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ジムでのボルダリングに慣れてきて「自宅にも練習できる壁がほしい」と考えたとき、多くの人が最初につまずくのがホールド選びです。合板やパネルを用意するところまではDIYの延長として何とかなっても、いざ「クライミングホールド」で検索すると、色とりどりの塊が32個セットや21個セットで並んでいるだけで、どれが自分の壁に取り付けられるのか、どのサイズを選べば練習になるのかが商品ページからは読み取りにくいものです。実はクライミングホールドには、パネルの裏に手が入るかどうかで選ぶべき取り付け方式がまったく変わりますし、ホールドの形状(シェイプ)によって鍛えられる部位も、初心者が最初に選ぶべきかどうかも変わってきます。ジムのホールドセッターが当たり前に使い分けている知識を知らないまま買ってしまうと、「届いたホールドがそもそも自分の壁に取り付けられなかった」「大きすぎて指トレにならなかった」という失敗にもつながります。この記事では、自宅にホールドを取り付けたいボルダリングジム通いの初心者〜中級者に向けて、取り付け方式・金具・シェイプ・サイズという4つの基礎知識を整理したうえで、実店舗でもよく見かける4点を比較します。
この記事でわかること
- ホールド選びは「壁の作り」を先に確認しないと始まらない
- 取り付け方式の基礎 — ボルトオンとスクリューオンの違い
- ボルト・Tナット・爪付きナットの違いとパネル厚みの合わせ方
- シェイプ(形状)を知る — ガバ・カチ・ピンチ・スローパー
- サイズ・色分けの考え方 — 難易度をどう作るか
- 素材の違い — ポリウレタンとポリエステル樹脂
自宅用ホールドのおすすめ4選
ここでは実際に選んだ候補を紹介します。先にお断りしておくと、ホールドの好みには個人差が大きく、「これを選べば必ず快適に登れる」という話ではありません。取り付け方式・付属金具・シェイプの傾向が異なる4点を選びました。価格は取材・執筆時点のものです。その後変更されている場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・対応パネル厚みを確認してください。
4点を並べると、取り付け方式と価格帯で役割がはっきり分かれているのが分かります。ODOLANDのセットは子供向けの20個セットで価格も手頃、K.crimpは国産ハンドメイドの木製スクリューオン、G-HOUSEは内装になじむパステルカラー重視、ホールド屋のリングホールドはスクリューオン専用の追加用といった役割分担になっています。
どれが最適かは、設置する壁の条件(裏に手が入るか)と、部屋の雰囲気をどこまで重視するかによって変わります。まず壁の裏にアクセスできるなら1点目か3点目、内装重視なら2点目か3点目、裏に手が入らない壁ならスクリューオンの2点目か4点目になります。価格・仕様は変わることがあるため、最終確認は商品ページで行うようにしてください。
なお、いずれのセットも「これを買えば必ず快適に登れる」というものではありません。ホールドの持ちやすさやフリクションの感じ方には個人差があり、同じ商品でも人によって評価が分かれることがあります。可能であれば、レビューに書かれている使用者の体格や用途(子供用・トレーニング用など)が自分の状況と近いかどうかも参考にしてみてください。
ODOLAND 子供用ロッククライミング クライミングホールド 20個セット
参考価格約2,799円
ODOLANDの子供向けクライミングホールド。ポリ樹脂製の20個セットで、アンカーボルトや取付用レンチなどが付属し、自宅の壁や木材への取り付けに向きます。簡単な取扱説明書が付いています。
ここが良い
- 取付用のボルト類や取扱説明書が付属し、すぐ取り付けられる
- 20個で自宅ウォールの基本ルートを組みやすい
- 2,000円台と手頃
注意点
- 子供向けのサイズ・形状で、大人の本格的なトレーニング用途には向かない
- 取り付けは大人が行い、使用時も保護者の見守りが必要とされている
K.crimp 木製クライミングホールド XS-2(10個セット)
参考価格約10,700円
バーチ合板を使い、奥多摩でオールハンドメイドで作られる木製のスクリューオンホールドです。指皮を傷めにくい丸みを帯びた滑らかなインカットで、クリンプ(カチ持ち)のトレーニングに向いています。美しい木目のシェイプはインテリアにもなじみます。
ここが良い
- 国産のハンドメイドで、木目の美しいシェイプはインテリアにもなじみやすい
- スクリューオンのため、パネル裏に手が入らない壁にも表側から固定できる
- 丸みのある滑らかなインカットで、クリンプ(カチ持ち)のトレーニングに取り入れやすい
注意点
- ビスは付属しないため、別途用意する必要がある
- 10個で1万円台と、樹脂製のセットに比べると価格は高め
G-HOUSE マカロンカラー クライミングホールド GMS03472(10個・20個・30個セットから選択)
参考価格約1,628円〜
パステルのマカロンカラーで仕上げた、インテリアになじみやすいクライミングホールド。ワッシャー埋め込み式の樹脂製で、10個・20個・30個のセットから選べます(セット内容はランダム)。カラフルな原色のセットとは異なり、リビングや趣味の部屋の壁面に設置しても悪目立ちしにくいデザインが特徴です。
ここが良い
- パステルのマカロンカラーで、カラフルな配色を避けたい部屋にも設置しやすい
- 10個から購入でき、まず少ない個数で試しやすい
- 内部にステンレス製ワッシャーを内蔵した設計で、強度と耐久性を高めているとされる
注意点
- セット内容の色・形状はランダムで、選ぶことができない
- 生産時期によって、色やサイズ、デザインが多少異なる場合がある

ホールド屋 スクリューオン リングホールドXL(追加用単品ホールド)
参考価格6,380円
個人宅向けのクライミングウォールを専門に扱うショップが販売する、輪っか型のスクリューオンホールド。木ネジを直接打ち込むだけで固定できるため、既存のセットに1個追加してスタートホールドや取っ手として使うといった使い方に向いています。
ここが良い
- パネル裏に手が入らない場所でも、表側から木ネジを打つだけで設置できる
- 個人宅向けクライミングウォールを専門に扱うショップの商品で、ニッチな用途に対応しやすい
- 大きなリング形状で握りやすく、スタート・ゴール用や小さな子供の練習用の取っ手としても使いやすい
注意点
- 1個単位の購入のため、これだけで壁全体を組むには不向き。あくまで追加・補強用
- ボルトオンタイプのホールドとは金具の互換性がなく、混在させる場合は取り付け方式を意識する必要がある
■ スペック比較表
| 商品 | ホールド屋 スクリューオン リングホールドXL(追加用単… | |||
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 約2,799円 | 約10,700円 | 約1,628円〜 | 6,380円 |
| 購入 | ||||
| ブランド | ODOLAND | — | — | — |
| セット内容 | ホールド20個+アンカーボルト・取付用レンチ・ネジボルト・平ワッシャー・Tナット | — | — | — |
| 素材 | ポリ樹脂(プラスチック) | バーチ合板(白樺) | 樹脂(内部にステンレス製ワッシャーを内蔵) | ポリウレタン |
| 重量 | 約120g/個 | — | — | — |
| カラー | レッド・ブルー・イエロー・グリーン・オレンジ(ランダム) | — | マカロンカラー(色・形状はランダム) | — |
| 個数 | — | 10個セット(XSサイズ) | 10個・20個・30個セットから選択(価格は10個セットの場合) | 1個 |
| 製法 | — | オールハンドメイド(Made in Okutama Japan) | — | — |
| 取付対応角度 | — | 90°〜135° | — | — |
| 取り付け方式 | — | スクリューオン(ビスは付属しません) | ボルトオン(ワッシャー埋め込み式・アンカー付き) | スクリューオン(木ネジで前面から固定) |
| サイズ目安 | — | — | 約10×6×4cm(形状によって異なる) | — |
| サイズ | — | — | — | XL(1-1/2インチ) |
| 形状 | — | — | — | リング(輪っか)型のジャグホールド |
※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。
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ホールド選びは「壁の作り」を先に確認しないと始まらない
クライミングホールドを選ぶ前に、まず確認しておきたいのが「自分が設置しようとしている壁(パネル)の裏側に手が入るかどうか」です。これは、ホールドをどうやって固定するかという取り付け方式に直結する、もっとも根本的な条件になります。壁の裏に手が入り、ナットを回して締められる環境なのか、それとも壁面に完全に固定されていて、表側からネジを打つしかない環境なのかによって、選ぶべきホールドの種類がまったく変わってきます。
たとえば実家の空き部屋やガレージに独立したボルダリングパネルを新しく組む場合は、パネルの裏側にアクセスできることが多く、ボルトとナットでしっかり固定する「ボルトオン」タイプが第一候補になります。一方で、賃貸住宅の壁にすでに合板が固定されている、あるいは押し入れの側面のように裏側に手が入らない場所に設置したい場合は、表からネジを打つだけで固定できる「スクリューオン」タイプでなければ、そもそも取り付け作業ができません。
この前提を確認せずに「レビューの評価が高いから」「見た目が好みだから」という理由だけでホールドセットを選んでしまうと、ホールドは届いたのに固定する手段がなく、部屋の隅に置いたままになってしまうケースも珍しくありません。ホールド選びの第一歩は、色や形を見る前に、自分の壁がどちらのタイプに対応しているかを確認することだと考えてください。
なお、この記事は主にすでに合板・パネルを用意している、またはこれから用意する予定がある人を対象にしています。パネルそのものの選び方や自作方法、床の落下対策マットについては別の記事で詳しく扱っているため、ここではホールド本体と取り付け金具に絞って解説します。
この記事のスタンス
ホールドの好みやフリクション(滑りにくさ)の感じ方には個人差が大きく、「このホールドが一番良い」と断定できるものではありません。判断材料として使い、購入前に商品ページで対応パネル厚みや付属金具の詳細を必ず確認することをおすすめします。
取り付け方式の基礎 — ボルトオンとスクリューオンの違い
クライミングホールドの取り付け方式は、大きく「ボルトオン」と「スクリューオン」の2種類に分かれます。ジムのメインウォールで使われている大きなホールドはほとんどがボルトオン、逆に自宅の壁に前から直接ネジ止めするタイプはスクリューオンと呼ばれることが多く、この2つは構造も必要な工具もまったく異なります。
ボルトオンは、ホールドの背面に埋め込まれた金属製のインサート(雌ネジ)にボルトを通し、パネルの裏側でナット(多くは爪付きナットと呼ばれる、爪が板に食い込んで空回りを防ぐ形状のもの)を六角レンチで締めて固定する方式です。パネルの裏に手が入り、爪付きナットを打ち込める環境が前提になります。しっかりと締結できるため、体重をかけて強く引いたり蹴ったりする使い方にも向いているとされています。
スクリューオンは、ホールドに空いた複数の下穴に木ネジをそのまま打ち込み、パネルの表側だけで固定を完結させる方式です。裏側にアクセスできない壁でも設置できる手軽さが最大のメリットですが、ネジ穴が浅い場所に集中しやすく、極端に強い荷重をかける使い方には不向きとされる場合もあります。多くの商品では、ネジ穴が複数箇所(3〜6箇所程度)用意されており、そのうち何本かをしっかり打ち込むことで固定強度を確保する設計になっています。
商品ページでは「ボルトオン」「スクリューオン」という英語表記のほか、「ボルト固定式」「木ネジ付属」のように日本語で説明されている場合もあります。購入前には、自分の壁の条件(裏に手が入るか)と、商品ページに書かれた取り付け方式が一致しているかを、必ず照らし合わせてください。
ボルト・Tナット・爪付きナットの違いとパネル厚みの合わせ方
ボルトオンタイプを選ぶ場合、ホールド本体の他に「ボルトの長さ」と「ナットの種類」がパネルの厚みに合っているかを確認する必要があります。ここを合わせずに購入してしまうと、ボルトが短すぎてナットまで届かなかったり、逆に長すぎてホールドが浮いてしまったりする失敗につながります。
ナットには主に「爪付きナット(Tナット)」と呼ばれるものが使われます。座金の部分に3〜4本の爪がついており、木材に打ち込むとその爪が食い込んで、ボルトを締めたときにナット自体が空回りしにくくなる構造です。パネルの材質が合板やコンパネであれば爪付きナットが標準ですが、コンクリート壁に直接設置したい場合は、専用のアンカー(コンクリート用の金具)が必要になり、木壁用の爪付きナットとは別物になる点に注意してください。
ボルトの長さは、多くの商品で「M10×30mm」「M10×35mm」のように複数サイズが同梱されているのが一般的です。これは、ホールドの厚みとパネルの厚みを足した長さに、ナットがしっかり噛み込む分の余裕を持たせる必要があるためです。目安として、市販の合板パネル(厚み12〜18mm程度)に、小〜中サイズのホールド(厚み20〜40mm程度)を取り付ける場合はM10×30mm前後、大きめのホールドにはM10×35mm以上が使われることが多いとされています。
商品ページに「対応パネル厚み◯〜◯mm」と明記されている場合は、必ず自分のパネルの厚みと照らし合わせてください。明記されていない場合も、複数長さのボルトが同梱されているセットであれば、ある程度の厚みの差は現場で使い分けて吸収できます。迷ったときは、ボルトの長さを複数種類同梱している商品を選んでおくと、後から「長さが合わなかった」という失敗を避けやすくなります。
■ 爪付きナット(Tナット)
木壁・合板用。座金の爪が木材に食い込み、ボルトを締めたときの空回りを防ぐ。ホールド取り付けにおける標準的な固定金具で、多くのホールドセットに付属している。
■ コンクリート用アンカー
コンクリート壁に直接ボルトを固定したい場合に使う専用金具。木壁用の爪付きナットとは構造が異なるため、対応が別売り・別商品になっているケースが多い。
■ 六角穴付きボルト(キャップボルト)
頭部が六角穴になっており、専用の六角レンチで締め付ける。工具が同梱されていることが多く、ドライバーだけでは締められない点は覚えておきたい。
ボルトの締めすぎ・緩すぎに注意
ボルトを締めすぎるとホールドの樹脂部分が変形したり、逆に緩すぎるとホールドが回転してしまい、体重をかけた瞬間に手や足が滑る危険があります。目安としては「手で軽く揺すってもガタつかないが、レンチに強い力を込めなくても止まる」程度の締め付けが無難とされています。設置後は定期的に緩みがないか確認する習慣をつけてください。
シェイプ(形状)を知る — ガバ・カチ・ピンチ・スローパー
ホールドは色や大きさだけでなく、握り方によっていくつかのシェイプ(形状)に分類されます。ジムでも「今日はガバ中心の課題」「ピンチが多い課題」のように会話に出てくる用語で、自宅用のホールドを選ぶときも、このシェイプの違いを知っておくと目的に合わせた組み合わせを考えやすくなります。
最も基本的なのが「ガバ」と呼ばれる、指を深くかけられる大きなくぼみを持つホールドです。握力への負担が比較的小さく、初心者がまず握り方やムーブ(体の動かし方)を覚える段階に向いているとされています。自宅用として最初に揃えるセットの多くは、このガバ系のホールドを中心に構成されています。
「カチ」は指先の第一関節だけで薄く持つタイプの小さな出っ張りで、指の力を強く使うため、握力や指の腱に負担がかかりやすいホールドです。ジムで中級者向けの課題によく使われますが、指を痛めやすいホールドでもあるため、自宅で使う場合は無理に多用せず、体が温まった状態で短時間だけ使うといった工夫が必要とされています。
「ピンチ」は側面からつまむように握るホールドで、指だけでなく親指の力(母指対立筋)を使う点が特徴です。「スローパー」は角度のない、なだらかな丸みを持つホールドで、指ではなく手のひら全体の摩擦で保持する必要があり、フォームや体重移動の感覚を養うのに向いているとされています。自宅で複数タイプを組み合わせておくと、ジムで様々な課題に触れたときの対応力を鍛える練習台として活用しやすくなります。
なお、大きな取っ手のような形状のホールドは「ジャグ」と呼ばれ、スタート・ゴール地点や、初心者が休憩しながら持てる位置に置かれることが多いホールドです。単品で追加購入しやすく、既存のセットに1〜2個足すだけでも、課題のバリエーションを広げやすくなります。
サイズ・色分けの考え方 — 難易度をどう作るか
自宅のホールドセットの多くは、複数の色が混ざった状態で32個・35個といった単位で販売されています。ジムでは色ごとに課題(ルート)を分けるのが一般的ですが、自宅用のセットでは必ずしも色ごとに難易度が決まっているわけではなく、あくまで見分けやすくするための配色である場合が多い点に注意してください。
色分けそのものより重要なのが、ホールドのサイズと持ちやすさのばらつきです。同じセットの中でも、大きく持ちやすいガバ系のホールドと、小さくつまみにくいホールドが混在していることが一般的で、これを壁の配置で使い分けることで、自分なりの難易度調整ができます。たとえばスタートとゴール付近には大きなガバ系ホールドを、中間には小さめのホールドを配置するといった工夫で、同じセットでも幅のある課題を作ることができます。
慣れてきたら、市販のホールド配置案(ルートセッティングの参考図)を使ったり、自分でスマートフォンのメモアプリに配置図を残しておいたりすると、「あの日組んだ難しい課題」を再現しやすくなります。一部のホールドメーカーは、購入者向けに配置案の作成サービスや参考図を提供している場合もあるため、初めてセットを組む人は活用してみるのもおすすめです。
色を意識するとすれば、同じ色のホールドだけを使って1つのルートを作る「自宅版の色分け課題」を試してみるのも一つの方法です。同じセット内でも色ごとに数個ずつしかない配色になっていることが多く、混ぜて使うよりも「あえて色を絞る」ことで、狙った難易度に近づけやすくなる場合があります。
素材の違い — ポリウレタンとポリエステル樹脂
クライミングホールドの素材は、大きく分けてポリウレタン樹脂とポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂の2種類が使われています。どちらも屋内ジムで実際に使われている素材ですが、商品ページの説明を読み解くうえで、それぞれの傾向を知っておくと選びやすくなります。
ポリウレタン樹脂は、比較的軽量で弾力があり、破損しにくいとされる素材です。専門メーカーが製造するホールドの多くに採用されており、価格はやや高めになる傾向がありますが、長期間の使用にも耐えやすいとされています。
不飽和ポリエステル樹脂は、ポリウレタンに比べて硬めの質感になりやすいとされ、比較的手頃な価格帯のセット商品でよく使われています。表面の質感やフリクション(指がかりの良さ)はホールドの形状や表面処理によっても変わるため、素材の違いだけで一概に「どちらが良い」とは言い切れませんが、価格重視で選ぶ場合はポリエステル樹脂製のセットが選択肢に入りやすくなります。
いずれの素材も、屋外の直射日光や高温多湿の環境に長期間さらされると劣化が早まる可能性があるとされています。自宅の屋外テラスやベランダに設置する場合は、雨や紫外線を避けられる場所を選ぶか、使わないときはカバーをかけるなどの工夫をしておくと、ホールドを長持ちさせやすくなります。
選び方の3ステップ
ここまでの知識を踏まえて、実際にホールドを選ぶ手順を大きく3つに分けて整理しました。焦って完璧な組み合わせを最初から揃えようとする必要はありません。まずはこの3ステップで大きく外さない選択をして、実際に登りながら自分に必要なホールドを買い足していくつもりで進めてください。
- 1壁の条件を確認する。パネルの裏側に手が入り、爪付きナットを打ち込める環境か、それとも表側からネジ止めするしかない環境かを確認します。ここが決まらないと、ボルトオン・スクリューオンのどちらを選ぶべきかが決まりません。
- 2パネルの厚みとホールドのサイズ感を確認する。対応ボルト長やパネル厚みの目安が商品ページに書かれているかを確認し、複数のボルト長が同梱されているセットを優先すると失敗しにくくなります。初めての1セットは、握りやすいガバ系を中心に構成されたものを選ぶのが無難です。
- 3必要に応じてジャグや単品ホールドを買い足す。最初のセットで物足りなさを感じたら、大きめのジャグホールドやスタート用のホールドを単品で買い足すと、少ない予算で課題のバリエーションを増やせます。取り付け方式(ボルトオン・スクリューオン)が最初のセットと揃っているかを確認してから追加すると、金具を使い回しやすくなります。
賃貸住宅での設置は原状回復を意識する
賃貸住宅の壁に直接ホールドやパネルを固定する場合、退去時の原状回復義務に関わる可能性があります。壁に直接ビスを打つ前に、賃貸借契約の内容を確認し、可能であれば独立した木枠のパネルを作り、壁ではなく床置きの構造物として設置する方法を検討することをおすすめします。
取り付け時に気をつけたいこと
ホールドを購入して終わりではなく、正しく取り付けなければ安全に使うことはできません。特に初めて自宅にホールドを設置する人が見落としがちな点を整理しておきます。
まず下地の確認です。パネルそのものが壁にしっかり固定されているか、ビス止めする位置に十分な厚みの木材があるかを、下地探しの工具(下地センサーや針式の下地探し)で確認してから作業を始めてください。下地のない場所にホールドを固定すると、体重をかけた瞬間にパネルごと外れる危険があります。
次に、ホールドの配置バランスです。同じ高さ・同じ間隔でホールドを並べてしまうと、単調な動きの繰り返しになりやすく、練習の幅が狭くなります。斜めの動きや、片手を大きく伸ばす動きが生まれるように、高さと横方向の位置をずらして配置することを意識すると、ジムに近い実践的な練習ができます。
締め付けトルクにも注意が必要です。ボルトを強く締めすぎるとホールドの樹脂部分にひびが入ることがあり、逆に緩すぎるとホールドが回転して危険です。設置直後だけでなく、使用を重ねるうちに木材が締まってボルトが緩むこともあるため、月に1回程度は全体のホールドを手で揺すって緩みがないかを確認する習慣をつけておくと安心です。
子供が使う可能性がある場合は、床からの高さや、落下時に頭をぶつけそうな位置にホールドを配置していないかも確認してください。自宅用のクラッシュパッドや厚手のマットを床に敷いておくと、万が一の落下時の衝撃を和らげやすくなります。
定期点検のチェックリスト
「①ホールドを手で揺すってガタつきがないか」「②ボルトの頭がなめていないか(次に外すときに困らないか)」「③パネル自体が壁からズレたり浮いたりしていないか」の3点を、月1回程度の頻度で確認しておくと、事故を未然に防ぎやすくなります。
買い足すときの考え方
最初の1セットだけで満足できる期間は長くは続かないかもしれません。ジムで新しい課題に挑戦するうちに、自宅の壁にも「このシェイプのホールドが欲しい」と感じる場面が増えてくるはずです。ここでは買い足すときに意識しておきたいポイントを紹介します。
最初に揃えたセットと同じ取り付け方式(ボルトオン同士、スクリューオン同士)のホールドを選ぶと、金具を使い回しやすく、無駄な出費を抑えられます。特にボルトの規格(M10が主流ですが、まれに異なる規格の商品もあります)が揃っているかは、購入前に確認しておくと安心です。
苦手なシェイプを重点的に買い足すのも効果的です。たとえばピンチが苦手だと感じているなら、ピンチ系のホールドだけを数個買い足して、意識的にピンチを使う課題を自分で組んでみると、ジムでの苦手克服につながりやすくなります。
色をあえて絞って買い足す方法もあります。同じ色のホールドを少しずつ買い足していくと、自宅の壁でも「この色だけを使う」という制約付きの課題が組みやすくなり、ジムの色分けされた課題に近い感覚で練習することができます。
よくある質問
Qボルトオンとスクリューオン、どちらを選べばいいですか?
Aパネルの裏側に手が入り、ナットを締められる環境であればボルトオンが基本の選択肢になります。裏側にアクセスできない壁(すでに固定されている合板や、押し入れの側面など)に設置したい場合は、表側からネジを打つだけで固定できるスクリューオンを選んでください。
Qコンクリート壁にも直接取り付けられますか?
A木壁用の爪付きナットとは異なる、コンクリート用のアンカー金具が必要になります。商品によっては木壁用・コンクリート壁用の両方の金具パターンが用意されているセットもあるため、購入前に対応状況を確認してください。
Qパネルの厚みはどうやって確認すればいいですか?
A設置予定のパネルの側面をノギスやメジャーで実測するのが確実です。商品ページに「対応パネル厚み◯〜◯mm」と明記されている場合は、その範囲に収まっているかを確認してください。明記がない場合も、複数の長さのボルトが同梱されているセットであれば、ある程度の厚みの差は現場で使い分けて対応できます。
Q初心者はどんなシェイプのホールドを選べばいいですか?
A指を深くかけられる大きなくぼみを持つ「ガバ」系のホールドを中心に構成されたセットが、握力への負担が比較的小さく、最初の1セットとして扱いやすいとされています。カチのような小さなホールドは指への負担が大きいため、慣れてから少しずつ買い足すのがおすすめです。
Q賃貸住宅でも設置できますか?
A壁に直接ビスを打つと原状回復義務に関わる可能性があります。設置前に賃貸借契約の内容を確認し、可能であれば壁ではなく独立した木枠のパネルを作り、床置きの構造物として設置する方法を検討することをおすすめします。
Qホールドの締め付けはどのくらいの強さが目安ですか?
A手で軽く揺すってもガタつかないが、レンチに強い力を込めなくても止まる程度が目安とされています。締めすぎるとホールドの樹脂部分が変形する場合があり、緩すぎると体重をかけた瞬間に回転して危険です。設置後も定期的に緩みがないか確認してください。
Q色ごとに難易度が決まっているのですか?
A自宅用のセットでは、色はあくまで見分けやすくするための配色であることが多く、ジムのように色ごとに難易度が固定されているわけではありません。難易度はホールドのサイズや配置の間隔で自分なりに調整する必要があります。
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