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GPSランニングウォッチを使い始めると、必ずと言っていいほど目にするのが「心拍数」のグラフです。手首の光学式センサーでもおおよその心拍数は測れますが、インターバル走のように心拍数が急激に上下する場面や、寒い時期に手首の血流が悪くなる場面では、実際の心拍数と表示される数値がずれてしまうことがあります。そこで登場するのが、胸に装着する「チェストストラップ型」や、二の腕に着ける「光学式アームバンド型」の専用心拍計です。ただ、いざ探してみると「チェストストラップと光学式、どちらが自分に合うのか分からない」「ANT+やBluetoothといった接続方式の違いが分からない」「バッテリーの持ちや防水性能をどう比較すればいいのか」など、判断に迷うポイントが次々と出てきます。この記事では、心拍計を選ぶときに見ておきたいポイントを一つずつ整理し、最後に実際の候補になりやすい4製品を比較しています。すでにGPSウォッチを持っていて、そのデータをもう一段正確にしたい人はもちろん、これから心拍数を基準にトレーニングを始めたい人にも参考にしてもらえる内容です。
この記事でわかること
- なぜ今、専用の心拍計が必要になるのか
- まずは2つのタイプを知る — チェストストラップ型と光学式アームバンド型
- 「精度」の読み方 — ECG方式と光学式の違い
- 「接続方式」の読み方 — ANT+・Bluetooth・GymLink
- 「バッテリー」と「防水性能」の読み方
- 目的別に見る2つの選び方
おすすめの心拍計4選
ここからは実際の候補です。チェストストラップ型と光学式アームバンド型をそれぞれ2製品ずつ選び、精度・接続方式・バッテリー・防水性能のバランスが分かるようにまとめました。価格情報は記事作成時点のものです。在庫状況などで変わることがあります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・カラー・サイズを確認してください。
4製品を並べると、チェストストラップ型(ガーミン・Polar H10 N)と光学式アームバンド型(Polar Verity Sense・Wahoo TICKR Fit)がそれぞれ2製品ずつという構成になっています。価格ではWahoo TICKR Fitが1万円強ともっとも手頃で、Polar Verity Senseが4製品中もっとも高価という差別化がされています。
選ぶ際のポイントは、装着感の好みと使う場面によって変わります。レースでの精度を最優先したいならPolar H10 N、すでにGarmin環境で揃えているならガーミンHRM 200、締め付け感を避けつつ高精度も欲しいならPolar Verity Sense、まずは手頃に専用心拍計を試したいならWahoo TICKR Fitという基準で決めると、納得のいく選択がしやすくなります。
なお、いずれの製品も本製品はフィットネス・トレーニング用途であり、疾病の診断・治療・予防を目的とした医療機器ではありません。持病があり運動強度の管理が必要な場合は、事前にかかりつけ医に相談したうえで使用してください。
なお、価格や仕様は変動することがあるので、購入前に商品ページで最新情報を確かめてください。同じ価格帯・同じ計測方式のモデルでも、メーカーごとに装着感やアプリの使い勝手には違いがあります。可能であれば、店舗で実際に装着感を確認してから購入することをおすすめします。

ガーミン HRM 200(M-XL)GARMIN 010-13388-10
参考価格13,800円
2025年に登場したガーミンの心拍センサー最新モデル。高精度なHRV(心拍変動)および心拍数トラッキングを実現し、GarminのGPSウォッチやEdgeサイクルコンピュータ、Tacx Trainingアプリなどにリアルタイムでデータを送信します。ストラップは洗濯機対応で、XS-S/M-XLの2サイズから選べます。
ここが良い
- Garmin製GPSウォッチとの連携を前提に設計されており、既存のGarmin環境に組み込みやすい
- ANT+とBluetoothのデュアル対応で、ウォッチとアプリの両方に同時接続しやすい
- ボタン電池式で約1年もつとされ、充電の手間がかからない
注意点
- 胸への締め付け感があり、慣れるまで違和感を覚える人もいる
- 記事作成時点でレビュー件数が少なく、長期使用の口コミはまだ限られる

ポラール(POLAR) H10 N 心拍計センサー XS-S 92075964
参考価格15,950円
ポラール史上最も精度が高いとして案内されている、心電式(ECG)のチェストストラップ型心拍センサー。Bluetooth・ANT+など幅広い接続方式に対応し、トレーニング機器との互換性も案内されています。
ここが良い
- 正規販売店であるIDA-Onlineが直接販売しており、安心して購入しやすい
- ポラール史上最も精度の高い心拍センサーとして案内されているモデル
- Bluetooth/ANT+のデュアル対応で、GPSウォッチやアプリと接続しやすい
注意点
- 4製品の中でも価格が高めに位置づけられる
- 胸への締め付け感があり、光学式アームバンド型と比べると装着の手間を感じる人もいる

ポラール Verity Sense(Polar Verity Sense)光学式心拍センサー POLAR
5.00(3件のレビュー)
参考価格17,600円
腕やこめかみなど装着位置を選べる、6LED搭載の光学式心拍センサー。本体わずか5gの軽量設計で、コードレスかつ胸への締め付け感なく高精度な心拍計測ができます。スイミングにも対応し、内蔵メモリは最大600時間分のトレーニングを記録可能です。
ここが良い
- Polar公式ストアが直接販売しており、正規品として安心して購入しやすい
- 本体5gと軽量で、胸への締め付け感が苦手な人でも装着しやすい
- 内蔵メモリが600時間分と大容量で、長期間のトレーニング記録も単体で管理しやすい
注意点
- 4製品の中でもっとも価格が高い
- 光学式のため、装着位置がずれると計測が不安定になりやすい点はチェストストラップ型に劣るとされる

Wahoo TICKR Fit(ワフー ティッカー フィット)WFBTHR03
4.00(1件のレビュー)
参考価格11,000円
前腕に装着する光学式の心拍数モニターアームバンド。BluetoothとANT+のデュアル接続に対応し、Zwift・Peloton・Runkeeper・MapMyRunなど50種類以上のアプリやApple Watch/Apple TVとも連携できます。4製品の中でもっとも手頃な価格帯です。
ここが良い
- 4製品の中でもっとも価格が手頃で、専用心拍計を初めて試す人に選びやすい
- 対応アプリの幅が広く、ランニングだけでなく他のトレーニングアプリとも連携しやすい
- デュアルバンド接続でスマートフォンとGPS機器の両方に同時接続しやすい
注意点
- 内蔵メモリでの単体記録には対応しておらず、常にペアリング機器が必要になる
- 防水等級の詳細な数値表記がなく、水泳での使用可否は商品ページで個別に確認する必要がある
■ スペック比較表
| 商品 | ガーミン HRM 200(M-XL)GARMIN 010… | ポラール(POLAR) H10 N 心拍計センサー XS… | ポラール Verity Sense(Polar Veri… | Wahoo TICKR Fit(ワフー ティッカー フィ… |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 13,800円 | 15,950円 | 17,600円 | 11,000円 |
| 購入 | ||||
| 計測方式 | チェストストラップ型(ECG) | チェストストラップ型(心電式センサー) | 光学式(6LED)+加速度センサー | 光学式(前腕装着) |
| モジュールサイズ | 68.0×31.6×11.0mm | — | — | — |
| ストラップサイズ | XS-S/M-XL の2種類 | XS-S | — | — |
| 接続方式 | ANT+ / Bluetooth(デュアル) | Bluetooth/ANT+(トレーニング機器との互換性あり) | Bluetooth(2台同時接続)/ANT+ | Bluetooth/ANT+(デュアルバンド) |
| バッテリー | CR2032ボタン電池、約1年(1日1時間使用時) | — | 充電式、最大約30時間 | USB充電式、最大約30時間 |
| 防水性能 | 3ATM | WR30(スイミングモード対応) | WR50(スイミングモード対応) | — |
| お手入れ | モジュールを外して洗濯機で洗浄可能 | — | — | — |
| カラー | — | ブラック | — | — |
| 販売元 | — | IDA-Online(楽天市場店) | — | — |
| サイズ/重量 | — | — | 30×30×9.5mm/約19g(センサー本体のみ5g) | — |
| 装着部位 | — | — | 前腕/上腕/こめかみ(アームバンド・ゴーグルクリップ付属) | — |
| 内蔵メモリー | — | — | 最大600時間分 | — |
| バンド | — | — | — | 調整可能な小型・大型の2バンド付属 |
| 対応アプリ | — | — | — | Zwift、Peloton、Runkeeper、MapMyRunなど50種類以上 |
| 連携機器 | — | — | — | Apple Watch/Apple TVとBluetooth経由で直接連携可能 |
※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。
※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。
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なぜ今、専用の心拍計が必要になるのか
最近のGPSランニングウォッチの多くは、文字盤の裏側に光を使ったセンサーを内蔵していて、手首だけで心拍数を計測できます。日常の健康管理や、ゆっくりしたペースのジョギングであれば、この手首計測でも十分実用的です。ただし、ランニングの強度が上がってくると、手首計測には構造上どうしても弱い場面が出てきます。
手首の光学式センサーは、血管を流れる血液の量の変化を光の反射で読み取る仕組みです。走るときの腕の振り、手首の骨格や皮膚の状態、汗のかき方、気温の低さによる血流の変化など、さまざまな要因の影響を受けやすく、特にペースの上げ下げが激しいインターバル走やビルドアップ走では、実際の心拍数の変化に表示が追いつかない「タイムラグ」が起きやすいとされています。
これに対して、胸に巻くチェストストラップ型は、心臓の電気信号を直接とらえる心電図に近い方式(ECG方式)を採用しているモデルが多く、激しい運動中でも安定した数値が出やすいとされています。また、二の腕に着ける光学式アームバンド型は、手首よりも筋肉や血管の動きが安定した部位で計測するため、手首の光学式センサーよりも精度が上がりやすいと言われています。
つまり専用の心拍計は「もっと高機能なガジェットが欲しい」という話ではなく、「今使っているGPSウォッチのデータの信頼性を底上げする」ための道具だと考えると分かりやすいはずです。特に、心拍ゾーンを基準にしたトレーニング(後述)を始めようとしている人ほど、数値のブレが少ない専用センサーの恩恵を感じやすくなります。
この記事のスタンス
製品ごとの特徴については個人差がある内容のため、断定を避けた書き方にしています。心拍計の精度には個人差(体毛、皮膚の状態、汗のかき方など)が影響するため、断定的な表現は避けています。判断材料の一つとして参考にしてください。
まずは2つのタイプを知る — チェストストラップ型と光学式アームバンド型
市販されているランニング用の心拍計は、大きく「チェストストラップ型」と「光学式アームバンド型」の2タイプに分けられます。どちらが優れているというよりも、装着感や用途によって向き不向きがあるため、まずはこの2タイプの違いを押さえておきましょう。
チェストストラップ型は、心臓に近い胸のまわりにベルトを巻き、心臓の電気信号(心電)を検出するタイプです。運動中の動きに強く、激しいインターバル走やレース本番でも数値が安定しやすいとされ、研究用途や本格的なアスリートに選ばれることが多いのもこのタイプです。一方で、胸への締め付け感が気になる人や、汗で電極部分が乾いてしまうと計測が不安定になることがある点はデメリットとして挙げられます。
光学式アームバンド型は、手首の光学式センサーと同じ原理を、二の腕やこめかみなど別の部位で計測するタイプです。胸にベルトを巻く必要がなく、Tシャツの上からでも装着しやすいため、締め付け感が苦手な人や、普段使いと運動時の切り替えを手軽にしたい人に向いています。近年はチェストストラップ型に近い精度を実現しているモデルも増えており、水泳など水中での使用に対応した製品もあります。
目安として、大会でのタイムアタックや心拍ゾーンを厳密に管理したいトレーニングにはチェストストラップ型、日常のジョギングや締め付け感を避けたい人には光学式アームバンド型、というのが選び方の大枠になります。ただし後述するように、光学式アームバンド型の中にも高精度を売りにしたモデルがあるため、最終的には次に説明する「精度の読み方」も合わせて確認するのがおすすめです。
「精度」の読み方 — ECG方式と光学式の違い
心拍計の商品ページには「心電式」「ECGセンサー」「光学式」「PPGセンサー」といった表記が並びます。まずはこの計測方式の違いを理解しておくと、スペック表の意味が分かりやすくなります。
ECG(心電)方式は、皮膚に触れた電極を通じて心臓が発する微弱な電気信号を直接検出する方式です。医療用の心電図と同じ原理を応用しており、運動強度が大きく変化する場面でも数値が安定しやすいとされています。チェストストラップ型の多くがこの方式を採用しており、「研究用途としても採用されている」と紹介されている製品も見られます。
光学式(PPG)方式は、皮膚にLEDの光を当て、血管を流れる血液の量の変化を検出する方式です。近年は複数のLEDを搭載して精度を高めたモデルが増えており、二の腕での計測はECG方式に近い安定感を持つとされています。ただし、この方式は皮膚への密着度に精度が左右されやすく、装着位置がずれたり緩んだりすると数値が乱れやすい点には注意が必要です。
どちらの方式にも共通して言えるのは、「装着の仕方」が精度に直結するということです。チェストストラップ型であれば、電極部分を水で軽く湿らせてから装着すると通電が安定しやすく、光学式アームバンド型であれば、きつすぎず緩すぎない適度なフィット感を保つことが重要とされています。高価なモデルを選んだとしても、装着が緩ければ本来の精度は発揮されません。
「接続方式」の読み方 — ANT+・Bluetooth・GymLink
心拍計はスマートフォンやGPSウォッチ、フィットネスバイクなどの機器へワイヤレスでデータを送信します。このとき使われる通信方式が「ANT+」「Bluetooth(BLE)」「GymLink」で、商品ページの対応表記を確認しておくと、手持ちの機器と組み合わせられるかどうかが分かります。
ANT+は、スポーツ・フィットネス機器向けに開発された通信規格で、GarminやWahooなどのGPSウォッチ・サイクルコンピュータの多くが対応しています。複数の対応機器に同時接続しやすいのが特徴で、ランニングウォッチと室内バイクの両方に心拍データを送りたい場合などに便利です。
Bluetooth(BLE)は、スマートフォンやApple Watchとの相性がよい通信方式です。Wahoo FitnessやPolar Beatといった専用アプリと連携する場合、多くはBluetooth接続が使われます。近年のモデルはANT+とBluetoothの両方に対応した「デュアル方式」が主流になっており、迷ったらこのデュアル対応のモデルを選んでおくと接続で困る場面が少なくなります。
GymLink(5kHz)は、ジムの有酸素マシンなど、心拍計対応のフィットネス機器と連携するための古くからある通信方式です。スポーツジムのランニングマシンやエアロバイクで自分の心拍データを表示させたい場合は、この方式に対応しているかどうかも確認しておくと安心です。すべての製品が対応しているわけではないため、ジム利用が多い人は商品ページのスペック表をチェックしてみてください。
「バッテリー」と「防水性能」の読み方
心拍計は運動のたびに装着する消耗品的な側面もあるため、バッテリーの持ちと防水性能も比較のポイントになります。
チェストストラップ型の多くはボタン電池(CR2032など)を使用しており、1日1時間程度の使用で1年前後もつとされる製品が多く見られます。電池切れの心配が少ない反面、電池交換の手間が発生します。一方、光学式アームバンド型の多くは内蔵バッテリーをUSBなどで充電する方式で、満充電あたり20〜30時間程度使用できるモデルが一般的です。週に数回のランニングであれば、こまめな充電で困ることは少ないでしょう。
防水性能については、「3ATM」「WR30」「WR50」といった等級表記で確認できます。数字が大きいほど、より高い水圧・水深に耐えられることを示しており、汗や雨程度であれば多くのモデルで問題ありませんが、プールでの使用を考えている場合はWR50相当(水泳対応)の表記があるかどうかを確認してください。GymLink対応と合わせて、水中でのトレーニングを想定している人は必ずチェックしておきたいポイントです。
また、洗濯のしやすさも実用面で見逃せないポイントです。チェストストラップ型はセンサー本体を取り外してストラップ部分だけを洗濯できる製品が多く、汗のにおいや電極部分の汚れを清潔に保ちやすくなっています。購入前に「洗濯機対応」「本体取り外し可能」といった表記があるかどうかも、長く使ううえでの快適さに関わってきます。
目的別に見る2つの選び方
ここまでの精度・接続方式・バッテリーの知識を踏まえると、心拍計選びはおおよそ2つの方向性に整理できます。自分がどちらに近いかを先に決めておくと、数ある製品を一つずつ比較しなくても、当たりをつけやすくなります。
■ 精度・安定性を最優先したい人
レース本番でのペース管理や、心拍ゾーンを厳密に守ったインターバルトレーニングを行いたい場合は、ECG方式のチェストストラップ型が向いています。締め付け感には多少の慣れが必要ですが、運動強度が激しく変化する場面でも数値が安定しやすいとされています。
■ 快適さ・手軽さを優先したい人
日常のジョギングや、締め付け感を避けたい人には光学式アームバンド型が向いています。Tシャツの上から手軽に着けられ、装着位置も腕やこめかみなど選べる製品が多く、水泳などマルチスポーツにも展開しやすいのが特徴です。
選び方の3ステップ
ここまでの知識をもとに、実際に心拍計を選ぶ判断の流れを3つのステップにまとめました。焦って高機能なモデルから選ぶ必要はなく、まずは自分の使い方に合ったタイプを絞り込むところから始めてください。
- 1装着タイプを決める。レースやインターバル走で精度を重視したいならチェストストラップ型、日常使いや締め付け感を避けたいなら光学式アームバンド型と、まず大枠のタイプを決めます。すでに手首計測のGPSウォッチを持っている人は、そのデータの精度を底上げする目的で選ぶことを意識すると迷いにくくなります。
- 2接続方式を確認する。自分が使っているGPSウォッチやアプリがANT+対応なのか、Bluetooth対応なのかを確認し、両方に対応した「デュアル方式」の製品を候補にすると失敗が少なくなります。ジムのマシンと連携させたい場合はGymLink対応かどうかも忘れずにチェックしてください。
- 3バッテリー方式と防水性能を比較する。電池交換の手間を避けたいか、充電の手軽さを優先したいかで選択肢が変わります。プールでの使用を考えている場合は、防水等級(WR50相当)と水泳モードの有無を必ず確認しましょう。
装着前のひと手間で精度が変わる
チェストストラップ型は、電極部分を水で軽く湿らせてから装着すると、乾いた状態よりも通電が安定し、数値の乱れが起きにくくなるとされています。走り始めてすぐに数値が不安定な場合は、いったん止まって装着位置と湿り具合を確認してみてください。
心拍ゾーンを使ったトレーニングの基礎知識
心拍計を導入したら、ぜひ活用したいのが「心拍ゾーン」を基準にしたトレーニングです。ここでは初心者でも分かる範囲で、基本的な考え方を紹介します。
心拍ゾーンとは、自分の最大心拍数に対する割合で運動強度を5段階程度に区切った指標です。最大心拍数の目安は「220−年齢」という簡易式で計算されることが多いですが、これはあくまで統計的な目安であり、個人差が大きい点には注意してください。より正確に知りたい場合は、心拍計メーカーが提供するフィールドテストや、専門施設での測定を利用する方法もあります。
ゾーン1〜2(最大心拍数の50〜70%程度)は、会話をしながら走れる程度の軽い強度で、脂肪燃焼や有酸素能力の土台づくりに向いているとされています。ゾーン3〜4(70〜90%程度)は、ややきついと感じるペースで、持久力や乳酸に対する耐性を高める場面で使われることが多いゾーンです。ゾーン5(90%以上)は、短時間しか維持できない高強度で、インターバルトレーニングの追い込み局面で使われます。
心拍数を基準にトレーニングを組み立てる最大のメリットは、「その日の体調やペースの感覚に頼らず、客観的な数値で強度をコントロールできる」ことです。同じペースで走っていても、寝不足や疲労が蓄積している日は心拍数が普段より高く出ることがあり、これは「今日は無理をしないほうがいい」というサインとして活用できます。専用の心拍計を導入すると、この数値の信頼性が上がり、トレーニング計画そのものの精度も上がりやすくなります。
心拍ゾーンはあくまで目安
簡易式で算出した最大心拍数や心拍ゾーンは、あくまで一般的な目安です。持病がある方や運動を始めたばかりの方は、自己判断でゾーンの上限まで追い込むのではなく、体調や医師の指導も踏まえながら無理のない範囲で活用してください。
買ったあとに気をつけたいこと
心拍計は購入して終わりではなく、装着方法やお手入れによって精度や寿命が変わってくる道具です。特に初めて使う人が見落としがちな点をまとめました。
チェストストラップ型は、使用後に電極部分の汗をそのままにしておくと、皮脂や汗の成分が固まって通電が悪くなり、次回の計測精度が落ちることがあるとされています。使用後はぬるま湯で軽くすすぎ、風通しのよい場所で乾かす習慣をつけておくと、長く安定した精度を保ちやすくなります。
光学式アームバンド型は、バッテリーがリチウムイオン電池であることが多く、長期間使わずに放置すると過放電でバッテリーが劣化する場合があります。しばらく使わない期間ができる場合は、時々充電を行っておくとバッテリーの寿命を延ばしやすくなります。
また、どちらのタイプも、装着位置がずれた状態で走り続けると、正しい数値が取れないだけでなく、肌との摩擦で擦れやかぶれの原因になることもあります。走り始める前に鏡やスマートフォンの画面で装着位置を確認する、汗をかきやすい人はワンサイズ小さめのベルトを選ぶといった工夫も、快適に使い続けるうえで役立ちます。
最後に、ファームウェア(内部ソフトウェア)のアップデートにも触れておきます。各メーカーの専用アプリを定期的に確認すると、精度向上や不具合修正のアップデートが配信されていることがあります。購入後にアプリと一度ペアリングし、最新の状態にしておくことをおすすめします。
よくある質問
QGPSウォッチの手首計測だけではダメですか?
A日常のジョギングや健康管理が目的であれば、手首の光学式センサーでも十分実用的です。ただし、インターバル走のように心拍数が急激に変化する場面や、寒い時期で手首の血流が悪くなりやすい場面では、実際の数値とのズレが起きやすいとされています。より正確なデータでトレーニングを管理したい場合に、専用の心拍計が役立ちます。
Qチェストストラップ型と光学式アームバンド型、どちらを選べばいいですか?
Aレースでの精度やインターバルトレーニングでの安定性を重視するなら、心電式のチェストストラップ型がおすすめです。胸への締め付け感が苦手な人や、日常使いで手軽さを重視したい人には、光学式アームバンド型が向いています。
QANT+とBluetoothはどちらに対応していればいいですか?
A手持ちのGPSウォッチやアプリの対応方式によって変わります。GarminやWahooのGPSウォッチ・サイクルコンピュータの多くはANT+に対応し、スマートフォンアプリとの連携にはBluetoothが使われることが一般的です。迷った場合は、両方に対応した「デュアル方式」の製品を選ぶと接続で困る場面が少なくなります。
Qチェストストラップは締め付けがきつくないですか?
A製品や体格によって感じ方は異なりますが、多くのモデルは伸縮性のあるベルトで、走行中に大きくずれない程度の張りに調整して使うのが基本です。強く締めすぎると不快感や皮膚への負担につながるため、装着直後に軽く指が入る程度を目安に調整するとよいとされています。
Qプールでも使える心拍計はありますか?
A防水等級がWR50相当、またはスイミングモードに対応した製品であれば、水泳時の使用にも対応しているとされています。今回紹介した製品ではPolar H10 NとPolar Verity Senseがスイミングモードに対応しています。購入前に商品ページで防水表記を必ず確認してください。
Q心拍計のバッテリーはどのくらいもちますか?
Aボタン電池式のチェストストラップ型は、1日1時間程度の使用で1年前後もつとされる製品が多く見られます。充電式の光学式アームバンド型は、満充電あたり20〜30時間程度が目安です。使用頻度に応じて、電池交換の手間を避けたいか、充電の手軽さを優先したいかで選ぶとよいでしょう。
Q心拍ゾーンはどうやって決めればいいですか?
A「220−年齢」という簡易式で最大心拍数の目安を計算し、その割合で強度を区切るのが一般的な方法です。ただしこれはあくまで統計的な目安で個人差があります。より正確に知りたい場合は、心拍計メーカーが提供するフィールドテストの活用や、専門施設での測定も検討してみてください。
迷ったらこれ|この記事のNo.1

ガーミン HRM 200(M-XL)GARMIN 010-13388-10
参考価格 13,800円
向いている人:すでにGarminのGPSウォッチを使っていて、心拍データの精度を底上げしたい人
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