ラリー中に一歩でも反応が遅れると、決定打を打たれてしまう。卓球はコートこそ狭いものの、フットワークの精度が勝敗を大きく左右する競技です。前後左右への細かいステップ、低い姿勢からの素早い切り返し、体重移動を伴う踏み込み。これらすべてを支えているのが足元のシューズです。ところが実際には「なんとなく安いものを選んだ」「体育館シューズで代用している」という人も少なくありません。合わないシューズは滑りやすさや疲労につながりやすいと言われており、プレーの質にも影響しかねません。この記事では、卓球シューズを選ぶうえで欠かせない「グリップ力」「クッション性」「軽さ」の3つの軸を中心に、ソールのパターンやアッパーの素材の読み方をやさしく整理しました。最後には、実際に候補になりやすい4足も比較して紹介します。
この記事でわかること
- 卓球シューズ選びが「なんとなく」になりがちな理由
- 卓球シューズのどこを見ればいいのか
- 「グリップ力」の読み方 — アウトソールとパターンを見る
- 「クッション性」の読み方 — メーカーごとの技術名を知る
- 「軽さ」と「フィット感」の読み方 — 重量とアッパー素材
- プレースタイル・レベル別に見る2つのタイプ
最終更新:
卓球シューズおすすめ4選
ここからは実際の候補です。前提として、これらを履けば必ずフットワークが速くなる、という話ではありません。いずれもメーカーの商品ページ上で「グリップ力」「クッション性」「軽さ」のいずれかを訴求しているモデルを中心に、価格帯やタイプが異なる4足を選びました。価格は記事作成時点の参考価格で、変動する場合があります。購入前に商品ページで最新の価格・在庫・選べるサイズ/カラーを確認してください。
4足を並べると、価格帯とタイプで役割が分かれているのが分かります。レゾライン レバリスはグリップ力・クッション性・フィット感のすべてを高いレベルで作り込んだフラッグシップモデル、レゾライン ビラータは同シリーズの中で足幅広め・甲高めの選手向けに再設計された軽量モデル、ムービングエースはヨネックスとの共同開発でホールド感と衝撃吸収を重視したモデル、ジェット・インパクトNEO2は価格を抑えたエントリーモデルという位置づけです。
どれが合うかは、体格やプレースタイル、そして予算によって変わります。総合力を最優先したいなら1本目、足幅の広さも重視したいなら2本目、ホールド感と衝撃吸収を重視したいなら3本目、価格を抑えて最初の1足を選びたいなら4本目、という選び方をすると失敗しにくいでしょう。価格・仕様は変動するため、購入前に必ず商品ページで最新情報を確認してください。
価格だけで比べると、ジェット・インパクトNEO2がもっとも手が届きやすく見えるかもしれません。ただしエントリーモデルはクッション性やホールド感の作り込みがシンプルになる傾向があるため、練習量が多い人や本格的に競技を続けたい人は、上位モデルとの違いも踏まえたうえで検討することをおすすめします。
通販で購入する場合は、返品・交換のポリシーを事前に確認しておくことも大切です。一度も試着せずに購入すると、届いてから「思っていたサイズ感と違った」と感じることも珍しくありません。店舗によってはサイズ交換に対応している場合もあるため、購入前に条件を確認しておくと安心して注文できます。
なお、今回はバタフライ・ニッタク・ヤサカの3ブランドから選びましたが、他にもミズノやヴィクタスなど、さまざまなメーカーから卓球シューズが販売されています。ブランドごとにラストの作りや得意とするクッション技術が異なるため、この記事で紹介した「グリップ力」「クッション性」「軽さ」「フィット感」という4つの基準を参考にしながら、他のブランドのモデルもあわせて比較してみるのもよいでしょう。
練習後は風通しの良い場所でシューズを乾かし、専用のシューズバッグに入れて持ち運ぶ習慣をつけておくと、汗による雑菌の繁殖や素材の劣化を抑えやすくなるとされています。複数の練習を掛け持ちしている人は、2足を交互に履くローテーションもクッション材の回復時間を確保できるためおすすめです。
■ スペック比較表
| 商品 | バタフライ Butterfly 卓球シューズ レゾライン… | バタフライ Butterfly 卓球シューズ レゾライン… | ニッタク Nittaku 卓球シューズ ムービングエース… | ヤサカ Yasaka 卓球シューズ ジェット・インパクト… |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 11,440円 | 6,550円 | 13,860円 | 4,402円 |
| 品番 | 93710 | 93700 | NS-4438 | E-202 |
| カラー | フラッシュレッド(007)、プラチナホワイト(289)、ステルスブラック(968) | ネイビー(178)、ホワイト(270) | ホワイト(70)、ネイビー/サックス(02)、ブラック/ピンク(71) | BK(ブラック)ほか |
| サイズ | 22.5〜30.0cm(16サイズ) | 22.5〜28.0cm | 22.5〜29.0cm | 20.0〜28.0cm |
| 素材 | アッパー:合成繊維・合成樹脂/ソール:ゴム・EVA | アッパー:合成繊維・人工皮革/ソール:ゴム・EVA | アッパー:人工皮革/ミッドソール:合成樹脂/アウトソール:ゴム | PU・マイクロファイバー・ゴム |
| カット | ローカット | ローカット | — | ローカット |
| 生産国 | 中国 | 中国 | ベトナム | 中国 |
| 対応 | — | — | ユニセックス | — |
※ 表は横にスクロールできます。仕様は販売ページの記載にもとづく目安です。
※ 価格・在庫は変動します。最新情報は各ストアでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。
卓球シューズ選びが「なんとなく」になりがちな理由
卓球はほかの球技に比べてコートが狭く、体力的にも激しくないスポーツだと思われがちです。しかし実際のプレーでは、フットフォールト以上に細かいステップワークが求められます。ラリー中は低い姿勢を保ちながら、前後左右への小さなステップと、大きく踏み込むフットワークを何度も繰り返します。この動きを支えるのが足元のシューズであり、シューズが合っていないと、踏み込みの一瞬に足が滑ったり、逆に急に止まりすぎて足首やひざに負担がかかったりすることがあると言われています。
とはいえ「卓球シューズを買う」という発想自体がまだ浸透しきっていない面もあります。学校の体育館シューズやバスケットボール用シューズをそのまま卓球の練習で使っている人も珍しくありません。バスケットボールやバレーボールのシューズはジャンプ動作を想定したクッション性やカットの高さを重視して作られていることが多く、低い姿勢での細かいステップワークが中心となる卓球の動きとは、ソールのパターンや屈曲性の面で設計思想が異なるとされています。
この記事では「このシューズを履けば必ず速く動けるようになる」というような書き方はしません。フットワークの速さそのものは基礎体力やフォームによるところが大きく、シューズだけで劇的に変わるものではないためです。その代わり、足元の滑りやすさや疲労感をやわらげ、練習や試合に集中しやすくする、という観点からシューズの特徴を整理していきます。
卓球シューズの多くは、体育館の木製フローリングでの使用を前提に、屋外用シューズとは異なるノンマーキングソール(床に色移りしにくいゴム底)が採用されています。ランニングシューズやバスケットシューズを代用する場合でも、床を傷つけにくいか、汚れが付きにくいかを事前に確認しておくと安心です。
また、滑りやすい床で無理に急停止しようとすると、転倒によるケガのリスクも高まるとされています。特に体育館の床がワックスがけ直後だったり、汗で湿っていたりする場合は、いつも以上に足元への注意が必要です。安全に練習を続けるためにも、グリップ力の高い専用シューズを選ぶ意味は小さくありません。
部活動などでチームメイトと同じモデルを履く場面もあるかもしれません。ですが足の形や体重移動の癖は人それぞれで、周りと同じシューズが自分にとってもベストとは限りません。デザインやブランドを揃えたい場合でも、サイズ感やフィット感は自分の足に合わせて選ぶことをおすすめします。
部活動やクラブに本格的に加入するタイミングは、専用シューズに買い替える一つの節目になります。体験期間中は汎用シューズで様子を見て、継続することが決まった段階で自分に合う1足を選ぶ、という進め方でも十分間に合います。
この記事のスタンス
シューズの機能については、メーカーの商品ページに記載されている内容をもとに「〜とされる」という表現にとどめています。滑りにくさやクッション性の感じ方には体重や踏み込みの癖による個人差があり、断定できるものではないためです。判断材料として使い、可能であれば購入前に実際に試し履きすることをおすすめします。
卓球シューズのどこを見ればいいのか
卓球シューズの商品ページには、アウトソールの素材、ミッドソールのクッション技術、アッパーの構造、重量など、さまざまな情報が並んでいます。すべてを一度に理解する必要はありませんが、まず押さえておきたいのは「グリップ力」「クッション性」「軽さ」「フィット感」の4つです。
グリップ力はアウトソールのラバーや溝のパターンによって決まり、切り返しの瞬間に足が滑らないかどうかに直結します。クッション性はミッドソールの素材によって変わり、踏み込みや着地の衝撃をどれだけやわらげてくれるかの目安になります。軽さはアッパー素材や全体の作りによって左右され、連続したフットワークでの疲労のたまりやすさに関わるとされています。そしてフィット感は、シューズの中で足がズレず、力を効率よく踏み込みに伝えられるかを左右します。
この4つは互いにトレードオフの関係にあることも多く、たとえばクッション性を高めるためにミッドソールを厚くすると、その分重量が増えやすくなります。逆に軽さを追求すると、クッション材を薄くする必要が出てくることもあります。すべてを最高レベルで満たすモデルは少なく、多くのシューズは「安定感とクッション性を重視したタイプ」「軽さとスピードを重視したタイプ」というように、どこかに重心を置いた設計になっています。
卓球シューズは、バレーボールやバスケットボールのシューズと違い、ハイカットやミドルカットのモデルはほとんど見られません。低い姿勢を保ちながら足首を柔らかく使う場面が多いため、足首の可動域を妨げにくいローカットが主流になっているとされています。カットの高さで比較検討する必要が少ない分、グリップ力・クッション性・軽さ・フィット感の4つに集中して選びやすいとも言えます。
卓球を始めたばかりの人であれば、まずはグリップ力とクッション性のバランスが取れた標準的なモデルから試してみるのがおすすめです。プレースタイルがまだ固まっていない段階で軽さや安定感に極端に偏ったモデルを選んでしまうと、後々「もっとこうだったらよかった」と感じることもあるためです。
また、卓球シューズは専用の袋やケースとセットで販売されている場合もあります。持ち運びの際にシューズの汚れが他の荷物に付かないようにする目的だけでなく、湿気がこもりにくい通気性のよい袋を使うことで、シューズ自体の劣化を防ぐ効果も期待できるとされています。
商品名やタグに「クッション」「グリップ」「軽量」「フィット」といった言葉が含まれているかどうかも、目印の一つになります。メーカーが明確にどの要素を重視して開発したモデルかが分かれば、自分の求める条件に近いかどうかを判断しやすくなります。
体育館によっては、使用するシューズについて「ノンマーキングソールであること」をルールとして定めている場合があります。購入前に、所属するクラブや大会のレギュレーションを確認しておくと安心です。
「グリップ力」の読み方 — アウトソールとパターンを見る
卓球シューズのグリップ力は、アウトソールに使われるゴムの素材と、刻まれた溝(トレッドパターン)の形状によって決まります。体育館の床は木製であることが多く、汗や砂ぼこりで滑りやすくなる場面も少なくありません。グリップ力の高いソールほど、急な切り返しや踏み込みの瞬間に足元が安定しやすいとされています。
多くの卓球シューズは、床への攻撃性を抑えつつグリップ力を確保する「ノンマーキングソール」を採用しています。ランニングシューズなど卓球用ではないシューズを代用すると、体育館の床に黒い跡が残ってしまうことがあるため、専用のシューズを選ぶメリットの一つになっています。
アウトソールの模様(パターン)にも意味があります。魚の骨のような形状や、細かい格子状の溝は、前後左右どの方向に体重移動しても均等にグリップ力を発揮しやすいように設計されているとされています。パターンが単純なモデルよりも、こうした多方向対応のパターンを採用したモデルのほうが、卓球特有のフットワークには向いているといえるでしょう。
グリップ力が高すぎると、逆に足が床に張り付きすぎて、スムーズな体重移動がしにくくなる場合もあるとされています。特に足首やひざに不安がある人は、グリップ力だけでなく、ソールの屈曲性や全体のバランスも合わせて確認しておくと安心です。
床の状態はグリップ力の感じ方に大きく影響します。ワックスがけをしたばかりの床や、逆に使い込まれてつるつるになった床では、同じシューズでも滑りやすさの感覚が変わることがあります。普段練習する体育館の床の状態を踏まえたうえで、必要であれば専用のクリーナーでソールの汚れを落とす習慣をつけておくと、グリップ力を保ちやすくなるとされています。
アウトソールの溝は、使用頻度に応じて少しずつ摩耗していきます。特につま先や母趾球(親指の付け根)のあたりは、踏み込みの負荷がかかりやすく摩耗が早い部分です。溝が浅くなってきたと感じたら、グリップ力が落ちているサインの可能性があるため、買い替えの目安として意識しておくとよいでしょう。
アウトソールのゴムには、柔らかめのものと硬めのものがあり、柔らかいゴムほど床への吸い付きが良くグリップ力を発揮しやすい一方、摩耗が早まりやすい傾向があるとされています。耐久性を重視する場合は、やや硬めのゴムを使ったモデルも選択肢に入れておくとよいでしょう。
「クッション性」の読み方 — メーカーごとの技術名を知る
ミッドソールのクッション素材には、メーカーごとに独自の名称がつけられています。名前だけを見ると全く違う技術のように思えますが、いずれも「踏み込みや着地の衝撃をやわらげつつ、次の一歩へのパワーロスを抑える」という目的は共通しています。代表的なものをいくつか押さえておくと、商品ページを読むときの助けになります。
こうした素材名や設計思想をすべて覚える必要はありませんが、商品ページに「クッション性」「衝撃吸収」といった言葉と一緒に記載されている技術名や特徴がある場合、それがそのモデルの個性を表すキーワードになっていることが多いです。同じメーカーの中でも、上位モデルほど新しい世代の技術が使われている傾向があり、価格差の理由の一つにもなっています。
なお、クッション性が高いとされる素材を使っていても、実際の感じ方には体重や踏み込みの強さ、プレースタイルによって個人差があります。カタログスペックだけで判断せず、可能であれば店頭で実際に踏み込んでみたり、同じような体格・プレースタイルの選手の口コミを参考にしたりすることも、判断材料として役立ちます。
価格帯によって採用されるクッション素材の世代が異なることも珍しくありません。同じブランドでも、フラッグシップモデルには最新世代、エントリーモデルには従来世代の素材が使われている場合があり、これが価格差の理由の一つになっているとされています。
また、クッション素材とは別に、インソール(中敷き)にも独自の硬度や素材が使われていることがあります。取り替え可能なインソールであれば、消耗してきたときに交換したり、自分の足に合ったインソールに変更したりすることもできます。商品ページに「インソール取り替え式」といった記載があるかどうかも、長く使ううえではチェックしておきたいポイントです。
クッション材は使用頻度に応じて徐々にへたっていきます。目安として、週2〜3回程度の練習であれば半年〜1年ほどで「なんとなく踏み込みが硬く感じる」「以前より疲れやすい」と感じ始める人が多いとされています。見た目のすり減りが分かりにくい部分だからこそ、体感の変化を買い替えのサインとして意識しておくとよいでしょう。
■ バタフライのビーアブソーバー
バタフライの卓球シューズに採用されているミッドソール素材で、踏み込みの衝撃をやわらげることを目的とした素材とされています。上位モデルのレゾラインシリーズを中心に採用されている技術です。
■ ニッタクのムービングエース設計
ニッタクがヨネックスと共同開発したシューズでは、ミッドソールの厚みとインソールの硬度を細かく調整し、衝撃吸収とパワーロスの少なさの両立を狙っているとされています。特定の素材名というより、設計思想そのものが特徴になっているモデルです。
■ ヤサカのエントリー向けミッドソール
ヤサカのジェット・インパクトシリーズなどエントリーモデルの多くは、軽量なミッドソールを採用し、クッション性よりも軽さと価格のバランスを重視した設計になっているとされています。
「軽さ」と「フィット感」の読み方 — 重量とアッパー素材
クッション性やグリップ力と並んで見ておきたいのが、シューズ全体の重量とアッパーの素材・構造です。どちらも直接的な数値としては目立ちにくい項目ですが、実際に履いて動いたときの印象を大きく左右します。
多くの卓球シューズは、片足あたりおおよそ200〜280g程度の範囲に収まることが多いようです。軽いモデルほど連続したフットワークでの疲労を抑えやすいとされる一方、軽さを優先しすぎるとクッション材やアッパーの補強材が薄くなり、耐久性やホールド感が犠牲になる場合もあります。商品ページに重量の記載がない場合も多いため、目安として「同じブランドの中でどちらが軽めに案内されているか」という相対的な比較で見ておくとよいでしょう。
アッパーの素材は、メッシュ主体のモデルと、合成皮革や補強素材を組み合わせたモデルに大きく分かれます。メッシュ主体のモデルは通気性がよく軽量に仕上がりやすい一方、ホールド感はやや控えめになる傾向があるとされています。合成皮革を組み合わせたモデルは、通気性こそメッシュに劣るものの、足をしっかり包み込むホールド感を得やすいとされています。
フィット感には、ラスト(靴型)の作りも関わってきます。中足部を絞ったラストを採用したモデルは足全体をしっかりホールドしやすい一方、足幅が広い人には窮屈に感じられることがあります。逆に足囲を広めに設計したモデルは、幅広・甲高の足でも快適に履きやすいとされていますが、足が小さめの人にはやや余裕を感じる場合もあります。自分の足の形に合わせて、どちらのタイプが向いているかを意識しておくとよいでしょう。
卓球は屋内競技とはいえ、ラリーが続くと汗をかきやすいスポーツです。通気性の低いアッパーを長時間履き続けると、蒸れによる不快感や、においの原因にもなりやすいとされています。特に夏場に練習量が多い人は、メッシュ素材を多めに使ったモデルを選んでおくと快適に過ごしやすくなります。
シューレース(靴ひも)の締め方も、フィット感に影響する要素の一つです。同じシューズでも、しっかり締め上げて履くのと、緩めのまま履くのとでは、踏み込み時の安定感がかなり変わってきます。新しいシューズを履き始めるときは、説明書きや店員のアドバイスを参考に、正しい締め方を確認しておくと本来の性能を発揮しやすくなります。
プレースタイル・レベル別に見る2つのタイプ
ここまで見てきたグリップ力・クッション性・軽さ・フィット感の組み合わせによって、卓球シューズはおおよそ2つの系統に分けて考えることができます。すべてのモデルがきれいに当てはまるわけではありませんが、候補を絞り込むときの目安にしてください。
どちらのタイプが向いているかは、プレースタイルだけでなく、体格や競技レベル、これまでのケガの経験によっても変わってきます。たとえば体重移動が大きく、踏み込みの力も強い選手は、クッション性の高い安定感・ホールド重視型のほうが安心感があるとされています。一方、コート際で素早く反応するタイプのプレースタイルであれば、軽さ・スピード重視型のほうが本来の持ち味を発揮しやすいこともあります。
迷った場合は、グリップ力とクッション性のバランスが取れた中間的なモデルから探すのが無難です。極端にどちらかに振り切ったモデルよりも、失敗しにくい選択になりやすいためです。
学校の部活動などでは、卓球専用の練習時間だけでなく、体育の授業やほかの球技と兼用でシューズを使う場面もあるかもしれません。その場合は、卓球専用モデルの性能をフルに発揮しにくくなることもあるため、可能であれば卓球用と汎用の2足を使い分けることをおすすめします。
中学生・高校生など成長期の選手の場合は、購入時点でジャストサイズを選ぶと、半年後には窮屈になっている可能性もあります。とはいえ、大きすぎるサイズを選ぶと足の中で動いてしまい、かえってフットワークの効率や踏み込みの安定感を損なうこともあるとされています。成長期であることを踏まえつつも、まずは今の足に合ったサイズを基準に選ぶことをおすすめします。
■ 安定感・ホールド重視型
クッション性の高いミッドソールと、足をしっかり包み込むアッパー構造を採用しているタイプです。前陣から中陣まで幅広く動き、体重移動の大きいプレースタイルの選手や、練習量の多い選手に向いているとされています。重量はやや重めになる傾向があります。
■ 軽さ・スピード重視型
軽量なミッドソールとメッシュ主体のアッパーを採用しているタイプです。台に近い位置で素早く反応する前陣速攻型の選手や、価格を抑えつつ機動力を重視したい選手に向いているとされています。クッション性は安定感・ホールド重視型よりやや控えめな傾向があります。
選び方の3ステップ
ここまでの知識を踏まえて、実際にシューズを選ぶ手順を3つのステップに整理しました。順番に沿って絞り込んでいくと、聞き慣れない技術名に振り回されずに候補を決めやすくなります。
なお、体育館によっては土足厳禁で室内用シューズしか使えない場所もあります。購入前に、自分が主に練習する会場のルールも確認しておくと、せっかく選んだシューズを持ち込めないというトラブルを避けられます。
- 1自分のプレースタイルと体格の傾向を大まかに把握する。体重移動が大きく踏み込みの力が強いタイプ、または過去にひざや足首の違和感を感じたことがある場合は「安定感・ホールド重視型」寄り、台に近い位置で素早く動くタイプであれば「軽さ・スピード重視型」寄りから検討すると外しにくくなります。
- 2グリップ力とクッション性で候補を絞る。目安として、クッション性重視のモデルを2〜3足、軽量タイプのモデルを2〜3足ほどリストアップし、アウトソールのパターンや重量を比較してみます。ブランドやデザインにこだわりすぎず、まずはこの2軸で機械的に絞り込むのがコツです。
- 3可能であれば実際に試し履きし、その場で軽く踏み込みやステップを試してみる。グリップ力やホールド感、クッション性の感じ方は、数字だけでは分かりません。スポーツ用品店やクラブで試し履きができる場合は、購入前に何足か履き比べてみるのが確実です。試着が難しい場合は、体格やプレースタイルが近い人の口コミレビューを参考にするのもよいでしょう。
試し履きするなら、練習で使う靴下の厚みで
試し履きをする際は、普段の練習で履いている靴下を持参し、可能であれば同じ厚みで試すことをおすすめします。靴下の厚みが変わるだけでもフィット感の印象は変わり、店頭での試着結果と実際の使用感にズレが生じることがあるためです。
よくある質問
Q卓球シューズとランニングシューズ、バスケットシューズで代用してもいいですか?
A代用自体はできますが、ソールのグリップパターンや屈曲性が卓球の細かいフットワーク向けに設計されていないことが多く、滑りやすさや疲労感につながる場合があるとされています。可能であれば卓球専用として設計されたモデルを選ぶことをおすすめします。
Q卓球シューズはローカットが多いのはなぜですか?
A卓球は低い姿勢を保ちながら足首を柔らかく使う場面が多いため、足首の可動域を妨げにくいローカットが主流になっているとされています。バレーボールやバスケットボールのようにジャンプの着地が多い競技とは、足首まわりに求められる役割が異なるためと考えられます。
Qサイズはジャストサイズを選べばいいですか?
Aモデルによってサイズ感にばらつきがあり、商品ページでハーフサイズアップを案内しているモデルも見られます。普段のスニーカーと同じ感覚で選ぶと窮屈に感じることがあるため、商品ページのサイズ案内を確認したうえで選ぶことをおすすめします。
Qグリップ力が高いシューズほど良いのでしょうか?
A一概にそうとは言えません。グリップ力が高すぎると足が床に張り付きすぎて、スムーズな体重移動がしにくくなる場合もあるとされています。グリップ力だけでなく、ソールの屈曲性やクッション性とのバランスも合わせて確認することをおすすめします。
Q初心者はどのくらいの価格帯のシューズを選べばいいですか?
A今回紹介した4足であれば、4,000円台から14,000円程度の範囲で選択肢が揃います。プレースタイルがまだ固まっていない段階では、無理に上位モデルを選ぶ必要はなく、まずはグリップ力とクッション性のバランスが取れた標準的な価格帯のモデルから試すのでも十分間に合います。
Qシューズの寿命の目安はどのくらいですか?
A目安として、週2〜3回程度の練習であれば半年〜1年ほどでアウトソールの溝が浅くなったり、クッション材の反発力が落ちてきたりすることが多いとされています。見た目のすり減りが分かりにくい部分もあるため、滑りやすさや疲れやすさの変化を買い替えのサインとして意識しておくとよいでしょう。
Q足幅が広めなのですが、対応しているモデルはありますか?
A今回紹介したレゾライン ビラータのように、足囲(幅)を広めに設計したモデルも販売されています。足幅や甲の高さに不安がある場合は、商品ページの説明欄に幅広対応や2E・3E相当といった記載があるかどうかを確認しておくと選びやすくなります。
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