卓球を始めて半年から2年ほど経ち、試合でそれなりに点を取れるようになってくると、多くの人がぶつかるのが「そろそろラケットを買い替えるべきか」という悩みです。学校の部活やサークルで配られた入門用のセットラケットのままでも卓球を続けることはできますが、フォアハンドドライブが安定してきたり、ラリーの中で自分から攻めたい場面が増えてきたりすると、「今のラケットはなんとなく重く感じる」「もっと弾む感覚がほしい」といった物足りなさを感じ始める人も少なくないとされています。とはいえ、卓球専門店やネット通販には、木材だけで作られたラケットから、カーボンやケブラーといった特殊素材を挟んだラケットまで、無数の選択肢が並んでいます。品番や技術名を眺めているだけでは、どれが今の自分のレベルに合っているのか判断するのは簡単ではありません。この記事では、入門用ラケットを卒業しつつある中級者に向けて、ラケットの構造の基本から、重量・板厚・グリップといったスペックの読み方、そして実際に候補になりやすい4本の比較までをまとめました。
この記事でわかること
- なぜ中級者はラケット選びで迷いやすいのか
- 卓球ラケットの基本構造をおさらいする
- 中級者が確認しておきたい5つのスペック
- プレースタイル別に見る3つのタイプ
- 選び方の4ステップ
- 中級者におすすめの卓球ラケット4選
最終更新:
中級者におすすめの卓球ラケット4選
ここからは実際の候補です。前提として、これらに変えれば必ず勝てるようになる、という話ではありません。いずれも中級者向けとして案内されることが多いモデルの中から、素材構成やタイプが異なる4本を選びました。価格は記事作成時点の参考価格で、変動する場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・選べるグリップ/カラーを確認してください。
4本を並べると、素材構成とタイプではっきり役割が分かれているのが分かります。コルベルFLは木材5枚合板のコントロール重視モデル、馬林エキストラオフェンシブは北欧材を使った攻撃寄りの木材モデル、フライアットカーボンプロはアウター特殊素材でスピードを強化したモデル、スワットは木材7枚合板で操作性を重視したモデルという位置づけです。
どれが合うかは、今の技術レベルとプレースタイル、そして予算によって変わります。コントロールを重視するなら1本目、パワーのあるドライブを磨きたいなら2本目、スピードを一段引き上げたいなら3本目、価格を抑えつつ操作性も欲しいなら4本目、という選び方をすると失敗しにくいでしょう。価格・仕様は変動するため、購入前に必ず商品ページで最新情報を確認してください。
価格だけで比べると、スワットFLとコルベルFLが5千円前後ともっとも手が届きやすく見えるかもしれません。ただし価格が手頃だからといって性能が劣るわけではなく、木材ラケットとしての完成度の高さが評価されてロングセラーになっているモデルでもあります。予算だけでなく、自分がどのタイプを求めているかを軸に選ぶことをおすすめします。
なお、今回はバタフライ・ヤサカ・ニッタク・ヴィクタスという国内外で広く使われている4ブランドから選びましたが、他にもさまざまなメーカーが中級者向けラケットを販売しています。ブランドごとに木材の選定や特殊素材の配合には違いがあり、同じ「攻撃用」表記でも打球感の傾向は変わってきます。この記事で紹介した「素材構成」「重量」「板厚」「タイプ分類」という基準を参考にしながら、他のブランドのモデルもあわせて比較してみるのもよいでしょう。
■ スペック比較表
| 商品 | Butterfly(バタフライ)コルベル FL 攻撃用シ… | Yasaka(ヤサカ)馬林エキストラオフェンシブ 攻撃用… | Nittaku(ニッタク)フライアットカーボンプロ FL… | VICTAS(ヴィクタス)スワット FL 攻撃用シェーク… |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 5,302円 | 11,000円 | 9,990円 | 5,005円 |
| 品番 | FL:30271 | YM-21(STR)/YM-23(FLA) | — | — |
| タイプ | 攻撃用シェークハンド | — | — | — |
| ブレード構成 | 木材5枚合板 | 木材5枚合板(北欧材) | — | — |
| ブレードサイズ | 158×152mm(レギュラー) | — | 157×150mm | — |
| ブレード厚 | 5.9mm | — | — | — |
| グリップサイズ | 100×24×34mm | — | — | FL 100×24mm/ST 100×23mm |
| 平均重量 | 96g | — | — | — |
| 原産国 | 日本 | — | 中国 | — |
| グリップ | — | FL/ST | FL 100×24mm | — |
| 製造国 | — | スウェーデン | — | 中国 |
| メーカー型番 | — | — | NC-0371 | — |
| 分類 | — | — | 攻撃用 | — |
| 合板構成 | — | — | 木材5枚+2枚、アウタータイプ特殊素材(ケブラー・カーボン) | — |
| 板厚 | — | — | 5.8mm | — |
| 重量 | — | — | 85g前後(±あり) | 85g前後(±あり) |
| 打球感 | — | — | ハード | — |
| 商品番号 | — | — | — | AOB0255 |
| ラケット素材 | — | — | — | 木材7枚合板 |
| グリップの種類 | — | — | — | FL/ST |
| 攻守レベル | — | — | — | OFF(攻撃用) |
| ラケット厚 | — | — | — | 6.0mm |
| ラケットサイズ | — | — | — | FL・ST 158×150mm |
※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。
※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。
なぜ中級者はラケット選びで迷いやすいのか
「中級者」という言葉に、明確な基準があるわけではありません。大会の勝率で区切る人もいれば、ラリーが何本続くかで考える人、フォアハンドドライブが安定して入るかどうかを目安にする人もいます。基準が曖昧なぶん、自分が今どのレベルにいて、どんなラケットを選べばよいのかが分かりにくくなりやすいというのが、まず最初のつまずきポイントです。
入門用のラケットの多くは、木材だけで作られたシンプルな合板に、あらかじめラバーが貼られた状態で販売されています。誰が使っても大きな失敗をしにくいように、スピードとコントロールのバランスを取った、いわば「万人向け」の設計になっていることがほとんどです。これは初心者にとってはありがたい設計ですが、裏を返せば、プレースタイルの好みがはっきりしてきた中級者にとっては、どこか物足りなさを感じる原因にもなり得ます。
一方で、中級者以上を意識したラケットの世界に足を踏み入れると、途端に情報量が増えます。木材5枚合板、7枚合板、アウターカーボン、インナーカーボン、ケブラー入り、アリレート入りなど、素材名だけでも数えきれないほどの種類があり、さらにメーカーごとに独自の呼び方がされていることも珍しくありません。加えて、攻撃用・守備用・オールラウンドといった分類、シェークハンドとペンホルダーというグリップの違いも絡んでくるため、情報が多すぎて逆に選べなくなってしまう、という状態に陥りやすいのです。
この記事では「このラケットに変えれば必ず勝てるようになる」というような書き方はしません。ラケット選びはあくまでプレーの土台を整える作業であり、実際の成績は日々の練習やフォームの改善に大きく左右されるためです。その代わり、今のプレースタイルや目指す方向性に合ったラケットを、納得感を持って選べるようになることを目指して、順を追って整理していきます。
また、この記事はシェークハンドラケットを中心に扱っています。ペンホルダーにもさまざまな中級者向けモデルがありますが、グリップの構造上、選び方の観点がシェークハンドとは異なる部分があるため、別の機会に譲ることとします。すでにペンホルダーでプレーしている人は、ここで紹介する「素材構成」「重量」「板厚」といった基準を参考にしつつ、グリップに合ったモデルを探してみてください。
ちなみに、ラケットを買い替えることに漠然とした不安を感じる人もいるかもしれません。「せっかく慣れたラケットを手放すのはもったいない」「新しいラケットに変えたら逆に調子を崩すのでは」という声もよく聞かれます。たしかに道具を変えれば一時的に感覚が合わずに戸惑う期間が生じることはあるとされていますが、それは新しい道具に慣れていく過程の一部でもあります。今のラケットに大きな不満がなければ無理に買い替える必要はありませんが、伸び悩みを感じているのであれば、道具を見直すことも選択肢の一つとして検討してみる価値はあるでしょう。
この記事のスタンス
ラケットの性能については、メーカーの商品ページやカタログに記載されている内容をもとに「〜とされる」「〜と言われている」という表現にとどめています。打球感やスピード感の感じ方には、体格やスイングスピード、これまで使ってきたラケットとの比較によって個人差があり、断定できるものではないためです。判断材料として使い、可能であれば購入前に実際に試打することをおすすめします。
卓球ラケットの基本構造をおさらいする
中級者向けのラケットを理解するうえで、まず押さえておきたいのが「ブレード(板の部分)が何でできているか」という基本構造です。ここが分かると、商品ページに並ぶ専門用語の意味がぐっと理解しやすくなります。
これらの構成に加えて、ラケットの分類として「攻撃用」「守備用」「オールラウンド用(攻守バランス型)」という表記も目にすることが多いはずです。攻撃用はスマッシュやドライブなど、自分から積極的にボールを打っていくプレーに向いているとされ、守備用はカットマンなど、相手の攻撃を受けてつなぐプレーに向いているとされています。オールラウンド用はその中間で、攻めと守りのどちらにも対応しやすいバランス型の位置づけです。中級者向けとして紹介されるラケットの多くは、この攻撃用またはオールラウンド用に分類されます。
もう一つ押さえておきたいのが、グリップの形状です。シェークハンドラケットには主に「FL(フレア)」「ST(ストレート)」「AN(アナトミック)」といった種類があり、握ったときにグリップエンドに向かって広がる形か、まっすぐな形かといった違いがあります。どの形が握りやすいかは手の大きさや握り方の癖によって個人差が大きいため、可能であれば店頭で実際に握って確かめることをおすすめします。通販で選ぶ場合は、まず流通量の多いFL(フレア)から試してみるという選び方でも大きな失敗にはなりにくいとされています。
なお、卓球ラケットは基本的に「ラケット単体」と「ラバーがあらかじめ貼られたラケットセット」の両方が販売されています。中級者になると、ラケットとラバーをそれぞれ好みに合わせて選び、自分で貼り合わせる(またはショップに貼り合わせを依頼する)という選び方をする人が増えてきます。この記事では主にラケット単体としての選び方を扱いますが、ラバーとの組み合わせについても後半で触れています。
■ 木材5枚合板
5枚の木材を貼り合わせたオーソドックスな構成です。特殊素材を挟んだラケットに比べると弾みは穏やかですが、その分ボールをコントロールしやすいとされ、価格も比較的手頃なモデルが多い傾向があります。入門用から中級者向けまで幅広く採用されている、いわば卓球ラケットの基本形です。
■ 木材7枚合板
5枚合板よりも板の枚数を増やした構成です。板が増える分、反発力や安定感が高まるとされ、より攻撃的なプレーを意識したモデルに採用される傾向があります。5枚合板よりもやや硬めの打球感になりやすいとも言われています。
■ 特殊素材入り(カーボン・ケブラー・アリレートなど)
木材の層の間に、カーボンやケブラー、アリレートといった特殊素材を薄く挟み込んだ構成です。素材がブレードの外側寄りに入っているタイプは「アウター」、内側に入っているタイプは「インナー」と呼ばれることが多く、アウタータイプは弾みが出やすく、インナータイプは木材に近い打球感を保ちながら安定性を高めやすいとされています。中級者から上級者にかけて選択肢に入りやすいカテゴリーです。
中級者が確認しておきたい5つのスペック
商品ページには、反発特性、振動特性、ブレードサイズ、板厚、平均重量など、さまざまな数値が並んでいます。すべてを一度に覚える必要はありませんが、中級者がまず注目したいのは「素材構成」「重量」「板厚」「ブレードサイズ」「グリップサイズ」の5つです。
素材構成については前の章で触れた通りです。木材のみか、特殊素材が入っているかによって、弾みやすさとコントロールしやすさのバランスが大きく変わってきます。一般的に、特殊素材が入っているラケットほどスピードは出やすくなる一方、ボールが飛びすぎてコントロールが難しくなると感じる人もいるとされ、いきなり上位モデルに手を伸ばすよりも、自分の今の技術レベルに合った構成を選ぶことが大切です。
重量は、多くの卓球ラケットで80g台後半から90g台半ばの範囲に収まることが多いようです。軽いラケットほどスイングスピードを出しやすく取り回しがしやすいとされる一方、重いラケットほど打球時の安定感が増しやすいとも言われています。ただし、商品ページに記載されている重量は「平均重量」であることが多く、同じ品番でも1本ごとに数グラムのばらつきがある点には注意が必要です。
板厚(ブレードの厚み)は、5.5mm〜6.5mm程度の範囲に収まるモデルが多く見られます。厚みが増すほど反発力が高まりやすいとされていますが、その分コントロール性がやや犠牲になりやすいという傾向も指摘されています。中級者が最初の1本を選ぶ場合は、極端に厚いモデルよりも、標準的な板厚のモデルから試すほうが扱いやすいことが多いとされています。
ブレードサイズとグリップサイズは、手の大きさやプレースタイルとの相性に関わる部分です。ブレードが大きいほど台上技術での操作性に影響が出ることがあるとされ、グリップサイズは握りやすさに直結します。特にグリップの太さ・長さは、実際に握ってみないと分かりにくい要素でもあるため、通販で購入する場合は商品ページのミリ単位の表記を参考にしつつ、可能であれば同じメーカーの別モデルを試し握りした経験と照らし合わせて選ぶとよいでしょう。
メーカーによっては「反発特性」「振動特性」といった独自の数値を公表していることもあります。これらはメーカーが定めた基準に沿って測定された社内指標であることが多く、他社のラケットと単純に横並びで比較できる共通規格ではない点には注意が必要です。同じメーカーのシリーズ内で数値を比較し、「このモデルは自社の他モデルよりも弾みやすい」「振動が抑えられている」といった相対的な傾向をつかむための参考値として捉えるのが実用的だとされています。
プレースタイル別に見る3つのタイプ
ここまでのスペックを踏まえると、中級者向けのラケットはおおよそ3つのタイプに分けて考えることができます。すべてのモデルがきれいに当てはまるわけではありませんが、候補を絞り込むときの目安にしてください。
どのタイプが向いているかは、これまでの練習で身につけてきた技術や、目指すプレースタイルによって変わってきます。たとえばフォアハンドドライブを武器にしていきたい人はスピード・攻撃重視型、ロングラリーで丁寧に得点を重ねたい人はコントロール重視型、どちらの要素も欲しいという人はバランス型、というように大まかな方向性を決めてから探すと、候補が絞り込みやすくなります。
一つ注意しておきたいのは、特殊素材が入っているからといって、必ずしも初心者〜中級者に不向きというわけではない、という点です。近年は中級者を意識して開発された、比較的扱いやすい特殊素材入りラケットも増えており、価格帯も1万円未満から選べるモデルが多く存在します。「特殊素材=上級者向け」と決めつけず、商品ページに書かれている想定レベルや訴求ポイントを確認しながら選ぶことをおすすめします。
■ コントロール重視型
木材5枚合板を中心とした、弾みが穏やかなタイプです。ボールの飛距離や回転量が予測しやすく、ミスを減らしながら安定したラリーを組み立てたい人に向いているとされています。特殊素材入りのラケットに手を出す前段階として、まずこのタイプで基礎を固めるという選び方も有効です。
■ スピード・攻撃重視型
木材7枚合板やアウターカーボンなど、反発力の高い素材構成を採用したタイプです。ドライブやスマッシュのスピードを重視したいプレーヤーに向いているとされる一方、弾みが強い分、台上での細かい技術ではボールが浮きやすくなることもあると言われています。フォアハンドの技術がある程度固まってきた人が候補にしやすいタイプです。
■ バランス型(インナー特殊素材など)
インナーカーボンやインナーケブラーなど、特殊素材を内側に配置し、木材に近い打球感を保ちながら安定性をプラスしたタイプです。コントロール重視型からのステップアップとして選ばれることが多く、「スピードは欲しいが、いきなり弾みすぎるラケットは怖い」という中級者に候補になりやすいとされています。
選び方の4ステップ
ここまでの知識を踏まえて、実際にラケットを選ぶ手順を4つのステップに整理しました。順番に沿って絞り込んでいくと、聞き慣れない専門用語に振り回されずに候補を決めやすくなります。
- 1今のラケットで感じている不満を言葉にする。「弾みが物足りない」「逆にボールが飛びすぎてコントロールしにくい」「グリップが握りにくい」など、具体的に書き出してみると、次に何を優先すべきかが見えやすくなります。
- 2前の章で紹介した3つのタイプ(コントロール重視型・スピード攻撃重視型・バランス型)のうち、自分に近いものを1つ選ぶ。迷った場合は、極端に振り切ったタイプよりも、バランス型やオールラウンド用から試すほうが失敗しにくいとされています。
- 3素材構成・重量・板厚を確認し、同じタイプの中で2〜3本を比較する。価格帯やメーカーのブランドイメージだけで選ばず、スペック表を横に並べて比較すると、それぞれのモデルの立ち位置が見えやすくなります。
- 4可能であれば実際に試打し、素振りだけでなく軽くラリーをしてみる。打球感やグリップの握りやすさは、数字だけでは分かりません。スポーツ用品店や卓球専門店で試打ができる場合は、購入前に何本か振り比べてみるのが確実です。試打が難しい場合は、近いプレースタイルの人のレビューを参考にするのもよいでしょう。
ラバーとセットで検討するという選択肢
ラケット単体の性能だけでなく、貼り合わせるラバーとの組み合わせによっても打球感やスピード感は大きく変わるとされています。ラケット選びに迷ったときは、卓球専門店の店員に「今使っているラバーと、次に検討しているラケットの組み合わせ」を相談してみると、より具体的なアドバイスが得られることがあります。
ラバーとの組み合わせで性能は大きく変わる
ラケット選びを考えるうえで見落とされがちなのが、貼り合わせるラバーとの組み合わせです。同じラケットでも、貼るラバーによって打球感やスピード感の印象はかなり変わるとされています。
ラバーには大きく分けて、裏ソフトラバー・表ソフトラバー・粒高ラバー・アンチラバーといった種類があります。多くの中級者は裏ソフトラバーを使用していますが、その中でもスポンジの厚さ(厚・中厚・薄など)や硬度によって、弾みや回転のかかりやすさが変わってくるとされています。ラケットを新調するタイミングは、ラバーの組み合わせを見直すよい機会でもあります。
目安として、弾みの穏やかな木材ラケットには回転をかけやすいラバーを合わせ、弾みの強い特殊素材入りラケットにはコントロールしやすいラバーを合わせる、という組み合わせ方をすると、極端に扱いにくいセッティングになりにくいとされています。逆に、弾む素材のラケットに弾みの強いラバーを組み合わせると、威力は出やすい反面、ボールが浮きやすくなりミスが増えることもあると言われています。
ラケットとラバーの組み合わせに正解はなく、同じプロ選手でも時期によってセッティングを変えることがあるほど、奥が深い領域です。中級者のうちは、まずラケット単体の特性を把握したうえで、ラバーは1種類ずつ試しながら自分に合う組み合わせを探っていく、というスタンスで十分です。焦って何度も組み合わせを変えるよりも、しばらく同じセッティングで練習し、変化を実感しながら調整していくほうが上達を実感しやすいともされています。
フォアハンドとバックハンドで異なる特性のラバーを貼り分ける、という選び方をする中級者も増えてきます。たとえばフォア面には弾みを重視したラバー、バック面にはコントロールしやすいラバーを組み合わせることで、攻撃と安定のバランスを取るという考え方です。両面に同じラバーを貼るシンプルな構成から始め、プレーの幅が広がってきたら左右で貼り分けを検討する、という順序で進めても遅くはないでしょう。
買い替えのタイミングとお手入れ
ラケットは消耗品ではありませんが、使っていくうちに劣化やコンディションの変化が起こる道具でもあります。ラケット本体とラバーでは寿命の感じ方が異なるため、それぞれ分けて考えておくと安心です。
ラケット本体(木材や特殊素材の板の部分)は、正しく保管していれば数年単位で使い続けられることが多いとされています。ただし、湿気の多い場所に長期間放置すると、反りや劣化が起こりやすくなるとも言われています。使わないときは風通しのよい場所で保管し、ケースに入れて持ち運ぶ習慣をつけておくと長持ちさせやすくなります。
一方でラバーは、使用頻度に応じて数ヶ月〜1年程度で弾みや回転のかかりが落ちてくることが多いとされています。表面のツヤがなくなってきた、以前より回転がかかりにくく感じる、といった変化が買い替えのサインの一つです。ラケット本体を買い替えなくても、ラバーだけを新しくすることで打球感がリフレッシュされることも少なくありません。
グリップ部分の劣化も見落とされがちなポイントです。汗を吸って滑りやすくなってきたと感じたら、グリップテープを巻き直すという選択肢もあります。中級者になるとグリップの握り心地にもこだわりが出てくることが多く、市販のグリップテープで太さや質感を調整している選手も見られます。
最後に、ラケットを購入した際は、必ず「日本卓球協会(またはITTF)の公認マークがあるかどうか」を確認しておくことをおすすめします。公式戦への出場を考えている場合、公認されていない特殊素材や色のラケットは使用できないことがあるためです。趣味で楽しむ分には気にする必要はありませんが、大会出場を視野に入れている人は、購入前に商品ページの記載を確認しておくと安心です。
部活動やサークルでラケットを購入する場合は、顧問の先生や先輩に相談してから決めるという進め方もおすすめです。学校によっては大会のレギュレーションで使用できる用具に制限が設けられていることもあり、個人で先走って購入したラケットが結果的に使えなかった、というケースも起こり得ます。特に初めて自分専用のラケットを選ぶ場合は、周囲に相談しながら進めることで、こうした行き違いを防ぎやすくなります。
よくある質問
Q中級者はどのくらいの価格のラケットを選べばいいですか?
A中級者向けとして紹介されるラケットであれば、5千円前後から1万円台前半の範囲で選択肢が揃います。素材構成や採用している技術によって価格が変わる傾向があり、特殊素材が入っているモデルほど価格も上がりやすいです。最初の1本であれば、無理に上位モデルを選ぶ必要はなく、まずは自分のプレースタイルに近いタイプを優先して選ぶのがおすすめです。
Q特殊素材(カーボン)入りのラケットは中級者には早いですか?
A一概に早いとは言えません。近年は中級者を意識して開発された、比較的扱いやすい特殊素材入りラケットも増えています。ただし、木材のみのラケットに比べると弾みが強く出やすい傾向があるため、コントロールに慣れが必要になる場合があるとされています。心配な場合は、特殊素材が内側に入った「インナータイプ」から試してみるのも一つの方法です。
QFLとSTどちらのグリップを選ぶべきですか?
AFL(フレア)はグリップエンドに向かって広がる形状で流通量が多く、初めて選ぶ場合の基準にしやすいとされています。ST(ストレート)はまっすぐな形状で、手が大きい人や、しっかり握り込みたい人に好まれる傾向があります。どちらが合うかは手の大きさや握り方の癖による個人差が大きいため、可能であれば店頭で実際に握って比較することをおすすめします。
Qラケットを買い替えたらラバーも新しくするべきですか?
A必須ではありませんが、ラケットの特性を活かすためには、ラバーとの組み合わせも見直すことをおすすめします。弾みの穏やかなラケットには回転をかけやすいラバー、弾みの強いラケットにはコントロールしやすいラバーを合わせると、極端に扱いにくいセッティングになりにくいとされています。今のラバーの状態に問題がなければ、そのまま貼り替えて様子を見るという選び方でも問題ありません。
Q平均重量が軽い方がいいですか、重い方がいいですか?
A一概にどちらが良いとは言えません。軽いラケットはスイングスピードを出しやすく取り回しがしやすいとされる一方、重いラケットは打球時の安定感が増しやすいとも言われています。商品ページに記載されている重量はあくまで平均値のため、同じブランドの他モデルと比較して、相対的にどちらが軽めか・重めかを確認する見方をするとよいでしょう。
Qシェークハンドとペンホルダー、中級者はどちらを選ぶべきですか?
Aすでに使っているグリップを大きく変える必要はありません。この記事では主にシェークハンドを扱っていますが、ペンホルダーにも中級者向けのモデルは数多く存在します。素材構成や重量、板厚といった基準はグリップの種類を問わず参考にできるため、ペンホルダーでプレーしている人もこの記事の視点を活かしながら、グリップに合ったモデルを探してみてください。
Qラケットの寿命はどのくらいですか?
Aラケット本体は、正しく保管していれば数年単位で使い続けられることが多いとされています。一方でラバーは、使用頻度に応じて数ヶ月〜1年程度で弾みや回転のかかりが落ちてくることが多いと言われています。表面のツヤがなくなった、回転がかかりにくくなったと感じたら、まずはラバーの貼り替えを検討し、ラケット本体は反りや破損がない限り使い続けて問題ないとされています。
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