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ゲレンデでスノーボードに慣れてくると、コース脇に広がる誰も滑っていない斜面や、リフトの届かない稜線の向こうに気になる雪面が目に入るようになる人がいます。そうした「バックカントリー」と呼ばれるエリアに自分の足で登ってアクセスするための道具が、板を縦に2枚に分割できる「スプリットボード」です。見た目は普通のスノーボードとほとんど変わりませんが、板の中央にジョイントが仕込まれており、登るときは板を左右に割ってスキーのような形にし、滑走面にクライミングスキンを貼って歩いて登ります。山頂やピークに着いたら板を元通りに組み直し、あとは通常のスノーボードと同じようにビンディングを装着して滑り降りる、という仕組みです。リフト券を使わずに自分の脚力だけで新しい雪の斜面にアクセスできる自由度の高さから人気が広がっていますが、通常のスノーボードにはない専用の追加ギアがいくつも必要になり、板の切り替え手順や雪山特有の知識も求められます。この記事では、スプリットボードの基本的な仕組みから、通常のスノーボードとの構造の違い、登行に必要な4つの追加ギア、実際にモードを切り替える手順、そして初めて挑戦する人が気をつけたいポイントまでを整理しました。最後には、追加ギアとしてよく比較される4点も紹介しています。
この記事でわかること
- スプリットボードとは何か — 板が「割れる」だけではない
- 通常のスノーボードとの構造の違い
- なぜ追加ギアが必要になるのか
- 「登行モード」への切り替え手順
- クライミングスキンの選び方
- インターフェース(パックス)選びのポイント
登行に必要な追加ギア4選
ここからは、実際にスプリットボードで登行を始める際に候補になりやすい追加ギアです。すでにスプリットボード本体・専用ビンディング・ブーツを持っている人が、次に揃えることになりやすい「クライミングスキン」「インターフェース」「クランポン」「伸縮ポール」の4点を、実在するメーカーの商品から選びました。価格は執筆時点で確認したものであり、その後変わっている場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・サイズ対応を確認してください。
4点はいずれも「板・ビンディング・ブーツ以外にスプリットボードで登行するために追加で必要になるギア」というキャラクターの製品です。クライミングスキンとポールは登行そのものに直結する道具、インターフェースはビンディングと板をつなぐ土台、クランポンは条件が厳しいときの保険的な装備、とそれぞれ役割が異なります。
予算を段階的に確保したい場合は、まずクライミングスキンとインターフェース(すでにスプリットボード対応ビンディングを持っている場合は不要な場合もあります)を優先し、ポールとクランポンはレンタルや友人からの借り物でまかないながら、実際にバックカントリーに数回入ってみてから買い足していく、という進め方でも問題ありません。
なお、クランポンについては板の互換性(対応するビンディング規格やボードのウエスト幅)が製品ごとに細かく決まっているため、購入前に自分のスプリットボードとビンディングの型番を控えたうえで、対応表を確認することを強くおすすめします。互換性を誤って購入してしまうと、いざ現地で装着できないというトラブルにつながりかねません。

POMOCA(ポモカ)CLIMB 2.0 SPLITBOARD クライム 2.0 スプリットボード 145mm クライミングスキン
参考価格33,000円
スイスのスキン専門メーカーPOMOCAによる、スプリットボード向けの軽量スタンダードスキン。従来のSAFER SKINより軽量化したメンブレンと、PFC(ペルフルオロカーボン)を含まない防水処理「EVER DRY 3.0」を採用しており、環境性能と登行性能を両立させたモデルとして案内されています。
ここが良い
- 軽量化されたメンブレンにより、登行中の一歩ごとの重さを感じにくいとされる
- PFCフリーの防水処理を採用しており、近年の環境規制の流れに沿った製品
- スキン専門メーカーとして長年の実績があり、モヘア繊維の織り方などグリップ力の作り込みに定評がある
注意点
- 板の全長・形状に合わせたトリミング(カット)が別途必要になる場合がある
- 4点の中で最も高額な部類に入る

SPARK R&D(スパーク)Spark Flat Pucks スプリットボード用インターフェース(マウンティングプレート)
参考価格14,300円
スプリットボード専用ギアの老舗ブランドSPARK R&Dによる、板とビンディングをつなぐマウンティングプレート。アルミ製ディスクとナイロン素材の組み合わせにより、ほぼ無限に近いスタンス位置の調整域を備えているとされ、あらゆるスプリットボードとの互換性が案内されています。
ここが良い
- あらゆるスプリットボードとの互換性が案内されており、板選びに縛られにくい
- スタンス位置・角度・幅のいずれも細かく調整できる範囲が広い
- バックカントリーギア専門ブランドとして長年の実績があり、パーツの入手性も比較的よい
注意点
- 対応するビンディング側の規格(インターフェースの受け側)を事前に確認する必要がある
- 取り付け・調整には一定の慣れが必要で、初回はショップでの取り付けを依頼する人もいる

SPARK R&D(スパーク)ibex ST CRAMPON アイベックス ST クランポン スプリットボード用
5.00(1件のレビュー)
参考価格20,350円
初代アイベックスの形状・機能性を維持しつつ、真鍮のアクスルバーを熱可塑性樹脂に置き換えて改良したクランポン。装着のしやすさと回転のスムーズさが特徴とされ、デュアルワイド設計により2つを重ねてコンパクトに収納できます。Tesla T1系のバインディングと互換性があります。
ここが良い
- 真鍮製パーツを樹脂に変更した改良版で、装着・回転の動作がスムーズとされる
- 重ねて収納できる設計で、バックパック内のスペースを圧迫しにくい
- 主要なスプリットボード用ビンディング規格との互換性が明記されている
注意点
- 毎回の登行で使うものではなく、条件が厳しいときのための予備装備という位置づけ
- サイズ(Regular/Wide)を板の実寸に合わせて選ぶ必要があり、購入前の確認が欠かせない

BURTON(バートン)×BLACK DIAMOND エクスペディションポール 3段伸縮式 バックカントリーポール
参考価格25,000円
スノーボードブランドBURTONと、バックカントリーギアの名門BLACK DIAMONDのコラボレーションによる伸縮ポール。3段構造で折りたたむと58〜63cm程度までコンパクトになり、バックパックやボードバッグへの収納がしやすい設計です。グローブをしたままでも長さ調整しやすいFidLockレバーを採用しています。
ここが良い
- グローブを装着したままでも素早く安全に長さ調整ができるレバー機構を採用
- 3段構造で収納時58〜63cm程度までコンパクトになり、バックパックに収まりやすい
- BURTONの正規代理店モデルとして販売されており、国内サポートの安心感がある
注意点
- パウダーバスケットはねじ込み式で、深雪では紛失しないよう確実に固定する注意が必要
- ロックレバーの締め具合はドライバーでの初期調整が必要になる場合がある
■ スペック比較表
| 商品 | POMOCA(ポモカ)CLIMB 2.0 SPLITBO… | SPARK R&D(スパーク)Spark Flat Pu… | SPARK R&D(スパーク)ibex ST CRAMP… | BURTON(バートン)×BLACK DIAMOND エ… |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 33,000円 | 14,300円 | 20,350円 | 25,000円 |
| 購入 | ||||
| 幅 | 145mm | — | — | — |
| サイズ展開 | S(141-151cm)/M(150-160cm)/L(159-166cm) | — | Regular(board waist 25-26cm)/Wide(26cm以上) | S(85〜125cm・収納時約58cm)/L(100〜140cm・収納時約63cm) |
| 防水処理 | EVER DRY 3.0(PFCフリー) | — | — | — |
| 素材構成 | SSL(SAFER SKIN LIGHT)メンブレン | — | — | — |
| ブランド | POMOCA(スイス) | — | SPARK R&D | — |
| Toe/Heelセンタリング調整 | — | ±6.5mm(1.3mm単位) | — | — |
| 角度調整 | — | ±30°(3°刻み) | — | — |
| スタンス幅調整 | — | 4.2mm単位 | — | — |
| 素材 | — | アルミ製ディスク+ナイロン | — | アルミ製 |
| カラー展開 | — | Metal/Black/Green/Gold | Black/Metal | — |
| 対応ビンディング | — | — | Tesla/Tesla T1/Pro seriesを含む各種 | — |
| 収納性 | — | — | デュアルワイド設計で重ねて収納可能 | — |
| 重量 | — | — | — | Sサイズ約516g/Lサイズ約550g(1セット) |
| 構造 | — | — | — | 3段伸縮式・パッカブル |
| 長さ調整機構 | — | — | — | BLACK DIAMOND製FidLockレバー |
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スプリットボードとは何か — 板が「割れる」だけではない
スプリットボードは、見た目こそ通常のスノーボードとほぼ同じですが、板の中央(トップシートの下)に沿ってジョイント(連結部)が入っており、そこから板を縦に2枚のパーツに分離できる構造になっています。分離した2枚は、ちょうどスキーのような細長い形になり、それぞれの滑走面に「クライミングスキン」と呼ばれる登行用のシートを貼り付けることで、斜面を滑らずに歩いて登れるようになります。
このとき、ビンディング(バインディング)は専用の「インターフェース」を介して板に固定されており、登行モードではかかとが浮くように可動し、まるでスキーの歩行のように足を前後に動かして登ることができます。頂上やピークに到達したら、2枚のパーツを元の1枚の板に組み直し、スキンを剥がし、ビンディングをスノーボードとして固定し直すことで、あとは通常のスノーボードと同じように滑走できます。
通常のスノーボードでバックカントリーに入ろうとすると、深い雪の斜面を「スノーシュー」で歩いて登るか、板を担いで徒歩で登る(ブーツパック)しかありません。どちらも登りの効率はあまり高くなく、体力の消耗も大きくなりがちです。スプリットボードは、この「登り」の部分をスキーのように効率化することで、より長い距離、より多くの本数を自分の足で登って滑ることを可能にした道具だと理解すると、仕組みがイメージしやすくなります。
なお、この記事はゲレンデ脇のコース外(サイドカントリー)や、ロープウェイ・リフトでアクセスした先からさらに登るバックカントリーツーリングを想定した、スプリットボードそのものの仕組みと追加ギアの解説が中心です。雪崩に関する知識や意思決定については触れていますが、ビーコン・プローブ・ショベルといった雪崩安全装備の選び方については、専用の記事で詳しく解説しているためそちらもあわせて確認してください。
この記事のスタンス
バックカントリーでの滑走は雪崩や滑落など、ゲレンデ内とは異なるリスクを伴います。この記事は道具の仕組みと選び方を解説するものであり、雪山での安全な行動そのものを保証するものではありません。実際に挑戦する際は、必ず経験者の同行や講習会への参加を検討してください。
通常のスノーボードとの構造の違い
スプリットボードと通常のスノーボード(ソリッドボード)は、遠目に見ると区別がつきにくいものです。ですが、構造上いくつかの明確な違いがあります。
最も大きな違いは、前述のとおり板が中央から2枚に分離できる点です。分離を可能にするため、板の中央にはジョイント(クリップやフックのような連結金具)が配置されており、この部分の剛性や連結の緩みにくさが、滑走時の板のたわみ方や安定感に影響するとされています。近年のモデルは連結技術が進化しており、ソリッドボードとの滑走フィーリングの差は小さくなってきていると言われていますが、板単体としての価格はソリッドボードより高めになる傾向があります。
また、スプリットボード専用のビンディングインターフェース(パックスと呼ばれる金属またはナイロン製のマウントパーツ)を介してビンディングを固定する点も違いです。通常のスノーボードはディスクを板に直接ネジ留めしますが、スプリットボードは登行モードと滑走モードでビンディングの向き・固定方法を切り替える必要があるため、専用のインターフェースが板とビンディングの間に挟まる構造になっています。
ノーズとテールの形状にも、モデルによっては工夫が凝らされています。登行時に板の先端が雪に引っかかりにくいよう、通常のソリッドボードよりもノーズが長め・幅広めに設計されているモデルもあり、深雪でのラッセル(雪をかき分けて進むこと)のしやすさに配慮されているとされています。
なぜ追加ギアが必要になるのか
スプリットボード本体とビンディング、ブーツを揃えれば、ただちにバックカントリーに入れるわけではありません。板を割って「登行モード」にするためには、いくつかの専用の追加ギアが欠かせません。ここからは、その代表的な4つのギアについて、それぞれの役割を順番に見ていきます。
■ クライミングスキン(シール)
分割した板の滑走面に貼り付ける、毛足のある登行用シート。毛の向きが一方向にそろっているため、進行方向には滑りやすく、逆方向(後ろ)には滑りにくいという特性を持ち、この摩擦の非対称性を利用して斜面を歩いて登ることができます。ソール(板側)には粘着糊が付いており、登行が終わったら剥がしてたたみ、専用の保護シートに挟んで持ち帰ります。
■ インターフェース(パックス)
ビンディングと板をつなぐマウンティングプレート。登行モードでは、かかと側が浮いて前後に動くよう可動式になり、滑走モードでは通常のビンディングと同じようにしっかり固定されます。このモードの切り替えを、グローブをしたまま雪の上でスムーズに行えるかどうかが、実際の使い勝手を大きく左右する部分です。
■ クランポン(アイゼン)
登行中に足元にかかる金属製の爪状パーツ。斜度が急になったり、雪面が硬く凍りついていたりすると、スキン単体では滑ってしまい前に進めなくなることがあります。クランポンをブーツの下(インターフェースの下)に装着することで、氷雪面に爪を食い込ませて安定した登行ができるようになります。すべての登行で毎回使うものではなく、条件が厳しいときに取り出す装備という方向性の違いがあります。
■ 伸縮式のバックカントリーポール
登行中のバランス保持や推進力の補助に使う、長さを調節できるポール(ストック)。滑走時は不要になるため、多くの製品は3段階程度に縮めてバックパックに収納できる構造になっています。スキー用のストックとは異なり、雪面が深いパウダーでも沈み込みにくいよう、バスケット(先端の輪状パーツ)が大きめに作られているモデルが多く見られます。
板・ビンディング・ブーツ以外に必要な費用の目安
スプリットボード本体とビンディング、ブーツを一式揃えたうえで、この4つの追加ギアを新品でそろえると、おおよそ10万円前後の追加費用がかかることが多いとされています。決して小さな出費ではないため、最初はレンタルやショップの体験ツアーで一式を借りて試してから、自分に合うものを見極めて少しずつ揃えていくという進め方も現実的な選択肢です。
「登行モード」への切り替え手順
ゲレンデや登山口で板を分割し、登行モードに切り替える一連の流れを整理しておきます。慣れないうちは手順を一つずつ確認しながら進めることをおすすめします。
- 1ビンディングを板から取り外す(またはインターフェースごと分離するタイプの場合は、その手順に沿って外す)。多くのモデルでは、ビンディングはインターフェースに固定されたまま板本体からのみ切り離せるよう設計されています。
- 2板のジョイント(連結部)のロックを解除し、板を左右2枚のパーツに分割する。分割した2枚は、それぞれの滑走面が外側を向くように広げておくと、次のスキン貼りの作業がしやすくなります。
- 3クライミングスキンを滑走面に貼り付ける。スキンの毛の流れが板の先端方向を向くように、また左右にはみ出さないように注意しながら、先端(ノーズ)側から後端に向けて空気が入らないよう丁寧に貼っていきます。
- 4分割した板をそれぞれ「スキー状態」にセットし、ビンディング(インターフェース)をかかとが浮く登行モードに切り替えてブーツを固定する。
- 5斜度が急な区間や雪面が硬い区間では、必要に応じてクランポンを装着する。すべての行程で常時使うものではなく、状況を見ながら着脱するのが基本です。
- 6ポールを登行に適した長さに伸ばし、リズムよく歩き始める。登り始めは呼吸のペースを整えながら、無理のないペースで進むことを意識してください。
下山前の「滑走モード」への切り替えも忘れずに
ピークに着いたら、スキンを剥がして専用シートに挟み、板を組み直し、インターフェースを滑走モードに固定し直します。この切り替え作業は風の強い稜線上や気温の低い状況で行うことも多く、あらかじめ地上や自宅で手順を体に覚えさせておくと、現地でもたつく時間を減らせます。
クライミングスキンの選び方
クライミングスキンは素材によって、グリップ力(登行時の滑りにくさ)と滑走性(毛並みに沿って進むときの軽さ)のバランスが異なります。
主な素材はモヘア(アンゴラヤギの毛)とナイロン、そして両者を組み合わせたミックスタイプの3種類です。モヘアは滑走性に優れ、登行時の一歩ごとの重さを感じにくいとされる一方、耐久性はナイロンに劣る傾向があります。ナイロンは耐久性とグリップ力に優れる一方、重量はやや重めになりやすいとされています。初めての1枚としては、両者のバランスを取ったミックスタイプが選ばれやすい傾向にあります。
サイズ選びも重要なポイントです。スキンは板の全長・幅に合わせてトリミング(カット)して使うのが基本で、多くの製品は板の形状に合わせて自分でカットするか、購入時に板の型番を伝えて専用にカットしてもらう方式になっています。板とスキンのメーカーが異なる場合でも購入は可能ですが、初めて購入する際は自分のスプリットボードのモデル名・年式を控えておくと、サイズ選びで失敗しにくくなります。
また、スキンの粘着糊は使用を重ねるうちに劣化し、貼り付けたときの密着力が落ちていきます。粘着力が弱くなったスキンは登行中に剥がれてしまうこともあるため、シーズンの終わりや違和感を覚えたタイミングで、専用の糊を塗り直すメンテナンス(リグルー)を行うことも視野に入れておくとよいでしょう。
インターフェース(パックス)選びのポイント
インターフェースは板とビンディングの間に入る部品のため、使っているビンディングやブーツとの互換性を確認してから選ぶ必要があります。
インターフェースには大きく分けて、金属製のディスクを介するタイプと、専用の可動プレートに直接ビンディングを固定するタイプがあります。多くのスプリットボード対応ビンディングは、特定のインターフェース規格を前提に設計されているため、板・ビンディング・インターフェースの組み合わせに互換性があるかどうかを、購入前にメーカーの対応表で確認することが重要です。
スタンス幅(左右の足の間隔)やスタンス角度(つま先の開き具合)を調整できる範囲も製品によって異なります。体格や滑走スタイルの好みに応じて、あとから微調整できる余地が大きいモデルを選んでおくと、板やブーツを買い替えずに済む場合があります。
登行モードでの可動のスムーズさ、切り替え操作のしやすさは、実際に雪上で使ってみないと分かりにくい部分でもあります。ショップの店頭で実際にモードを切り替えさせてもらう、あるいはレンタルで一度試してから購入を検討するのも一つの方法です。
初めてスプリットボードに挑戦する人が気をつけたいこと
スプリットボードは、通常のスノーボードの延長として気軽に始められる道具ではありません。ゲレンデの外に出るということは、パトロールが常駐せず、雪崩や滑落、道迷いといったリスクを自分たちで管理しなければならない環境に入るということでもあります。
最初の一歩としておすすめされやすいのは、いきなり自己判断で山に入るのではなく、経験豊富なガイドが同行するバックカントリーツアーや、雪崩に関する基礎知識を学べる講習会に参加することです。多くのスキー場周辺エリアでは、ガイド付きのツアーでスプリットボード一式をレンタルできるプログラムも用意されており、道具を揃える前に「自分に向いているか」を試す機会としても活用できます。
体力面の準備も欠かせません。ゲレンデでの滑走とは異なり、登りの行程では長時間にわたって心肺機能と脚力を使い続けることになります。普段からのランニングやハイキングなど、有酸素運動の習慣があると、登行そのものを楽しみやすくなるとされています。
天候判断も重要な要素です。視界不良や急激な天候の変化は、稜線上での行動を一気に困難にします。出発前に必ず気象情報と雪崩情報(雪崩情報センターなどが発表する雪崩危険度情報)を確認し、少しでも条件に不安がある場合は無理せず引き返す判断ができるよう、あらかじめ「撤退の基準」を仲間内で共有しておくことが推奨されています。
装備面では、この記事で紹介した4つの追加ギアに加えて、雪崩ビーコン・プローブ・ショベルの3点(雪崩安全装備)が実質的に必須の持ち物になります。この3点の選び方や使い方は、当サイトの雪崩安全装備ガイドで詳しく解説しているため、スプリットボードでのバックカントリーを検討している人はあわせて確認しておくことを強くおすすめします。
一人でバックカントリーに入らない
たとえ経験を積んだあとでも、単独でのバックカントリー行動は、万が一の事故の際に発見や救助が遅れるリスクが大きいとされています。仲間と行動する、あるいはガイド同行のツアーを利用するなど、複数人での行動を基本にすることが強く推奨されています。
メンテナンスと保管について
スプリットボードの追加ギアは、通常のスノーボード用品以上にメンテナンスの手間がかかる面があります。長く使い続けるために意識しておきたいポイントを整理します。
クライミングスキンは、使用後に濡れたまま放置すると粘着糊の劣化やカビの原因になるとされています。使い終わったら室内で完全に乾燥させてから、専用の保護シート(スキンセーバー)を貼って保管するのが基本です。粘着力が弱くなってきたと感じたら、糊を塗り直すリグルーというメンテナンスで復活させられる場合もあります。
インターフェースやクランポンなどの金属パーツは、シーズン終了後に汚れと水分をよく拭き取り、可動部には必要に応じて潤滑剤を薄く塗布しておくと、次のシーズンも動作がスムーズに保ちやすいとされています。特に海沿いの雪山など、塩分を含む空気に触れる機会が多い環境で使った場合は、サビの発生に注意が必要です。
ポールは、伸縮部分に雪や氷が詰まったまま収納すると、次に使うときに伸ばせなくなることがあります。使用後は関節部分を一度動かして雪や水分を落としてから、乾いた状態で収納するようにしてください。
シーズン前の点検リスト
シーズン初めには「①スキンの粘着力に問題がないか」「②インターフェースの可動部がスムーズに動くか」「③クランポンの爪に欠けや変形がないか」「④ポールのロック機構がしっかり固定されるか」の4点を、実際に雪上で使う前に自宅で一通り確認しておくと、現地でのトラブルを減らせます。
よくある質問
Qスプリットボードは通常のスノーボードとしてゲレンデでも使えますか?
A使えます。板を分割せずに組み立てた状態にし、ビンディング(インターフェース)を滑走モードに固定すれば、通常のスノーボードとほぼ同じ感覚で滑走できます。ただし構造上、ソリッドボードに比べてわずかに重量が増える傾向があるとされています。
Q追加ギアはすべて同じメーカーで揃える必要がありますか?
A必須ではありません。多くのクライミングスキンやインターフェースは異なるメーカーの板・ビンディングとも互換性があるよう設計されています。ただし、対応するインターフェース規格やクランポンのサイズはメーカー・モデルごとに異なるため、組み合わせる前に対応表で互換性を確認することをおすすめします。
Qクライミングスキンはどのくらいの頻度で交換が必要ですか?
A使用頻度によりますが、粘着糊の劣化や毛の摩耗が進むと、登行時のグリップ力や滑走性が落ちてくるとされています。粘着力の低下は糊の塗り直し(リグルー)で対応できる場合が多く、毛自体の摩耗が大きい場合は交換の目安になります。
Qクランポンは毎回の登行で必ず使いますか?
Aいいえ、必ずしも毎回使うものではありません。斜度が急な区間や、雪面が硬く凍結している状況でスキンだけではグリップが不足すると感じたときに装着する、補助的な装備という差別化がされています。
Q初心者がいきなり自分たちだけでバックカントリーに入っても大丈夫ですか?
Aおすすめできません。バックカントリーは雪崩や滑落などゲレンデ内にはないリスクを伴う環境です。最初はガイド同行のツアーや講習会に参加し、雪崩に関する基礎知識と経験を積んでから、少しずつ行動範囲を広げていくことが推奨されています。
Q雪崩ビーコンなどの安全装備はこの記事で紹介した4点とは別に必要ですか?
Aはい、別に必要です。この記事で紹介したのは登行に使うギアで、雪崩ビーコン・プローブ・ショベルの3点は、バックカントリーに入る際に実質的に必須とされる安全装備です。選び方は当サイトの雪崩安全装備ガイドで詳しく解説しています。
Q追加ギア一式を揃える予算はどれくらい見ておけばいいですか?
Aクライミングスキン・インターフェース・クランポン・伸縮ポールの4点を新品で揃える場合、あわせて10万円前後を目安に考えておくとよいでしょう。予算に限りがある場合は、まずスキンとインターフェースを優先し、ポールやクランポンはレンタルで試してから揃えるという進め方もあります。
迷ったらこれ|この記事のNo.1

POMOCA(ポモカ)CLIMB 2.0 SPLITBOARD クライム 2.0 スプリットボード 145mm クライミングスキン
参考価格 33,000円
向いている人:初めてのクライミングスキンを、信頼できる専門メーカーから選びたい人
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