証する内容ではないため、断定を避けた表現にしています。マットの効果は設置環境や使い方によって差が出やすく、ケースによって違いが出るためです。判断材料として使い、可能であれば実際の部屋の広さや床材を確認したうえで選ぶことをおすすめします。

そもそもマットの何を見れば違いが分かるのか

自宅用のトレーニングマットの商品ページには、厚み、素材、展開時と収納時のサイズ、重量、防音性能への言及など、さまざまな情報が並んでいます。すべてを一度に理解する必要はありませんが、自宅での用途を想定する場合、まず押さえておきたいのは「厚み」「素材(クッション性と耐久性)」「サイズと収納性」「防音性」の4つです。この4つを見るだけで、そのマットが「本格的な着地保護を優先したタイプ」なのか「省スペースで気軽に導入できるタイプ」なのかが、おおよそ判断できます。

たとえるなら、厚みは着地の衝撃をどれだけ和らげられるかの土台、素材はクッションの反発の仕方と長期間使ったときのへたりにくさ、サイズと収納性は部屋のスペースとの相性、防音性は集合住宅で暮らす人にとっての生活面での安心感に関わる要素です。厚みがあるほど衝撃吸収力は高まりますが、その分かさばり、部屋の中での置き場所に困りやすくなります。自宅トレーニングを長く続けたいなら「毎回無理なく出し入れできるサイズ」を優先したほうが、結果的に習慣として定着しやすくなります。

一方で、コンパクトさだけを優先したマットは、カバーできる着地エリアが狭く、少し横にずれて着地してしまうとフローリングに直接足がついてしまうこともあります。これは携帯性・収納性と保護エリアの広さのトレードオフで、どちらが正解ということではありません。まずは「自分がどんなトレーニングをする予定か(懸垂中心か、低いトラバース練習も含むか)」を意識しておくと、商品ページの説明が意味を持って見えてきます。

もう一つ見落とされがちなのが、マットの選択が自宅トレーニングそのものの継続に与える影響です。マットが重すぎたり出し入れが面倒だったりすると、「今日は面倒だからハングボードだけやってマットは敷かない」という状態になりやすく、結果的にケガのリスクが高まったり、床を傷つけてしまったりすることがあります。逆に、自分の部屋のスペースや生活動線に合ったマットを選べば、「トレーニングのたびにさっと敷いて、終わったらすぐ片付けられる」という状態を作りやすくなります。マット選びは安全性の話であると同時に、自宅トレーニングを継続できるかどうかを左右する要素でもあると考えてください。

また、自宅用マットには大きく分けて「単体で厚みと着地エリアを確保する体操マット・トレーニングマット系」と、「複数枚を組み合わせて床全体を覆うジョイントマット系」の2系統があります。前者は特定の場所(ハングボードの真下など)をピンポイントで保護するのに向いており、後者は部屋全体の床養生や防音を目的に、必要な枚数を買い足しながら範囲を広げていくのに向いています。この記事で紹介する4点も、それぞれどちらの系統に近いかを踏まえて選んでいます。

「厚み」の読み方 — 用途によって必要な厚みは変わる

厚みは、マットを広げた状態でのクッション部分の高さとしてセンチメートル(cm)で表記されます。自宅用として販売されているマットは、厚さ2〜3cm程度の薄手のヨガマット系から、5cm前後の一般的な体操マット・フィットネスマット、8〜10cm程度の学校体育施設でも使われるような厚手のマットまで幅があります。

懸垂バーやハングボードの下に置く場合、想定される動きは「ぶら下がっている状態から手を離して足から着地する」ことが中心で、落下の高さもそれほど大きくありません。この用途であれば、厚さ5cm前後の標準的な体操マット・トレーニングマットで十分なクッション性が期待できるとされています。一方、低い自作ウォールでの登り降りや、キャンパスボードでの動的なトレーニングなど、バランスを崩して横向きに落ちる可能性がある動きを含む場合は、厚さ8〜10cm程度のより厚手のマットのほうが安心感があります。

逆に、単に床の傷防止や防音だけが目的で、落下による衝撃吸収をそれほど重視しない場合は、厚さ1〜2cm程度のジョイントマットのような薄手のものでも役割を果たせます。この場合は、厚みよりもむしろ後述する防音性能や、床全体をどれだけ広くカバーできるかのほうが重要な判断基準になります。

厚みは主に着地の瞬間の衝撃吸収に影響しますが、素材の硬さ・柔らかさとの組み合わせによって体感はかなり変わります。同じ5cmの厚みでも、内部にどんな素材が使われているかによって「しっかり受け止めてくれる」と感じるか「沈み込みすぎる」と感じるかが変わってくるため、厚みの数値だけで判断せず、次に説明する素材の情報も合わせて確認することをおすすめします。

「素材」の読み方 — EVA・ウレタン・PVCの違い

自宅用マットの内部素材としてよく使われるのは、EVA(エチレン酢酸ビニル)やEPE(発泡ポリエチレン)といった軽量なフォーム系素材、半硬質ウレタンフォームといったやや密度の高い素材です。外側の生地には、ターポリン(防水・防炎加工が施された厚手の布)やPVC(ポリ塩化ビニル)が使われることが多く、商品ページの「材質」欄で確認できます。

EVAやEPEといった発泡フォーム系の素材は軽量で扱いやすい反面、繰り返し体重をかけて使い続けると、へたって厚みが薄くなりやすいとされています。ヨガマットやストレッチマットとして販売されている商品の多くはこの系統の素材が使われており、価格も手頃なものが多い一方、クライミング専用に設計された衝撃吸収マットと比べると、耐久性や着地時の沈み込み方には違いがある点は理解しておく必要があります。

半硬質ウレタンフォームは、学校の体育施設や公共のスポーツ施設で使われる体操マットに多く採用されている素材です。EVA系のフォームと比べて密度が高く、繰り返しの使用に対する耐久性が高いとされていますが、その分マット自体の重量も重くなる傾向があります。頻繁に出し入れする自宅用途では、重量と耐久性のバランスをどう取るかがポイントになります。

外側の生地についても、防水・防炎加工が施されたターポリン素材であれば、汗や飲みこぼしを拭き取りやすく、賃貸物件のフローリングを保護する役割も期待できます。逆に生地の表記がなく「フォーム単体」で販売されているような安価な製品は、表面が汚れやすかったり、繰り返しの摩擦で破れやすかったりすることもあるため、外側の素材についても商品ページで確認しておくと失敗しにくくなります。

「サイズと収納性」の読み方 — 部屋の広さと生活動線から逆算する

展開サイズはマットを広げたときの縦横の寸法、収納サイズは折りたたんだり丸めたりして片付けるときの寸法です。自宅用マットの多くは「展開時180×60cm、折りたたみ時60×60×15cm」のように、両方が併記されています。

自宅にハングボードや簡易ウォールを設置する場合、まず確認しておきたいのは「トレーニングをする場所の周辺に、マットを広げるスペースがどれだけあるか」です。ワンルームや共有スペースでトレーニングする場合、マットを広げっぱなしにしておくと生活の邪魔になってしまうことも多く、使うたびに広げて、終わったら畳んで部屋の隅やクローゼットに収納できるかどうかが、継続して使えるかどうかを大きく左右します。

折りたたみ式のマットは、三つ折りや蛇腹折りで厚みを圧縮できるものが多く、収納時のサイズが展開時の3分の1〜4分の1程度になる製品もあります。一方、ジョイント式のマットは1枚あたりのサイズが小さい(30cm角程度)ため、使わないときは重ねて積んでおくだけで済み、部屋のレイアウトに応じて敷く範囲を柔軟に調整できるという利点があります。

目安としては、ハングボードの真下だけをピンポイントで保護したいのであれば展開時90×180cm前後のコンパクトな体操マット、部屋全体の床を保護・防音したいのであればジョイントマットを必要な枚数だけ組み合わせる、という使い分けが現実的です。どちらか一方だけでなく、体操マットを中心に置きつつ、その周囲をジョイントマットで囲む、という組み合わせ方をしている人も少なくありません。

賃貸物件では退去時の原状回復も意識する

賃貸物件で自宅トレーニングスペースを作る場合、マットの選び方だけでなく、ハングボードや懸垂バーの設置方法(壁への穴あけの有無など)についても、契約内容や管理会社の規約を事前に確認しておくことをおすすめします。マットはあくまで床の保護と衝撃吸収が目的であり、壁面の設置に関するトラブルまでは防げない点に注意してください。

「防音性」の読み方 — マンション・アパートでの配慮

集合住宅に住んでいる場合、トレーニング中の物音や振動が階下や隣室に伝わってしまう「生活音トラブル」への配慮も、自宅用マットを選ぶうえで重要な観点です。商品ページに「防音」「階下への音を和らげる」といった表現がある製品は、フォーム素材の厚みや密度によって、着地時の衝撃音をある程度吸収する設計になっているとされています。

ただし、ここで注意したいのは、クライミング用や体操用として販売されているマットの多くは、防音を主目的として設計されたものではなく、あくまで衝撃吸収の副次的な効果として防音性に触れられているケースが多いという点です。本格的に防音を重視したい場合は、フローリングの上に防音用の敷きマットやジョイントマットを一段追加で敷き、その上にトレーニング用のマットを重ねるという「二重構成」を検討したほうが、効果を実感しやすいとされています。

また、防音効果は着地時の「衝撃音」には有効でも、懸垂バーを壁や柱に固定する際の振動音や、フレームがきしむ音までは吸収しきれない場合があります。特に突っ張り式の懸垂バーやハングボードスタンドを使う場合は、固定部分にゴム製の緩衝材を挟むなど、マット以外の対策も合わせて検討すると、より安心して自宅トレーニングを続けやすくなります。

深夜や早朝にトレーニングをする予定がある人は、マットの防音性能だけに頼らず、あらかじめ管理会社や隣人に一言伝えておく、時間帯を配慮するといった、道具以外の心配りも合わせて意識しておくと、近隣トラブルを避けやすくなります。

目的別に見る3タイプ

ここまで見てきた厚み・素材・サイズ・防音性の組み合わせによって、市販の自宅用トレーニングマットはおおよそ3つの系統に分けられます。すべての製品がきれいに当てはまるわけではありませんが、店頭やネットショップで「このマットはどのタイプだろう」と判断する目安として使ってください。

■ 本格保護型(厚手体操マット)

厚み8〜10cm、重量5kg前後、展開サイズ90×180cm程度が多いタイプです。学校体育施設や公共スポーツ施設でも採用されるグレードの製品が中心で、衝撃吸収力を最優先したい人、キャンパスボードなど動的なトレーニングも行う予定がある人に向いています。価格は3万〜5万円程度とやや高めです。

■ バランス型(標準的な折りたたみマット)

厚み5cm前後、重量2〜3kg程度、折りたたみ式で収納性にも配慮されたタイプです。懸垂バーやハングボードでのデッドハング中心のトレーニングであれば十分な保護力が期待できるとされ、出し入れのしやすさと衝撃吸収のバランスを取りたい人に選ばれやすい系統です。

■ 床養生・防音型(ジョイントマット)

厚み1〜2cm、1枚30cm角程度で、複数枚を組み合わせて使うタイプです。単体での衝撃吸収力は控えめですが、部屋全体を広くカバーでき、床の傷防止や防音の下地として、他のマットと組み合わせて使うのに向いています。価格も手頃で、まず床養生から始めたい人に向いています。

選び方の3ステップ

ここまでの知識を踏まえて、実際に自宅用マットを選ぶポイントを3ステップに分けてまとめました。上から順に確認していくと、専門用語に左右されずに候補を選びやすくなります。

  1. 1自分のトレーニング内容と設置場所を大まかに把握する。懸垂バーやハングボードでのデッドハングが中心なら「バランス型」寄り、低い自作ウォールやキャンパスボードでの動的な練習も含むなら「本格保護型」寄りから検討すると外しにくくなります。防音や床の傷防止が主目的であれば、まず「床養生・防音型」から検討するのも一つの方法です。
  2. 2部屋のスペースと収納方法を確認する。トレーニング場所の周辺に、マットを常時広げておけるスペースがあるか、それとも使うたびに出し入れする必要があるかを確認し、それに合った展開サイズ・収納サイズのモデルを絞り込みます。集合住宅であれば、防音性への言及がある製品を優先的に候補に入れるとよいでしょう。
  3. 3可能であれば複数の系統を組み合わせることを検討する。厚手の体操マットをハングボードの真下に置き、その周囲をジョイントマットで囲む、といった組み合わせ方をすることで、コストを抑えながら保護エリアを広げることができます。最初から高価な1枚に絞り込む必要はなく、段階的に買い足していく考え方も現実的です。

床の耐荷重にも注意

懸垂バーやハングボードを天井や壁面に固定する場合、その部分にかかる荷重にも注意が必要です。マットはあくまで着地時の衝撃を和らげるものであり、設置器具自体の耐荷重や固定方法については、製品の説明書に従って正しく設置することが前提になります。不安がある場合は、購入前にメーカーのサポート窓口に相談することをおすすめします。

設置前に確認しておきたいこと

マットを用意しただけで、自宅トレーニングの準備が整うわけではありません。ここでは購入前後に、特に確認しておきたいポイントを整理します。

まず、懸垂バーやハングボードの設置方法です。ドア枠に取り付ける突っ張り式のバー、天井や壁面にビス留めするタイプのボードなど、製品によって固定方法はさまざまです。賃貸物件の場合は、壁や天井に穴をあける施工が原状回復の対象になる可能性があるため、契約内容や管理会社への確認を事前に済ませておくことをおすすめします。マットはあくまで床の保護が目的で、設置器具そのものの安全性や賃貸契約上の問題までは解決できない点に注意してください。

次に、マットを敷く場所の周辺環境です。ハングボードの真下や、簡易ウォールの着地エリアに家具や電化製品、割れ物などが近くに置かれていないかを確認しておきましょう。バランスを崩した際に、マットの外側に足や体が出てしまう可能性も想定し、マットのサイズに余裕を持たせておくと安心です。

また、トレーニングを始める前のウォームアップも重要です。自宅トレーニングは気軽に始められる分、準備運動を省略してしまいがちですが、指や前腕、肩まわりのケガは、ジムでのトレーニングと同様に自宅でも起こり得ます。特にハングボードでのデッドハングは指への負担が大きい種目とされており、いきなり強い負荷をかけず、軽い負荷から徐々に慣らしていくことをおすすめします。

最後に、床の耐荷重についても触れておきます。マンションやアパートの床は、一般的な家具の荷重を想定して設計されていますが、懸垂バーやウォールを固定する箇所に荷重が集中する場合は、製品の説明書に記載された設置条件をよく確認することが大切です。不安がある場合は、購入前にメーカーのサポート窓口や、可能であれば建物の管理会社にも相談しておくと、より安心して自宅トレーニングを始められます。

自宅トレーニング開始前のチェックリスト

トレーニングを始める前に「①賃貸の場合、設置方法が契約上問題ないか確認したか」「②マットを敷く周辺に危険なものがないか確認したか」「③準備運動を省略せずに行う習慣をつけられそうか」の3点をチェックしておくと、安全に自宅トレーニングを始めやすくなります。

買ったあとに気をつけたいこと

マットは買って終わりではなく、使っていくうちに劣化していく消耗品でもあります。特に自宅で毎日のように使う場合は、見落としがちな点をいくつか挙げておきます。

まずマットの寿命です。フォーム素材は使用頻度や体重のかかり方によって徐々にへたっていき、衝撃吸収力が低下していくとされています。表面の生地が破れていなくても、内部のフォームが劣化していることがあり、「なんとなく着地したときに底付きしやすくなった」と感じたら、買い替えを検討するタイミングかもしれません。毎日使うようなペースであれば、1〜2年程度でへたりが気になり始める人もいるとされています。

次に、保管方法です。使用後に汗や湿気を含んだまま片付けてしまうと、フォーム内部にカビが発生したり、生地の劣化が早まったりすることがあるとされています。トレーニング後は表面を乾いた布で軽く拭き取り、風通しの良い場所で乾かしてから収納する習慣をつけておくと長持ちしやすくなります。

洗い方については、洗濯機での丸洗いは推奨されていません。生地の破れや、内部フォームへの水の浸入につながる可能性があるためです。基本的には乾いた布やブラシでほこりや汚れを落とし、汚れがひどい部分は固く絞った布で表面だけを拭き取る程度にとどめるのが無難です。ジョイントマットの場合は、1枚ずつ取り外して水拭きできる製品もあるため、商品ページのお手入れ方法を確認しておくとよいでしょう。

最後に、フローリングとの相性です。長期間同じ場所にマットを敷きっぱなしにしていると、床材との間に湿気がこもり、フローリングの変色やカビの原因になることがあるとされています。トレーニングのたびに敷いて片付けるスタイルであれば問題は起きにくいですが、常設する場合は、定期的にマットをどかして床の状態を確認する習慣をつけておくと安心です。

よくある質問

Qジム用のマットと自宅用のマットは何が違いますか?

Aジムの床には備え付けの厚いクッションマットが敷き詰められていますが、自宅の床はフローリングやカーペットが露出しているだけのことがほとんどです。自宅用マットには、衝撃吸収に加えて、限られたスペースに収まるサイズ感や、使わないときに片付けられる収納性、床の傷防止や防音といった住環境ならではの機能が求められます。

Q外岩用のクラッシュパッドを自宅で使ってもいいですか?

A衝撃吸収力の面では問題ありませんが、外岩用のクラッシュパッドは厚み・重量ともに大きく、自宅の限られたスペースで毎回出し入れするには扱いにくいと感じる人も多いようです。自宅での日常的な使用を想定するなら、折りたたみやすく収納性に配慮された体操マット・トレーニングマット系の製品のほうが続けやすい傾向があります。

Qマンションやアパートでも自宅トレーニングはできますか?

A防音性能に言及のあるマットを選び、着地の衝撃音を和らげる工夫をすることで、ある程度は配慮できます。ただし、マットだけで振動音やきしみ音まで完全に防げるわけではないため、深夜・早朝の時間帯を避けたり、事前に管理会社や近隣に一言伝えておいたりすることも合わせて検討することをおすすめします。

Q厚みはどれくらいあれば安心ですか?

A懸垂バーやハングボードでのデッドハング中心であれば、厚さ5cm前後の標準的な体操マットで十分なクッション性が期待できるとされています。低い自作ウォールやキャンパスボードなど、動的な動きも含む場合は、厚さ8〜10cm程度のより厚手のマットのほうが安心感があります。

Qジョイントマットだけでも大丈夫ですか?

Aジョイントマットは厚みが1〜2cm程度のものが多く、単体での衝撃吸収力は体操マットほど高くありません。床の傷防止や防音の下地としては有効ですが、落下の着地マットとして使う場合は、厚手のマットと組み合わせて使うことをおすすめします。

Qマットはどのくらいで買い替えるべきですか?

A使用頻度によって差がありますが、毎日のように使うペースであれば1〜2年程度でフォームのへたりが気になり始める人もいるとされています。表面の生地が破れていなくても、着地したときに底付きしやすくなったと感じたら、買い替えを検討するサインかもしれません。

Q予算はどれくらい見ておけばいいですか?

A三つ折りの入門用マットであれば数千円台から、標準的な折りたたみ式の体操マットであれば3万円前後、学校・スポーツ施設向けの厚手マットやボルダリング用クラッシュパッドであれば4万円台からが目安です。最初から高価な1枚に絞り込む必要はなく、入門用マットから始めて、必要に応じて厚手マットを買い足していく進め方も現実的です。

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