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ロープの「フレーキング」とは|正しいたたみ方
ボルダリング・クライミング

ロープの「フレーキング」とは|正しいたたみ方

ジムでは教わらないロープの「フレーキング」。外岩デビューでロープが絡まる・キンクする悩みを解消する正しいたたみ方の手順と、フレーキング作業を助けるロープバッグ(タープ)の選び方を解説します。

公開:更新:執筆:SPOGEAR編集部

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ジムのオートビレイやトップロープにはなかった作業に戸惑った経験はないでしょうか。外岩でリードクライミングを始めると、パートナーが登り出す前に「ロープをフレーキングしておいて」と頼まれることがあります。フレーキングとは、袋やタープの上にロープを一往復ずつ交互に置いていき、絡まりや癖(キンク)のない状態に整える作業のことです。ジムのロープはスタッフが管理しているため、この作業を一度も経験しないまま外岩デビューを迎えるクライマーは少なくありません。フレーキングを知らずにロープをただ地面に積み上げてしまうと、いざリードクライマーがクリップしようとした瞬間にロープが団子状に絡まり、パートナーを待たせてしまったり、最悪の場合は繰り出しが引っかかって危険な体勢を招いたりすることもあります。この記事では、フレーキングという作業そのものの意味と正しい手順、そしてその作業を格段にやりやすくしてくれる「ロープバッグ(ロープタープ)」というギアの選び方を、これから外岩デビューする人に向けて整理しました。

この記事でわかること

  • フレーキングを知らずに外岩へ行くと何が起こるか
  • そもそも「フレーキング」とは何をする作業か
  • 正しいフレーキングの手順
  • なぜロープバッグ(タープ)の上で行う必要があるのか
  • タープの「広さ」の読み方 — ロープの長さに対して不足しないか
  • 「素材と防水性」「軽さ」の読み方
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フレーキング作業がしやすいロープバッグ4選

ここからは実際の候補です。いずれも大手・専門ブランドの正規取扱店で販売されている製品で、タープの広さ・防水性・重量のバランスが異なる4点を選びました。価格は記事公開時点の情報です。セールなどにより変動することがあります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・カラーを確認してください。

4製品を並べると、軽さを取るか機能を取るかで役割が分かれます。エーデルリッド ティリットは4製品の中でもっとも軽量でマルチピッチ向き、ブルーアイス ロープタープ シャドーはシューズコンパートメントなど機能面を重視する人向き、エーデルリッド スプリングバッグ30L 2はバックパックとしても使いたい人向き、メトリウス ダートバッグ2はスポーツクライミングからビッグウォールまで長く使える汎用モデルというすみ分けがされています。

これから外岩デビューをする段階で、まずはゲレンデでのスポーツクライミングが中心という人であれば、機能性とのバランスが取れたブルーアイス ロープタープ シャドーか、定番の使いやすさを持つメトリウス ダートバッグ2から検討するとイメージしやすいでしょう。将来的にマルチピッチへのステップアップを考えているなら、軽量なエーデルリッド ティリットも候補に入ってきます。価格・仕様はメーカーの都合で変わることがあります。購入前に商品ページで最新情報を確認してください。

No.1エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit) ER72118
軽量・コンパクト重視

エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit) ER72118

参考価格4,290円

マルチピッチ用に設計された軽量コンパクトなロープバッグ。本体は折りたたむと手のひらサイズになり、使うときだけタープを広げてフレーキングに使う仕組みです。ピッチごとにロープをたたみ直す機会が多いマルチピッチクライミングでの携行性を重視した製品です。

こんな人にマルチピッチクライミングを視野に入れていて、荷物を極力軽くしたい人
重量約123g
対応ロープ長の目安60m前後(メーカー案内基準)
タイプタープ単体(収納袋一体・巾着型ではない簡易タイプ)
対応シーンマルチピッチ・アルパイン・軽量装備でのスポーツクライミング
販売元BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)

ここが良い

  • 4製品の中でもっとも軽量で、ザックの中でかさばりにくい
  • 折りたたむと非常にコンパクトになり、マルチピッチで持ち運びやすい
  • クライミングジム併設ショップが直接販売しており、正規品として安心して購入しやすい

注意点

  • シンプルな構造のため、四隅の固定ループなど風対策の機能は限定的
  • 大容量のロープバッグと比べるとタープの面積は控えめで、70m超のロープには余裕が少ない場合がある
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No.2ブルーアイス(BLUE ICE)ロープタープ シャドー 100486
機能派のロープタープ

ブルーアイス(BLUE ICE)ロープタープ シャドー 100486

参考価格5,720円

クライミングシューズ専用コンパートメントやギアループ、色分けされたハンドルなど、フレーキング作業と登攀前の準備を効率化する工夫が盛り込まれたロープタープ。岩場でのレスト中に靴を汚さず置けるよう設計されています。

こんな人にゲレンデでのレスト時間も含めて快適に過ごしたい人、機能性を重視したい人
重量約230g
素材200Dリサイクルポリエステル(Bluesign認証・PFCフリー処理)
機能クライミングシューズコンパートメント/ギアループ/キャリーループ/色分けハンドル
対応シーンスポーツクライミングのゲレンデ・岩場でのレスト
販売元BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)

ここが良い

  • クライミングシューズを汚さず置ける専用コンパートメントが付いており、レスト時にも便利
  • 環境配慮素材(Bluesign認証・PFCフリー)を採用しており、環境負荷を気にする人にも選ばれやすい
  • 色分けされたハンドルでロープの端を見分けやすく、フレーキング時の端の管理がしやすい

注意点

  • 機能が多い分、シンプルなタープ単体タイプよりは重量がやや増える
  • カラーバリエーションが限定的な場合がある
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No.3エーデルリッド(EDELRID)スプリングバッグ30L 2
バックパック兼用型

エーデルリッド(EDELRID)スプリングバッグ30L 2

参考価格9,240円

ロープバッグと軽量バックパックの機能を兼ね備えたタイプ。タープを開いてフレーキングに使う一方、閉じればそのままザックとして背負って移動できます。取り付きまでのアプローチが長い岩場で活躍する製品です。

こんな人に駐車場から取り付きまでの歩きが長い岩場に通う人、荷物を一つにまとめたい人
容量30L
タイプバックパック兼用ロープバッグ(2気室構造)
対応シーンアプローチの長い岩場・スポーツクライミング全般
販売元BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)

ここが良い

  • ロープバッグとザックを兼ねるため、別途バックパックを用意する必要がない
  • 2気室構造でロープとその他のギア(ハーネスやシューズなど)を分けて収納しやすい
  • クライミングジム併設ショップが直接販売しており、正規品として安心して購入しやすい

注意点

  • 4製品の中では価格がもっとも高い
  • バックパック機能を兼ねる分、タープ単体タイプよりは重量がある
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No.4メトリウス(Metolius)ダートバッグ2(Dirt Bag II)
定番の汎用モデル

メトリウス(Metolius)ダートバッグ2(Dirt Bag II)

参考価格6,160円

スポーツクライミングからマルチピッチ、ビッグウォールまで幅広く使われてきた定番ロープバッグ。吊り下げて使うループも備えており、ポータレッジでのビッグウォール泊や、支点に吊るして使う場面にも対応しています。

こんな人にスポーツクライミングだけでなく将来的にマルチピッチやビッグウォールにも挑戦したい人
重量約520g
特徴吊り下げ用ループ付き(ビッグウォール・マルチピッチでの携行にも対応)
対応シーンスポーツクライミング・マルチピッチ・ビッグウォール
販売元BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)

ここが良い

  • スポーツクライミングからビッグウォールまで幅広いシーンに対応する汎用性の高さ
  • 吊り下げ用ループがあり、支点に固定してフレーキングやロープ管理を行いたい場面でも使いやすい
  • 長年の販売実績があるモデルで、情報や口コミを見つけやすい

注意点

  • 4製品の中では重量がもっとも重く、軽量化を重視する人には不向きな場合がある
  • シンプルなデザインのため、シューズコンパートメントのような付加機能は少ない
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■ スペック比較表

商品エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit) ER72118エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit)…ブルーアイス(BLUE ICE)ロープタープ シャドー 100486ブルーアイス(BLUE ICE)ロープタープ シャドー …エーデルリッド(EDELRID)スプリングバッグ30L 2エーデルリッド(EDELRID)スプリングバッグ30L …メトリウス(Metolius)ダートバッグ2(Dirt Bag II)メトリウス(Metolius)ダートバッグ2(Dirt …
参考価格4,290円5,720円9,240円6,160円
購入
重量約123g約230g—約520g
対応ロープ長の目安60m前後(メーカー案内基準)———
タイプタープ単体(収納袋一体・巾着型ではない簡易タイプ)—バックパック兼用ロープバッグ(2気室構造)—
対応シーンマルチピッチ・アルパイン・軽量装備でのスポーツクライミングスポーツクライミングのゲレンデ・岩場でのレストアプローチの長い岩場・スポーツクライミング全般スポーツクライミング・マルチピッチ・ビッグウォール
販売元BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)BaseCamp OnlineShop(クライミングジム併設プロショップ)
素材—200Dリサイクルポリエステル(Bluesign認証・PFCフリー処理)——
機能—クライミングシューズコンパートメント/ギアループ/キャリーループ/色分けハンドル——
容量——30L—
特徴———吊り下げ用ループ付き(ビッグウォール・マルチピッチでの携行にも対応)

※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。

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フレーキングを知らずに外岩へ行くと何が起こるか

ジムのクライミングウォールでは、ロープはあらかじめビレイヤーの足元に積まれた状態でセットされていることがほとんどです。オートビレイならロープに触れる機会すらありません。そのため、多くの人は「クライミングロープをどう扱うか」を意識したことがないまま、初めての外岩やゲレンデデビューを迎えます。

ところが外岩では、ロープバッグから出したロープをその都度、登る前に自分たちで整える必要があります。何も知らずに地面や岩の上にロープを無造作に積んでしまうと、下から数メートル分を引き出しただけで途中の輪がお互いに絡まり合い、リードクライマーがクリップのたびにロープを強く引っ張られる「ロープドラッグ」のような抵抗を感じることがあります。さらに悪いケースでは、ロープの途中に8の字状のねじれ(キンク)ができてしまい、ビレイデバイスの中でロープが噛んでスムーズに繰り出せなくなることもあります。

こうしたトラブルは、単に「面倒くさい」で済む話ではありません。リードクライマーがクリップする瞬間にロープが引っかかると、バランスを崩したり、余計な待ち時間で腕が疲労したりする原因になります。また、地面に直接ロープを広げると、砂や小石、松ヤニなどの汚れがロープの繊維の中に入り込みます。汚れは見た目の問題だけでなく、ロープ内部のコア(芯)の摩耗を早め、結果としてロープの寿命そのものを縮めてしまうとされています。

フレーキングという言葉自体を知らなくても、外岩に何度か通ううちに周りのクライマーを見よう見まねで覚えていく人も多いでしょう。ですが、最初から正しい手順と、その作業を助ける道具(ロープバッグ)の役割を理解しておけば、初めての外岩デビューでパートナーを待たせてしまう気まずさや、絡まったロープと格闘する時間を大きく減らすことができます。

この記事のスタンス

フレーキングの手順やロープバッグの効果には、パートナーとの慣れやロープの状態による個人差があります。断定的な書き方を避け「〜とされる」「〜しやすい」という表現にとどめていますので、実際の練習は経験者やガイドの指導のもとで行ってください。

そもそも「フレーキング」とは何をする作業か

フレーキング(flaking)とは、ロープを端から少しずつ手繰り寄せながら、袋やシートの上に一往復ずつジグザグに重ねて置いていく作業のことです。ロープを丸く輪にして巻く「コイリング」とは異なり、フレーキングでは輪を作らずに、ロープ自体の自然なねじれを解消しながら平らに積み重ねていくのが特徴です。

登山用語やクライミング用語としての「フレーク(flake)」は、もともと「薄く重ねる、積層する」という意味の英語です。ロープを輪ではなく重ねて置くことで、ロープ内部にねじれの力(トルク)が蓄積しにくくなり、繰り出すときにキンクが発生しにくくなるとされています。逆に、コイリング(腕に巻きつけるように輪を作る収納方法)はロープを持ち運ぶ際には便利ですが、そのまま登攀に使おうとすると輪の分だけねじれが残りやすいと言われています。

フレーキングは主に、①クライミングを始める前にロープバッグやタープの上でロープを整える場面、②1本のルートを登り終えてロワーダウン(懸垂やビレイヤーによる下降)した後、次のクライマーのためにロープを再び整える場面、③マルチピッチクライミングで各ピッチの終了点ごとにロープをたたみ直す場面、の3つの場面で行われます。ジムでのクライミングでは経験しない作業ですが、外岩デビューをするなら避けて通れない基本動作の一つです。

なお、フレーキングは1人でもできますが、パートナーと2人で片方がロープの端を持ち、もう片方が手繰り寄せながら重ねていくとスムーズです。特にロープの長さが60m・70mと長くなるほど、1人で最後まで確認するのは時間がかかるため、待っている時間を使ってパートナー同士で協力するのが一般的です。

正しいフレーキングの手順

ここでは、ロープバッグ(タープ)を広げた状態からフレーキングを行う、基本的な手順を紹介します。実際の岩場では地形やパートナーとの役割分担によって多少の違いがありますが、大まかな流れは共通しています。

  1. 1ロープバッグのタープ(シート状の底面)を、平らで乾いた場所に広げる。落石や落下物の心配がなく、岩場の取り付き(登り始める地点)からできるだけ近い場所を選ぶと、後で持ち運ぶ手間が減ります。
  2. 2ロープの片方の端(クライマー側の端)を見つけ、タープの隅にあるループやタグに固定する、あるいはハーネスに軽く結んでおく。これを怠ると、フレーキングの途中でロープの端がバッグの外に逃げてしまい、最初からやり直しになることがあります。
  3. 3ロープをたぐりながら、タープの上に一往復ずつジグザグに重ねていく。輪を作らず、ロープが自然に置かれる形のまま、扇状に少しずつ位置をずらしながら積んでいくのがコツです。手元でロープに変なねじれを感じたら、その部分だけ軽く振ってねじれを逃がしてから重ねます。
  4. 4ロープの最後(ビレイヤー側の端)まで積み終えたら、上から見て左右均等に山ができているかを確認する。片側に偏っていると、繰り出すときに引っかかりやすくなります。
  5. 5クライミングを始める直前に、ビレイヤー側の端をハーネスのビレイループにエイトノットなどで結ぶ。これはフレーキングとは別の重要な確認作業ですが、フレーキング後の流れとして忘れずに行いましょう。

よくある失敗 — 「スパゲッティ巻き」に注意

ロープを輪の形のまま無造作にタープの上に置いていく「スパゲッティ巻き」と呼ばれる積み方は、一見フレーキングに見えても、輪同士が重なり合って絡まりの原因になりやすいとされています。輪を作らず、ジグザグに「重ねる」意識を持つことが、フレーキングとの大きな違いです。

なぜロープバッグ(タープ)の上で行う必要があるのか

フレーキング自体は、理屈の上では地面に直接ロープを広げても行えます。それでも多くのクライマーがロープバッグのタープを使うのには理由があります。

第一に、地面の汚れからロープを守るためです。ロープの表面(シース)は編み込まれた繊維でできており、砂や小石がその隙間に入り込むと、繰り出しや巻き取りのたびに繊維同士がこすれ合い、内部のコアを傷める原因になるとされています。防水性のあるタープの上でフレーキングを行うだけで、ロープが地面に直接触れる時間を大きく減らすことができます。

第二に、フレーキングという作業そのものがやりやすくなるためです。地面が凸凹していたり、草や岩の隙間があったりすると、ロープを重ねていく途中で引っかかりが生じ、かえって絡まりやすくなります。タープの平らで滑らかな面の上であれば、ロープをスムーズに重ねていくことができます。

第三に、後片付けと持ち運びが圧倒的に楽になるためです。フレーキングし終えたロープをタープごと巾着状に閉じてしまえば、そのままロープを崩さずに次の場所へ移動したり、車のトランクに積み込んだりできます。地面に直接広げていた場合、いちいちロープを一からコイリングし直す手間がかかりますが、タープ一体型のロープバッグならその手間を省けます。

ロープバッグには、大きく分けて「タープに紐やドローコードがついていて袋状に閉じられるタイプ」と「タープと収納袋が完全に一体化していない、シンプルなグラウンドシート(タープ単体)タイプ」があります。前者は持ち運びの利便性が高く、後者は軽量でコンパクトに畳めるという特徴があります。フレーキング作業のしやすさという観点では、どちらのタイプもタープの広さと厚みが重要な判断材料になります。

タープの「広さ」の読み方 — ロープの長さに対して不足しないか

ロープバッグのタープは、製品によって広げたときの面積が大きく異なります。商品ページには「◯m×◯m」あるいは対応するロープの長さの目安が記載されていることが多いですが、記載がない場合は、実際にどのくらいのロープをどれだけ美しく積み上げられるかをイメージしながら選ぶ必要があります。

一般的なスポーツクライミングで使われるロープの長さは60m・70m程度が主流です。タープが小さすぎると、フレーキングの山が高く積み上がりすぎてしまい、結果的にロープ同士が絡まりやすくなったり、山が崩れて外側にロープがはみ出したりすることがあります。特に70m・80mといった長いロープを主に使う人は、直径1m前後の広さを確保できるタイプを選んでおくと、余裕を持ってフレーキングできるとされています。

一方で、タープが大きすぎると、持ち運びのときにかさばりますし、狭い岩場の取り付き(複数パーティーが順番待ちをするような人気エリア)ではスペースを取りすぎてしまい、周囲のクライマーに気を遣わせてしまうこともあります。ジムから外岩に出て間もない段階で、60m程度のシングルロープを主に使うのであれば、直径80cm前後のコンパクトなタイプでも十分に対応できる場合が多いです。

また、四隅にペグを打ち込める、あるいは石を重しとして置けるループがついているタイプは、風の強い岩場でタープがめくれ上がるのを防げるという利点があります。海岸沿いのクライミングエリアや、開けた場所にあるゲレンデでフレーキングを行う機会が多い人は、こうした固定用のループの有無も確認しておくとよいでしょう。

「素材と防水性」「軽さ」の読み方

ロープバッグのタープに使われる生地は、ナイロンやポリエステルに防水コーティングを施したものが一般的です。防水性の高さと生地の厚みは、耐久性・重量・価格のバランスに直結する要素です。

防水性が高い生地は、雨上がりの濡れた岩場や朝露の残る草地でも、下からの湿気をロープに伝えにくいという利点があります。ただし、防水コーティングをしっかり施した生地は、それだけ生地自体が厚く重くなる傾向があります。荷物を極力軽くしたいアルパインクライミングやマルチピッチ志向の人は、多少防水性を犠牲にしても軽量な生地を選ぶ場合がありますが、ゲレンデでのスポーツクライミングが中心であれば、防水性を優先しても大きな支障はないでしょう。

重量については、タープ単体で200〜300g程度のものが多く、収納袋と一体化したタイプはこれに加えてストラップやドローコードの分だけ重くなります。ザックの中でロープバッグ自体がかさばる・重いと感じる場合は、タープ単体のシンプルなタイプを選び、ロープ本体は別の方法で持ち運ぶという組み合わせも選択肢の一つです。

さらに、四隅の色が左右で異なる、あるいは中央にロープの端を固定するタグがついているなど、フレーキングそのものを補助する小さな工夫が施された製品もあります。こうした細かな機能は価格帯が上がるにつれて増える傾向がありますが、フレーキングの作業効率という観点では地味に効いてくる部分でもあります。

選び方の3ステップ

ここまでの内容を踏まえて、実際にロープバッグ(タープ)を選ぶ流れを3つの手順に整理しました。

  1. 1自分が主に使うロープの長さを確認する。60mシングルロープが中心ならコンパクトなタイプ、70m以上やダブルロープ運用も視野に入れているなら、広めのタープを持つタイプを検討します。
  2. 2主なフィールドを考える。スポーツクライミングのゲレンデが中心なら防水性と使い勝手を優先、マルチピッチやアルパイン方向も視野に入れているなら軽量性を優先、というように優先順位をつけます。
  3. 3固定用ループや持ち運びの形状(巾着型・バックパック型など)を確認する。風の強い場所での使用が多い人は四隅の固定機能を、車での移動が中心の人は持ち運びやすさよりも収納力を優先するなど、自分の使い方に合わせて絞り込みます。

カラビナは別売のことが多い

ロープバッグの巾着口をハーネスのギアループに吊るして持ち運びたい場合、カラビナが付属していない製品も多くあります。購入前に商品ページで付属品の有無を確認し、必要であれば別途カラビナを用意してください。

フレーキングにまつわるよくある疑問

ここまで手順やギア選びを見てきましたが、実際に岩場で試すとなると細かい疑問も出てくるはずです。特に質問されやすいポイントをいくつか補足しておきます。

まず「毎回必ずフレーキングし直す必要があるのか」という疑問です。ロワーダウンした直後のロープは、登っている最中にすでに多少のねじれが加わっていることが多く、次のクライマーのためにも、目に見えて絡まっていなくても軽く整え直しておくのが無難とされています。特に複数人のグループで交代しながら同じルートを登る場合は、その都度フレーキングをしておくと、次の人が登り始めるまでの待ち時間を短縮できます。

次に「ロープが新品のうちはキンクしやすいのか」という点です。新品のロープは工場での巻き取り方の影響で、最初の数回の使用でねじれ癖が出やすいとされています。使い始めのロープほど、フレーキングを丁寧に行い、キンクが見つかった場合はロープをぶら下げて自然にねじれを解消させる(垂らして回転させる)といったケアをしておくと、その後の扱いやすさが変わってくると言われています。

また「タープを忘れた・持っていない場合はどうするか」という状況もあり得ます。その場合は、なるべく平らで清潔な場所を選び、ザックのフラップや大判のタオルなどを代用品として敷いた上でフレーキングを行うと、地面の汚れを多少なりとも防げます。ただし、これはあくまで応急的な対応であり、外岩に定期的に通うようになったら専用のロープバッグを用意することをおすすめします。

パートナーとの役割分担を事前に決めておく

フレーキングは1人でもできますが、慣れないうちはパートナーと「どちらが端を持つか」「どちらが手繰るか」を事前に軽く確認しておくと、現場での戸惑いが減ります。特に初めて組むパートナーとは、フレーキングの手順も含めて簡単にすり合わせておくと安心です。

買ったあとに気をつけたいこと

ロープバッグ(タープ)は消耗品ではありませんが、使い方や保管方法によって寿命や使い勝手が変わってきます。

使用後は、タープに付着した砂や小石を軽くはたいて落としてから収納するようにしましょう。濡れた状態のまま長時間バッグに入れっぱなしにすると、生地にカビが発生したり、防水コーティングが劣化したりする原因になるとされています。雨天や朝露で濡れた場合は、帰宅後に陰干しをして完全に乾かしてから収納してください。

タープの防水コーティングは、紫外線や経年劣化によって少しずつ効果が薄れていきます。表面の撥水性が落ちてきたと感じたら、アウトドア用の防水スプレーで再撥水処理を行うことで、ある程度の性能を回復できる場合があります。

最後に、ロープバッグはロープだけでなく、ハーネスやクイックドロー、チョークバッグなど他のギアと一緒に持ち運ぶことも多い道具です。ロープと金属製のギアを同じコンパートメントに詰め込むと、擦れによってロープの表面が傷むことがあるため、可能であれば別のポケットやコンパートメントに分けて収納するとロープを長持ちさせやすくなります。

よくある質問

Qフレーキングとコイリングは何が違うのですか?

Aフレーキングはロープを輪にせず、タープの上にジグザグに重ねていく方法で、主にこれから登る前や登った直後にロープを整える作業を指します。コイリングは腕や手を使ってロープを輪状に巻き、持ち運びやすい形にまとめる方法です。持ち運ぶ前の最終的な収納にはコイリング、これから登るためにロープを整える作業にはフレーキングが向いているとされています。

Qロープバッグがなくてもフレーキングはできますか?

A地面が平らで清潔であれば、タープなしでもフレーキング自体は可能です。ただし、地面の砂や小石がロープに付着しやすく、繊維の摩耗を早める原因になるとされています。外岩に定期的に通うのであれば、専用のロープバッグ(タープ)を用意することをおすすめします。

Qフレーキングをしてもロープが絡まることはありますか?

Aフレーキングを丁寧に行っても、ロープの状態や使用年数によっては多少のねじれが残ることがあります。特に新品のロープは巻き癖が出やすいとされているため、キンクが気になる場合はロープを垂らして自然に回転させ、ねじれを逃がすケアを行うと扱いやすくなる場合があります。

Qロープバッグのタープはどのくらいの大きさを選べばいいですか?

A60mシングルロープが中心であれば直径80cm前後のコンパクトなタイプでも対応できることが多いですが、70m・80mといった長いロープを使う機会が多い人は、直径1m前後の余裕があるタイプを選んでおくと、フレーキングの山が高くなりすぎず絡まりにくいとされています。

Qロープバッグとロープタープは同じものですか?

A製品によって呼び方が異なりますが、多くの場合「ロープバッグ」はタープと収納袋が一体化し、巾着状に閉じて持ち運べるタイプを指し、「ロープタープ」はシート単体のシンプルなタイプを指すことが多いです。どちらもフレーキング作業を助ける役割は共通していますが、持ち運びの利便性や重量には違いがあります。

Qマルチピッチクライミングでもロープバッグは必要ですか?

Aマルチピッチではピッチごとにロープをたたみ直す機会が多く、軽量でコンパクトに折りたためるタイプのロープバッグが重宝されるとされています。荷物を減らしたい場面が多いため、この記事で紹介したエーデルリッド ティリットのような軽量タイプが候補になりやすいです。

Q予算はどれくらい見ておけばいいですか?

Aシンプルなタープ単体のタイプであれば4,000〜6,000円程度、機能性を重視したタイプやバックパック兼用タイプは9,000円前後まで幅があります。まず1つ用意するのであれば、極端に高機能なものより、自分が使うロープの長さに合った広さのタープを優先して選ぶのがおすすめです。

迷ったらこれ|この記事のNo.1

エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit) ER72118

エーデルリッド(EDELRID)ティリット(Tirit) ER72118

参考価格 4,290円

向いている人:マルチピッチクライミングを視野に入れていて、荷物を極力軽くしたい人

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