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クライミングの「フィギュア4」完全ガイド
ボルダリング・クライミング

クライミングの「フィギュア4」完全ガイド

ボルダリングジムの強傾斜(かぶり壁)課題で見かける、脚を反対の腕にかけて休む・進む「フィギュア4」。原理と正しいフォーム、練習ステップ、やりがちな失敗、股関節・肩まわりの補強に使える道具4点を初心者〜中級者向けに解説します。

公開:更新:執筆:SPOGEAR編集部

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ボルダリングジムに通い始めて半年ほど経ち、垂直の壁はある程度登れるようになってきたのに、天井に近いくらい強くかぶった「強傾斜(きょうけいしゃ)」の課題になると、途端に手が足りなくなって落ちてしまう。そんな壁にぶつかっている人は多いのではないでしょうか。強傾斜の課題では、足が壁から離れやすく、腕だけで体を支える時間が長くなりがちです。そこで上級者がよく使っているのが「フィギュア4(Figure 4)」と呼ばれるムーブです。片方の脚を、支えている腕のひじや肩の上にかけて座るような姿勢を作り、腕の力だけに頼らずに体を持ち上げたり、次のホールドに手を伸ばしたりする技術で、見た目のインパクトからコンペティションのダイジェスト映像などでも取り上げられることがあります。ただし、フィギュア4は決して「奥の手」ではなく、正しい原理を理解しないまま真似をすると、かえって余計な体力を消耗したり、肩や股関節に負担をかけてしまったりすることがあります。この記事では、フィギュア4がどういう原理で体を支えているのかを整理したうえで、練習の進め方、初心者がやりがちな失敗、そして股関節や肩まわりを補強するために使える道具4点を紹介します。フィンガーボードを使った握力・指力そのもののトレーニングについては、別記事「クライミングの握力・指力トレーニング完全ガイド」で扱っているため、この記事ではフィギュア4というムーブそのものに絞って解説します。

この記事でわかること

  • フィギュア4とは何か — 「もう一本の腕」を脚で作る発想
  • フィギュア4の基本フォームを分解する
  • フィギュア4を使うべき場面・使わなくていい場面
  • 練習ステップ — いきなり課題で使わない
  • 初心者がやりがちな3つの失敗
  • フィギュア4で負担がかかりやすい部位と注意点
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股関節・肩まわりの補強に使えるおすすめ道具4選

候補の紹介に入る前に、一点触れておきます。これらの道具を使えば必ずフィギュア4が習得できる、という保証をするものではありません。フィギュア4はあくまでフォームの理解と練習の積み重ねが土台になるムーブで、ここで紹介する道具はその土台を支える補助的な位置づけです。いずれもメーカー・ブランドの商品ページで案内されているスペックをもとに、役割の異なる4点を選びました。こちらの価格は記事作成時点の目安です。日々変動する可能性があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫を確認してください。

4点を並べると、可動域づくり・体幹強化・怪我予防・セルフケアという4つの役割に分かれていることが分かります。トレーニングチューブは股関節と肩の可動域を整える準備運動向け、腹筋ローラーはフィギュア4の姿勢を保つための体幹強化向け、ショルダーラップは支持側の肩の違和感対策、フォームローラーは練習前後の股関節・お尻まわりのセルフケア向けという住み分けになっています。

これから股関節の柔らかさやフィギュア4の姿勢づくりに取り組みたい段階であれば、トレーニングチューブとフォームローラーの組み合わせから始めるのが取り組みやすいでしょう。体幹の締めが課題だと感じている人は腹筋ローラーを、すでに肩に違和感を覚え始めている人はショルダーラップを優先して検討するとよいでしょう。

なお、これらの道具はいずれもフィギュア4専用に作られたものではなく、一般的なトレーニング・ケア用品です。フィギュア4というムーブそのものの上達には、この記事で紹介した練習ステップに沿って、実際に壁でフォームを繰り返し確認することが欠かせません。道具はあくまで、その練習を続けやすくするための土台づくりとして位置づけてください。

No.1セラバンド セラチューブ イエロー(シン)100フィート
セラバンド・切って使うチューブ

セラバンド セラチューブ イエロー(シン)100フィート

参考価格約9,513円

セラバンドのセラチューブ イエロー(シン・強度レベル−1)。30.48mの徳用サイズで、好きな長さに切って使うトレーニング用チューブです。

こんな人にチューブを自分の使いやすい長さに切って、負荷を細かく調整したい人
ブランドセラバンド(TheraBand)
強度イエロー(シン)
長さ30.48m(100フィート)
参考価格約9,513円

ここが良い

  • リハビリ・トレーニングで使われるセラバンドの定番チューブ
  • 好きな長さに切って使え、負荷の微調整がしやすい
  • シンは軽めの負荷で、ウォームアップや補強に使いやすい

注意点

  • 30m巻きの徳用サイズで、1人で使うには量が多い
  • ハンドルなどは付かないため、握り方を工夫する必要がある
No.2ボディテック ワイド 腹筋ローラー マット付き アブローラー 静音
体幹の締めを鍛える定番アイテム

ボディテック ワイド 腹筋ローラー マット付き アブローラー 静音

参考価格約2,982円

ホイールの両サイドが斜めになっており、左右のぐらつきを支えながら上半身全体を使えるワイドタイプの腹筋ローラー。タイヤ部はゴム素材で、床を傷めにくい仕様です。

こんな人にクライミングの体幹トレーニングとして、腹筋ローラーを自宅で取り入れたい人
タイプワイドタイプ(ホイール両サイドが斜め形状)
耐荷重150kg
タイヤ表面ゴム素材(グリップ力アップ)
グリップ従来より左右1cmずつ長く握りやすい設計
付属マット付き
特長静音・床を傷めにくい仕様

ここが良い

  • ワイド形状で左右のぐらつきを抑えながら、腹直筋・腹斜筋まで意識して使える
  • ゴム素材のタイヤと静音設計で、床への負担や音を抑えやすい
  • マット付きで、膝をついて使う場面でも準備が少ない

注意点

  • ワイド形状のため、慣れるまでは動きの制御にコツがいる
  • 可動域が広い分、体幹が弱い人は最初は無理をしない方がよい
No.3ザムスト(ZAMST) ショルダーラップ 肩サポーター
肩関節の違和感対策・サポーター

ザムスト(ZAMST) ショルダーラップ 肩サポーター

4.57(14件のレビュー)

参考価格8,690円

スポーツ用サポーターの専門メーカーであるザムストの肩用サポーター。薄型で装着したままでも動きを妨げにくく、吸湿・通気性のある素材が使われています。フィギュア4のように片腕に体重が集中する場面で、肩関節の違和感が気になる人の予防的な装着に使われることがあります。

こんな人にフィギュア4の練習中に支持側の肩に違和感を覚えやすい人
タイプ肩用サポーター(薄型)
特徴吸湿・吸水性、通気性、伸縮性
サイズ交換無料(公式ショップ)
販売元ザムスト(ZAMST)公式ショップ

ここが良い

  • ザムスト公式ショップが直接販売しており、正規品として安心して購入しやすい
  • 薄型で通気性があり、フィギュア4のような大きな可動域が必要なムーブでも装着したまま動きやすいとされる
  • サイズ交換が無料で案内されており、体格に合わせて選び直しやすい

注意点

  • 4点の中では価格が高め
  • サポーターはあくまで補助的なアイテムで、痛みそのものを治療するものではない
価格を確認しています
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No.4アルインコ(ALINCO) フォームローラー ハード MVS300G ミストグリーン
股関節・お尻まわりのセルフケアに

アルインコ(ALINCO) フォームローラー ハード MVS300G ミストグリーン

参考価格約2,090円

硬すぎないクッション素材と凹凸少なめのなめらかなデザインの、アルインコ製フォームローラー。お尻・太もも・腰・背中などのセルフケアに使え、フィギュア4のように股関節を大きく開く動きの前後で、股関節まわりの張りをほぐしておく用途に向いています。

こんな人にフィギュア4の練習前後に股関節まわりをほぐしておきたい人
ブランドアルインコ(ALINCO)
タイプハード(選べる硬さ2種のうち硬め)
サイズ約W25.4×H10.9×D10.9cm
質量約330g
材質EVA、ABS
使用制限体重100kg
お手入れ水洗いOK

ここが良い

  • ハードタイプで、お尻や太ももの筋肉にしっかりとした圧をかけやすいとされる
  • 約330gと軽量で、ジムやクライミングウォールへの持ち運びに便利
  • 水洗いができ、汗をかいた後も手入れしやすい

注意点

  • ハードタイプのため、筋膜リリースに慣れていない人は最初痛みを強く感じる場合がある
  • 関節そのものの怪我を治療するものではなく、あくまで筋肉のセルフケア用品
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■ スペック比較表

商品セラバンド セラチューブ イエロー(シン)100フィートセラバンド セラチューブ イエロー(シン)100フィートボディテック ワイド 腹筋ローラー マット付き アブローラー 静音ボディテック ワイド 腹筋ローラー マット付き アブロー…ザムスト(ZAMST) ショルダーラップ 肩サポーターザムスト(ZAMST) ショルダーラップ 肩サポーターアルインコ(ALINCO) フォームローラー ハード MVS300G ミストグリーンアルインコ(ALINCO) フォームローラー ハード M…
参考価格約9,513円約2,982円8,690円約2,090円
購入
ブランドセラバンド(TheraBand)——アルインコ(ALINCO)
強度イエロー(シン)———
長さ30.48m(100フィート)———
参考価格約9,513円———
タイプ—ワイドタイプ(ホイール両サイドが斜め形状)肩用サポーター(薄型)ハード(選べる硬さ2種のうち硬め)
耐荷重—150kg——
タイヤ表面—ゴム素材(グリップ力アップ)——
グリップ—従来より左右1cmずつ長く握りやすい設計——
付属—マット付き——
特長—静音・床を傷めにくい仕様——
特徴——吸湿・吸水性、通気性、伸縮性—
サイズ交換——無料(公式ショップ)—
販売元——ザムスト(ZAMST)公式ショップ—
サイズ———約W25.4×H10.9×D10.9cm
質量———約330g
材質———EVA、ABS
使用制限体重———100kg
お手入れ———水洗いOK

※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。

※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。

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フィギュア4とは何か — 「もう一本の腕」を脚で作る発想

フィギュア4は、片方の脚を、ホールドを保持している反対側の腕にひっかけて、いわば「もう一本の腕」のように使うムーブです。数字の4のような形に体がなることから、この名前で呼ばれています。強くかぶった壁で足の置き場がなくなったとき、通常なら腕と体幹だけで体重を支えるところを、脚を腕にかけることで支持点を増やし、腕への負担を一時的に分散させることができます。

見た目が派手なムーブなので、単に「かっこいいから使う」ものだと思われがちですが、本来の目的はあくまで省エネです。強傾斜の課題では、両手両足だけで体を支え続けると前腕がすぐにパンプ(乳酸がたまって握力が出せなくなる状態)してしまいます。フィギュア4を使うと、腕にかかる荷重の一部を脚と体幹に逃がすことができ、次のホールドを取るための一瞬の「静止」を作りやすくなります。つまりフィギュア4は、パワームーブというよりも、休息と体勢の立て直しのための技術という側面が強いムーブです。

また、フィギュア4は単独の技というより、体幹の締め・股関節の可動域・肩甲骨まわりの安定性が組み合わさって初めて機能するムーブでもあります。腕力だけで真似をしようとすると、かえって余計な力を使ってしまい、通常の対角ムーブ(片手片足を対角に伸ばして体を安定させる基本姿勢)で登ったほうが省エネだった、という結果になることも珍しくありません。この記事を読み進める中で、フィギュア4を「使うべき場面」と「使わなくていい場面」の感覚もあわせて掴んでいってください。

なお、フィギュア4は主にジムの強傾斜(壁の角度がおおむね20〜45度程度かぶっている)エリアで使われる技術です。垂直に近い壁や、傾斜の緩い壁ではそもそも足を壁に残せることが多く、フィギュア4を使う場面自体があまり出てきません。まずは自分のジムのどのエリアがフィギュア4の練習に向いているか、スタッフに聞いてみるのもよいでしょう。

この記事のスタンス

フィギュア4を含むムーブの習得スピードには個人差があり、股関節や肩の柔軟性、体幹の強さによっても取り組みやすさが変わります。無理な体勢を続けて痛みが出た場合は、すぐに中断し、ジムのスタッフやスポーツ整形外科などの専門家に相談することをおすすめします。

フィギュア4の基本フォームを分解する

フィギュア4にはいくつかのバリエーションがありますが、まずはもっとも基本的な形を、体の各部位の役割ごとに分解して見ていきます。

この4つの要素がかみ合って初めて、脚にかけた体重を使って体を持ち上げたり、反対の手を遠いホールドに伸ばしたりすることができます。逆にどれか一つでも欠けると、フィギュア4は「脚をかけただけで結局腕力に頼っている」状態になり、通常のムーブより疲れてしまうことさえあります。

■ 支持側の腕(体を支える腕)

上のホールドをしっかり保持し、ひじを軽く曲げた状態を作ります。腕を伸ばしきってしまうと、そのあとに脚をかけるスペースが作りにくくなるうえ、肩関節に不自然な力がかかりやすくなるとされています。ひじを曲げて体をホールドに近づけておくことが、フィギュア4の土台になります。

■ かける側の脚(支持側の腕にかける脚)

ひざを大きく曲げ、太もも(または、ふくらはぎの上あたり)を支持側の腕のひじの内側〜上腕にかけるように持っていきます。脚をかけるタイミングで一気に体重を預けようとすると滑りやすいため、まずは軽く触れる程度から始め、体重を少しずつ移していく感覚をつかむのがコツです。

■ もう片方の脚(反対側の脚)

壁のホールドやスタンス(足を置く突起)に残しておくか、完全に空中に浮かせるかは課題によって変わります。可能な限り壁にタッチさせておいたほうがバランスを取りやすく、初心者のうちはこの脚を完全に離さない練習から始めるのがおすすめです。

■ 体幹(お腹・背中まわり)

フィギュア4は、腕と脚だけの技術に見えて、実際には体幹をしっかり締めていないと姿勢が崩れてしまいます。お腹に軽く力を入れ、体が「くの字」に折れないよう意識することで、脚にかけた体重が逃げにくくなり、姿勢が安定しやすくなります。

フィギュア4を使うべき場面・使わなくていい場面

フィギュア4は万能のムーブではありません。使うべき場面と、無理に使わなくてもいい場面を整理しておくと、練習の優先順位がつけやすくなります。

フィギュア4が特に有効とされるのは、次に伸ばしたいホールドが遠く、なおかつ足を置けるスタンスが近くに見当たらない強傾斜の場面です。両足が壁から完全に離れてしまう「足ブラ」の状態が長く続きそうなときに、片脚を腕にかけることで一時的な支点を作り、腕だけで耐え続けるよりも安定した状態で次のムーブに移れることがあります。

一方で、足を置けるスタンスが近くにあるのにフィギュア4を選んでしまうと、股関節を大きく曲げる分だけ余計に体力を使うことになり、かえって非効率になる場合があります。「かっこいいから」「動画で見たから」という理由だけで多用するのではなく、まずは通常のムーブ(対角の手足を使う、フラッギングで体をひねって足を残すなど)で解決できないかを先に検討し、それでも足の置き場がないときの選択肢としてフィギュア4を位置づけるのが実戦的な考え方です。

また、フィギュア4は姿勢を作るまでに一定の時間がかかるムーブでもあります。動きが速い課題(ダイナミックに跳んで次のホールドを取るような課題)では、フィギュア4で体勢を整えている時間そのものが不利に働くこともあります。課題の性質によって、フィギュア4が向いているかどうかも変わってくることを覚えておいてください。

「休むためのフィギュア4」と「進むためのフィギュア4」

フィギュア4には、その場に静止して前腕を回復させる「休むための使い方」と、脚にかけた反力を使って体を持ち上げ次のホールドに手を伸ばす「進むための使い方」があります。初心者はまず前者から練習し、姿勢を安定させて静止できるようになってから、体を持ち上げる動作に挑戦するとステップアップしやすいとされています。

練習ステップ — いきなり課題で使わない

フィギュア4は、いきなり難しい課題の中で実践しようとすると、姿勢が定まらないまま落ちてしまい、フォームを身につける前に苦手意識だけがついてしまうことがあります。ここでは、段階を踏んで習得するための練習の進め方を紹介します。

  1. 1傾斜の緩い壁で、大きく持ちやすいホールド(ジャグと呼ばれる持ちやすい形状のホールド)を使い、地面に近い低い位置でフィギュア4の姿勢だけを作る練習をします。実際に登る必要はなく、脚を腕にかけて数秒静止できるかどうかを確認するだけでも十分な練習になります。
  2. 2姿勢が作れるようになったら、同じ緩い傾斜で、フィギュア4の姿勢のまま反対の手を軽く動かしてみる練習に進みます。実際に遠いホールドを取る必要はなく、まずは姿勢を保ったまま手を動かせるかを確認します。
  3. 3慣れてきたら、強傾斜の壁で、あらかじめ「ここでフィギュア4を使う」と決めた易しい課題に挑戦します。初めての強傾斜での実践は、成功率の高い易しい課題で行い、成功体験を積んでから徐々に難易度を上げていくのがおすすめです。
  4. 4最後に、課題を登っている最中に「ここは足の置き場がないからフィギュア4を使おう」と自分で判断できるようになることを目指します。ここまでくると、フィギュア4は特別な技ではなく、通常のムーブの選択肢の一つとして自然に体が動くようになります。

低い位置での練習がなぜ重要か

フィギュア4は姿勢が崩れると落下につながりやすいムーブです。地面に近い低い位置(いわゆるトラバースや低いボルダー課題)で繰り返し練習しておくことで、万が一バランスを崩しても安全に降りやすく、恐怖心を持たずにフォームの精度を上げていくことができます。

初心者がやりがちな3つの失敗

フィギュア4に挑戦し始めた初心者が陥りやすい失敗を3つ紹介します。心当たりがあれば、次にジムに行ったときに意識してみてください。

1つ目は「脚をかける位置が浅い」ことです。ひじの先端やごく浅い位置に脚を引っかけただけの状態だと、体重を乗せた瞬間に脚が滑り落ちてしまいます。腕の上腕部分やひじの内側の、より深い位置にしっかりと脚を巻きつけるように意識すると、安定感が増します。

2つ目は「体幹の締めが甘く、体が反ってしまう」ことです。腕と脚だけに気を取られていると、お腹の力が抜けて腰が反った姿勢になりやすく、これでは脚にかけた体重をうまく利用できません。フィギュア4の姿勢に入る前から、軽くお腹に力を入れておく習慣をつけておくと、姿勢が崩れにくくなります。

3つ目は「反対側の脚(壁に残す脚)を早々に離してしまう」ことです。バランスを崩す不安から、両脚とも早い段階で壁から離してしまう人がいますが、これでは体を支える点が減り、かえって不安定になります。慣れないうちは、可能な限り反対側の脚を壁に残したまま練習することをおすすめします。

フィギュア4で負担がかかりやすい部位と注意点

フィギュア4は見た目以上に体の特定の部位に負荷が集中するムーブです。楽しく練習を続けるためにも、負担がかかりやすい部位とその理由を知っておきましょう。

もっとも負担が集中しやすいのは、支持側の肩関節です。片脚をかけている間、支持側の腕は体重の多くを一時的に一手で支えることになり、通常の登り方よりも肩関節にかかる負荷が大きくなるとされています。特に肩関節の柔軟性や安定性が十分でない状態でフィギュア4を繰り返すと、肩まわりに違和感が出ることがあります。日頃から肩甲骨を大きく動かすウォームアップを取り入れておくと、負担を和らげやすくなります。

次に負担がかかりやすいのが股関節です。フィギュア4では股関節を大きく外側に開いた状態を作るため、股関節や内もも(内転筋)の柔軟性が不足していると、脚をかける姿勢そのものが作りにくく、無理に体勢を作ろうとして股関節まわりを痛めてしまうことがあります。ヨガのポーズでいう「鳩のポーズ」や「あぐら」に近い柔軟性が目安になるとされ、日常的な股関節のストレッチがフィギュア4の習得を助けてくれます。

最後に、体幹(特に脇腹や下背部)にも普段のクライミングとは異なる方向の負荷がかかります。フィギュア4の姿勢を保つには、体をひねりながら締める動きが必要になるため、体幹トレーニングの中でも「回旋(体をひねる動き)」を含むメニューを取り入れておくと、フィギュア4の姿勢を保ちやすくなるとされています。

違和感が出たらフォームより先に休む

肩や股関節に張りや違和感を感じながらフィギュア4の練習を続けると、フォームを直す以前に怪我のリスクが高まります。違和感が出た日はその部位を使うムーブの練習を切り上げ、痛みが続く場合は自己判断せず専門家に相談することをおすすめします。

フィギュア4以外の「省エネムーブ」との使い分け

フィギュア4は強傾斜での省エネムーブの一つに過ぎません。他の代表的な省エネムーブと比べることで、フィギュア4を使うべき場面がより明確になります。

もっとも基本的な省エネムーブは「フラッギング」です。片脚を反対方向にひねって伸ばし、体の回転を抑えることでバランスを取る技術で、足を置くスタンスが少なくとも壁の近くに残っている場面で広く使われます。フィギュア4を検討する前に、まずフラッギングで解決できないかを考えるのが実戦的な順序です。

次に「ヒールフック」や「トゥフック」があります。かかとやつま先をホールドに引っかけて、体を安定させたり引きつけたりする技術で、足を置くスタンスが見当たらなくても、引っかけられる形状のホールドがあれば使えます。フィギュア4よりも姿勢を作る時間が短く済むことが多く、強傾斜ではまずヒールフックやトゥフックが使えないか探すのが定石とされています。

フィギュア4は、これらのムーブをすべて試しても足の置き場がまったく作れない、いわゆる「完全な足ブラ」の状態になったときの最終手段の一つとして位置づけるのが、体力を無駄にしない考え方です。強傾斜の課題を登るときは「フラッギング→ヒールフック/トゥフック→フィギュア4」という優先順位を頭の片隅に置いておくと、ムーブの選択に迷ったときの判断材料になります。

コーチやセッターの解説動画を参考にする

文章だけでフィギュア4の姿勢を完全にイメージするのは難しいものです。国内外のクライミングコーチやルートセッターが公開しているムーブ解説動画を参考にしながら、実際の体の動きと照らし合わせて練習すると理解が深まりやすくなります。

よくある質問

Qフィギュア4はどんな場面で使うムーブですか?

A強くかぶった壁(強傾斜)で、足を置けるスタンスが近くに見当たらず、両足が壁から離れてしまう場面で使われることが多いムーブです。片方の脚を支持側の腕にかけて支点を作ることで、腕だけで体を支え続けるより安定した状態を作りやすいとされています。ただし足を置けるスタンスが近くにある場面では、通常のムーブのほうが省エネな場合が多いです。

Qフィギュア4を練習するのに柔軟性は必要ですか?

A股関節を大きく外側に開いた姿勢を作るため、股関節や内ももの柔軟性がある程度あったほうが姿勢を作りやすいとされています。柔軟性に不安がある場合は、日常的な股関節のストレッチやフォームローラーでのセルフケアを取り入れてから練習に取り組むと、無理なく姿勢を作りやすくなります。

Qフィギュア4の練習で気をつけるべき部位はどこですか?

A支持側の肩関節と、脚をかける側の股関節に特に負担が集中しやすいとされています。肩や股関節に張りや違和感を感じたら、その日の練習を切り上げ、無理に続けないようにしてください。日頃から肩甲骨や股関節のウォームアップを取り入れておくことが予防につながります。

Qフィギュア4は初心者でも練習していいムーブですか?

A傾斜の緩い壁で、地面に近い低い位置から姿勢だけを作る練習であれば、初心者のうちから取り組んでも問題ないとされています。ただし、いきなり強傾斜の難しい課題で使おうとすると姿勢が崩れて落下につながりやすいため、段階を踏んで練習を進めることをおすすめします。

Qフィギュア4とヒールフックはどちらを先に覚えるべきですか?

A一般的には、ヒールフックやトゥフックのほうが姿勢を作るまでの時間が短く、実戦で使う頻度も高いとされています。フィギュア4は、それらのムーブでも足の置き場が作れない場面での選択肢の一つとして位置づけ、ヒールフックやトゥフックにある程度慣れたあとに取り組むと習得しやすい傾向があります。

Qフィギュア4の練習に使う道具はどれを最初に揃えればいいですか?

Aまずは股関節や肩まわりの可動域を整えるトレーニングチューブと、練習前後のセルフケアに使えるフォームローラーの組み合わせが取り組みやすいとされています。体幹の締めに課題を感じてきたら腹筋ローラーを、肩に違和感を覚え始めたら肩用サポーターを追加で検討するとよいでしょう。

Qフィギュア4で肩や股関節に痛みが出たらどうすればいいですか?

Aピンポイントで押すと痛む箇所がある、動かした瞬間に鋭い痛みが走るといった場合は、その日のフィギュア4の練習をすぐに中止し安静にすることが基本です。痛みが1週間以上続く、日常生活の動作にも支障が出るといった場合は、自己判断せず整形外科やスポーツクリニックの受診をおすすめします。

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