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ボルダリングジムに通い始めると、常連同士の会話やジムの張り紙、SNSの投稿で、意味の分からない言葉に頻繁に出会います。「この課題、ヒールフックで抜けられた」「今日はオンサイトできなかった」「グレードは何級?」——こうした言葉の意味が分からないまま相槌を打っているうち、なんとなく聞きづらくなってしまう人は少なくありません。この記事では、クライミングで使われる用語を「基本の言葉」「ムーブ・技術」「大会・採点」「装備・グレード」の4つのジャンルに分けて整理しました。すべてを一度に覚える必要はありません。気になったときに読み返す用語辞典として活用してください。
この記事でわかること
- 基本の言葉 — まず覚えておきたい呼び方
- ムーブ・技術に関する用語
- 登り方の呼び方 — オンサイト・フラッシュ・レッドポイント
- 大会・採点に関する用語
- 装備に関する用語
- グレード(難易度表記)の呼び方
基本の言葉 — まず覚えておきたい呼び方
ジムでの会話に最低限ついていくために、最初に覚えておきたい基本用語です。
■ 課題(かだい)
同じ色のホールドを使って構成された、1つのルートのこと。「この課題」「あの課題」という言い方で使われます。
■ ホールド
壁に取り付けられた、手や足で持つ・掛けるための突起物。色ごとに難易度(グレード)が分けられているのが一般的です。
■ ムーブ
課題を登るための一連の身体の動かし方・動作の総称。「このムーブが分からない」といった使い方をします。
■ 完登(かんとう)
スタートからゴールのホールドまで、決められたルールに沿って登り切ること。「トップ」とほぼ同じ意味で使われます。
■ トライ
課題への1回の挑戦のこと。「もう1トライやってみる」のように使います。
■ 課題を落とす
課題を完登すること。「その課題、もう落とした?」のように聞かれることがあります。
ムーブ・技術に関する用語
登り方や体の使い方を指す言葉です。上級者の解説やレッスンでよく使われます。
これらのムーブ名は、動画解説やレッスンで頻出しますが、実際の動きを見ないと理解しづらいものも多くあります。用語だけを覚えるよりも、ジムのスタッフやレッスンで実際の動きを見せてもらいながら結びつけるのが効率的です。
■ ヒールフック
かかとをホールドに引っ掛けて、体を安定させたり引き上げたりするテクニック。
■ トゥフック
足の甲側(つま先の上部)をホールドに引っ掛けて体を保持するテクニック。
■ デッドポイント
体の勢いが一瞬止まる(無重力に近くなる)タイミングでホールドを掴む、ダイナミックな動き方。
■ ランジ
大きく体を飛ばして遠いホールドに跳びつく、最もダイナミックなムーブ。
■ フラッギング
片足を対角線上に伸ばして体のバランスを取り、回転を防ぐ技術。
■ マントリング
手のひらでホールドを押し込み、体を持ち上げる動き。棚に手をついて体を持ち上げる動作に近い。
■ キョン
両足を突っ張るように壁の凹凸に押し込み、体を支える姿勢。
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登り方の呼び方 — オンサイト・フラッシュ・レッドポイント
「どうやって完登したか」を表す言葉も、クライミング特有の用語のひとつです。
この3つの区分は特に外岩(アウトドアクライミング)やリードクライミングの文脈でよく使われます。ボルダリングジムでの日常会話では、そこまで厳密に区別せず「一撃で登れた」「何回もかけて落とした」といった言い方で表現されることも多いです。
■ オンサイト
課題の情報を事前に一切知らず、1回目の試技で完登すること。最も評価の高い登り方とされます。
■ フラッシュ
他人の登りを見たり、アドバイスを聞いたりした上で、1回目の試技で完登すること。
■ レッドポイント
何度も練習・トライを重ねた末に、最終的に完登すること。
大会・採点に関する用語
大会中継やニュースで耳にする専門用語です。詳しい採点ルールは別記事で解説しています。
■ トップ
ボルダリングで課題の最終ホールドを保持し、完登と認定された状態。
■ ゾーン
完登には至らないものの、ルート中盤の指定ホールドまで到達した状態。加点対象になります。
■ アテンプト
課題への1回の試技。試技数が少ないほど高く評価されます。
■ アイソレーション
選手が他の選手の登りを見られない状態で待機する控室・仕組みのこと。
■ IFSC
国際スポーツクライミング連盟(International Federation of Sport Climbing)の略称。世界大会やオリンピックのルールを統括する団体です。
装備に関する用語
ギア選びの際に目にする用語です。詳しい選び方は各カテゴリの記事で解説しています。
■ ダウントゥ
クライミングシューズの先端が下向きに反っている形状。足指に力を集中させやすく、難易度の高い課題向けとされます。
■ チョーク
汗を吸収して指先の滑りを防ぐための粉状・液状の滑り止め。炭酸マグネシウムが主成分です。
■ クラッシュパッド
外岩でのボルダリングの際、落下時の衝撃を吸収するために地面に敷く分厚いマット。
■ ハーネス
ロープクライミングで体に装着し、ロープと体をつなぐためのベルト状の装備。
■ カラビナ
ロープや装備を安全に接続するための金属製の器具。開閉できるゲート部分が付いています。
グレード(難易度表記)の呼び方
課題の難易度を示す「グレード」の表記方法は、種目や地域によって複数の体系が存在します。
日本のボルダリングジムでは「級」「段」という表記が広く使われています。10級前後を初心者向けの目安として、数字が小さくなるほど難易度が上がり、1級を超えると「初段」「二段」という「段」表記に切り替わります。
海外のボルダリングでは「Vスケール(V0、V1…)」という表記がよく使われ、リードクライミングでは「フレンチグレード(5.10a、6a…といった表記)」や「YDS(アメリカ式)」など、地域ごとに異なる体系が使われています。同じ課題でも、体系が違えば数字や記号の並びも変わるため、大会や海外の動画を見る際は、どのグレード体系で表記されているかを意識すると混乱しにくくなります。
グレードは「絶対値」ではない
グレードはあくまで課題を設定したジムやセッターの相対的な感覚に基づくものです。同じ級表記でも、ジムによって難易度の感じ方が変わることは珍しくありません。グレードを目標にしすぎず、あくまで目安として捉えるのがおすすめです。
SNSやジムの会話で見かけるその他の言葉
大会や技術用語ではないものの、ジムでの日常会話やSNSで頻出する言葉も紹介します。
■ セッター
課題(ルート)を設定する専門スタッフ。ジムのグレード感や課題の個性はセッターの持ち味が大きく影響します。
■ 前傾壁(ぜんけいかべ)
天井方向に傾斜した壁。傾斜がないものは「垂壁(すいへき)」、外側に反った壁は「スラブ」と呼ばれます。
■ パンプ
前腕の筋肉に乳酸がたまり、握力が出しづらくなった状態。「もうパンプしてきた」のように使われます。
■ アップ(ウォーミングアップ)
本格的なトライの前に、易しい課題で体を温めること。
よくある質問
Q「オンサイト」と「フラッシュ」はどう違いますか?
Aオンサイトは課題の情報を一切知らずに1回目で完登すること、フラッシュは他人の登りやアドバイスなどの情報を得た上で1回目で完登することです。オンサイトの方が評価の高い登り方とされています。
Qヒールフックとトゥフックの違いは何ですか?
Aヒールフックはかかとをホールドに引っ掛けて体を安定させる技術、トゥフックは足の甲側(つま先の上部)をホールドに引っ掛けて体を保持する技術です。どちらも足を手のように使う点が共通しています。
Q「級」と「段」の違いを教えてください。
A日本のボルダリングジムでは、初心者向けの10級前後から始まり、数字が小さくなるほど難易度が上がります。1級を超えるとさらに難しい「初段」「二段」という段表記に切り替わります。
QVスケールとは何ですか?
A海外のボルダリングで広く使われる難易度表記で、V0から始まり数字が大きくなるほど難易度が上がります。日本の級・段表記とは体系が異なるため、単純な数字の比較はできません。
Q「パンプ」とはどんな状態ですか?
A前腕の筋肉に乳酸がたまり、握力や指の力が出しづらくなった状態を指します。トライを繰り返すと起こりやすく、休憩を取って回復させることが必要です。
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